100年以上も前に車が登場して以来、最も急激な変革期であるこの10年について考えてみるのは非常に面白いことです。自動運転車と電気自動車は勢いを増し続けていますが、2020年代の自動車は、2010年代のとはまったく異なるものになるかもしれません。

2019年に自動車産業でイノベーションを推進する高度なテーマは4つあります。

デジタル・コックピット


 

車両の電化


 

コネクテッド・カー


自動運転


 

デジタル・コックピット
ドライブ体験の向上は運転席から始まります。ドライバーは運転席に座り、中央コマンド・センターであるデジタル・コックピットを統括します。 

  • Harvard Health Watchによると、ドライバーが一生のうちでハンドルを握っている時間は38,000時間にものぼることがあります。車に乗っている人は、近い将来では運転していたり、遠い未来では自動運転車の中でくつろいでいたりするでしょうが、いずれにせよ車のシートは快適でなければなりません。そのため、2019年も、カスタマイズ可能な機能や運転環境の制御をはじめとしたパワー・シートの改良が引き続き進められるでしょう。
  • 消費者は、より活発にコックピットと対話ができるようになると期待しています。2019年は、デジタル・コックピット内のコントロールを管轄する次世代の方式として、より手や体の動きに頼ったコントロールが模索されます。
  • コックピットの進化に伴い、車内の音響空間も発展します。ベースモデル車であっても、車内の音を形作るプレミアム・オーディオの変革がこれまで以上に求められています。
  • 適切な電源トポロジの選択は、快適さと便利さに関わる機能の原動力となる車体制御モジュールの進化にますます重要となるでしょう。

燃焼エンジンの
全体的効率の改善

ハイブリッドを実現する
機械コンポーネントの電化

完全
電気自動車の設計

電源オプションについては、ホワイト・ペーパー「System power architectures in body control modules」をお読みください。 

車両の電化
世界各国での行政による規制は、排出削減のために自動車メーカーがパワートレインを再構築・再構想する上での課題です。2019年を垣間見ると、トレンドを3つの領域に分類できます。

この分類の中で、次の重要なトレンドが浮かび上がります。

  • より精密なセンサと排気処理センターにより、燃焼エンジン処理が改善されます。
  • 標準の12Vバッテリーでは、新しい電子コンポーネントの負荷が限界になってきています。それに応えて、設計者は48Vシステムを設計できるようになり、マイルド・ハイブリッド車での排出削減のため燃焼エンジンを補助するスタータ/ジェネレータおよびトラクション・インバータ用に電源能力を強化します。
  • ゲート・ドライバ、アンプ、データ・コンバータ、デジタル絶縁は、最大800Vの電気自動車の高性能オンボード充電器、高電圧バッテリー・システム、DC/DCコンバータおよび強力なトラクション・インバータの管理に必要な信頼性の高い絶縁を提供します。
  • 電気自動車が普及するにつれ、高速充電のニーズも増しています。注目すべきイノベーションは最大350KWの高速DC充電ステーションと電磁誘導充電で、これは自動輸送サービスの実現につながるテクノロジであると考えられています。

詳しくはホワイト・ペーパー「Bridging 12V and 48V in dual-battery automotive systems」をご覧ください。

自動運転
完全自動運転車のさらに先を見据え、2019年には、乗用車での自動運転は主に運転支援機能を通して体験できるでしょう。この機能は、路上でのヒューマン・エラーを削減したり防止したりしてドライバーの状況認識を改善するように設計されています。

  • ドライバーの視野を拡張するため、カメラ・モニタリング・システム(CMS)が徐々に従来のミラーの役割に置き換わり、新型車ではスマート・ミラーが一般的になるでしょう。
  • センサ・フュージョンは、カメラ、レーダ、超音波システムがとらえる情報を集約してADAS(先進運転支援システム)機能を強化します。
  • 車内カメラは進化を続け、頭や目の位置を検出して眠気や注意欠如を判断するドライバー監視が備わります。

詳しくはホワイト・ペーパー「Paving the way to self-driving cars with advanced driver assistance systems」をお読みください。

コネクテッド・カー
ドライバーがスマートフォンを使って外の世界とつながるように、最新の車も外界とつながります。スマート・ドライビングは当たり前のものになるでしょう。期待されているような常時接続を乗員に提供する一方で、車がドライバーや路上の他の車、インフラストラクチャ、クラウド、歩行者とやり取りするようになります。

  • V2X(車車間 / 路車間通信)改革は進化を続け、ドライバー、乗員、車自体にこれまでにない高度な接続を提供します。
  • 2019年には、5GAA(C-V2X)で推進されるセルラーLTE規格と、Wi-Fi IEEE規格802.11pを用いる狭域通信(DSRC)との競争から勝者が生まれるかもしれません。
  • スマートフォンはますます車全体と接続されるようになるでしょうが、特にカー・アクセス・ソリューションとつながるでしょう。2019年はタイム・オブ・フライト技術により車がドライバーを安全かつ確実に認識できるようになるかもしれません。 

テレマティクスについて詳しくは、ブログ記事「Four design considerations for telematics hardware in the connected car」をお読みください。

本ブログで紹介したアプリケーションの詳細はこちらをご参照ください。

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※上記の記事はこちらのBlog記事(2018年11月29日)より翻訳転載されました。
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