差別化を図りたいと考えるのは基本的には人間であり、その欲望は絶えず増加傾向にあります。そのためパーソナライゼーションは生活の中で、ますます重要になっています。テキサス・インスツルメンツのDLP®テクノロジはこれらのニーズに対応するため、継続的な技術革新を進めています。

人は、自分の名前が添えられたコーヒーが出てくれば、うれしい気持ちになります。服に名前を入れるために、追加料金を支払う人もいます。ここで、自分の名前が刻印された指輪を想像してみてください。さらに良いことに、お店で買ったばかりの服に合った、あなたの好みに正確にデザインされた指輪を想像してみてください。未知の工場の誰かではなく、あなたによって設計され、作られた指輪を想像してみてください。これは、新しいDLP Pico™チップセットで実現可能な可能性であり、小規模でポータブルなアプリケーションに工業的パフォーマンスをもたらします。近い将来、自分の薬指の高精度3D画像を撮り、完璧にフィットする指輪をデザインし、近所の店あるいは自宅の3Dプリンタを使って指輪を作ることが可能となるでしょう。ビジネス、スポーツゲーム、あるいは家族旅行など、様々なシーンやファッションに合わせた指輪を複数作ることもできます。他にも、図1のようなスマートフォン・ケースのカスタマイズも可能です。他にも、おもちゃ、パズル、室内装飾なども考えられます。これらはすべて、「自分が作った」という満足感やオリジナリティを象徴しています。

 図1:実際の例:スマートフォン・ケースをカスタマイズするプロセス

実世界を高精度3Dでキャプチャし、3Dで新しい可能性をイメージし、3Dで実際のオブジェクトを作成するというビジョンはここにあり、DLPテクノロジで可能になりました。DLPテクノロジは、大型の『DLP 4500』および『DLP 9000』チップを搭載した高性能産業用3Dマシン・ビジョンおよび3Dプリントアプリケーションで、すでに実証されています。既存の4つのDLP Pico デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)のいずれかと、新しい『DLP C3470』、『DLP C3478』、『DLP C3479』コントローラを組み合わせることで、産業用グレードの製品に見られる高速かつ高解像度の機能を備えた、新世代のデスクトップ3Dプリンタおよびポータブル3Dスキャナを可能にします。ポータブル3Dスキャナと3D印刷のさまざまな使用例については、図2と図3をご覧ください。

 図2:ポータブル3Dスキャンの応用例

 図3:3Dプリントのさまざまな可能性

新しいコントローラは、0.2~0.47インチのDMDである『DLP 2010』、『DLP 2010NIR』、『DLP 3010』および『DLP 4710』と組み合わせることで、拡張性のあるプラットフォームを提供します。『DLP C347x』コントローラのピン配置は、既存の『DLPC343x』ディスプレイ・コントローラと互換性があり、3Dスキャンや3Dプリントを含む、ディスプレイ以外のライトコントロール・アプリケーションを活用する複数の追加機能を提供します。コントローラとDMDのマッピングは下表のとおりです。

チップセット・コントローラ チップセットDMD 波長 ピクセル配列 販売開始時期
DLP C3470 DLP 2010NIR 700~2500nm 854 x 480 発売中
DLP C3470 DLP 2010 400~700nm 854 x 480 発売中
DLP C3478 DLP 3010 400~700nm 1280 x 720 発売中
DLP C3479 DLP 4710 400~700nm 1920 x 1080 発売中

表1:3Dプリントおよび3Dスキャナ用の新型Picoチップセット

4つの新しいチップセット・ファミリには、小型のものから、最大で1080Pの解像度を提供する大型のチップまでが含まれます。これらのチップセットを利用することで、コンパクトなバッテリ駆動式スキャナおよびプリンタから高性能のプロ仕様製品まで、幅広い製品を設計することができます。

 図4:DMDとコントローラのマッピング

3次元で存在する現実世界に合わせ、人間の目は3Dで世界を見るように設計されています。この新技術により、あらゆる物体を高精度の3Dで取り込み、リアルタイムで忠実に再現するスマート・スキャン・デバイスを設計できるようになりました。情報を統合する新しい方法をイメージし、新しい概念を現実世界の有形の3Dオブジェクトにもたらすことはエキサイティングです。DLPテクノロジは、産業、医療、消費者市場など幅広いアプリケーションで無限の可能性を実現し、私たちの生活をこれまで以上に効率的で楽しいものにします。

参考情報

※DLPはTexas Instrumentsの登録商標です。DLP PicoはTexas Instrumentsの商標です。その他すべての登録商標および商標はそれぞれの所有者に帰属します。
※上記の記事はこちらのBlog記事(2018年7月10日)より翻訳転載されました。
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