20191月更新

シリコンバレーのスタートアップ企業からドイツの定評あるOEM企業まで、全世界のドライバーや自動車ファンは、コネクテッド・カーの将来がどうなるのだろうかと考えています。毎日の通勤がどう変わるのか?いつ路上で5G機能が提供されるのか?自律車両ではコネクティビティはどのように動作するのか?これらはどれも良い質問ですが、未来にならないと答えは出ません。

ヒントの1つは、テレマティクスの進化にあります。それを今日の市場についてわかっている事柄と関連付ければ、さまざまな可能性に思いを巡らせて楽しむことができます。それでは見ていきましょう。

テレマティクスの進化

2000年代の初めに、eCallが突如として現れ、安全性と緊急時の援助を提供する一方、パーソナル・ナビゲーション・システムが運転手に行先を案内するようになりました。このテクノロジーは主にヨーロッパでは欧州委員会E112、ロシアではERA-GLONASS、米国ではE911として推進されました。

2018年4月1日、欧州連合(EU)は、販売される全新車に本ハードウェアの搭載を義務付け、eCallは新局面を迎えました。ベーシックな携帯電話およびナビゲーション・デバイスとしてスタートしたものが、今やOTA(無線通信経由での)アップデート、運転挙動の予測、他の車両との通信といった機能をシームレスに統合しています。

市場の現況

Strategy Analytics社による『Automotive Infotainment Systems Q2 2018 OEM and Aftermarket Growth Drivers Through 2025』レポートによれば、OEMとアフターマーケットの両方のテレマティクス電子制御ユニット(ECU)領域において、市場は順調な収益成長を示し、2017年から2025年までの間に年平均成長率(CAGR)7.8%を維持します。その他のインフォテインメント・プラットフォームは、同期間において横ばいまたはマイナスのCAGRになる可能性があります。この予測で注目すべき点は、アフターマーケットおよびOEMのテレマティクス電子制御ユニット(ECU)だけが考慮され、図1に示す車車間通信および路車間通信(V2X)、自己診断(OBD)ポート・ドングル、フリート・マネジメント・システムなどのテレマティクス市場でのトレンドの進展に対応していないことです。

 図1:自動車のテレマティクス・ネットワークの未来

テクノロジーの速度について、5年、10年、15年の市場動向を予測することは困難です。しかしながら、テレマティクス領域で新しく出現しつつあるトレンドの見極めは重要です。

今後の市場
重大な疑問は、今後市場はどうなるのか、です。今日、市場はさまざまな新しい種類のサブシステム内で断片化され、多くの事例において、ニワトリとタマゴのどちらかが先か、つまり、テレマティクス領域では、法令とインフラのどちらが先かを知ることは困難です。

テレマティクス・システムの安全性の維持は不可欠です。これらのシステムにおけるトレンドは、テレマティクスのエコシステム(クラウドから自動車へのゲートウェイ、およびすべての自動車のサブシステムを接続するインフラ・ネットワーク)への単一の入り口となるような設計です。テレマティクス制御ユニット(TCU)は、より高度な統合システムへと進化し、より大きな処理能力、より多くのメモリ、より高速な接続を必要とするようになるでしょう。例えば、TCUに内蔵されるモデムが増え始めている一方で、収集されストリーミングされるデータも増加しています。

テレマティクスとコネクテッド・カーにどんな未来が待ち受けているのか、正確にはわかりませんが、それらが急速に進化していることは確実なので、OEM各社は新しいテクノロジーを素早く取り入れる必要があります。インフォテインメント・システムおよびコネクテッド・カーには収益の可能性があり、挑戦するスリルもあります。自らおよび産業界全体のために高い基準を設定し続けるテクノロジー・プロバイダが、皆様を支援していきます。

その他のリソース

※上記の記事はこちらの技術記事(2018年6月4日公開、2019年1月更新)より翻訳転載されました。
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