近年、携帯電話やポータブル機器、家庭用デバイス向けに明るくて大型のディスプレイを求める消費者の声が高まっています。しかし、高輝度と高解像度に対応して設計すると、電力消費量が増大し、大きくて扱いにくいデバイスになってしまうことが少なくありません。

新しいTI DLP® Pico™ 0.23インチ・チップセットを使用すると、高精細(HD)解像度ディスプレイを搭載しながら小型で省電力のポータブル機器を実現できます。DLP Pico 0.23インチ・チップセットにより、スマートホーム・ディスプレイ、モバイル・アクセサリ・ピコ・プロジェクタディスプレイ搭載スマート・スピーカー拡張現実および仮想現実ウェアラブル・ディスプレイモバイル・スマートTVなど、さまざまな次世代の超小型ディスプレイ・デバイスが実現可能になります。

最小チップセットで高輝度を実現

小型の機器を設計するときに、ディスプレイの解像度や輝度に妥協したくはないでしょう。高輝度であることは、鮮明なHD画像や、より大型の投影ディスプレイの実現が容易になるとともに、周囲が明るい場合も含め、どのような照明環境でも良好な視認性を確保しやすくなります。DLP Pico 0.23インチ・ファミリには現時点で当社最小のHDディスプレイ・チップセットが含まれるため、超低電力でシャツのポケットにも入ってしまうくらい小型のモバイル・ピコ・プロジェクタを作成できます。その輝度効率は、20~40インチのディスプレイ(200ルーメンの最大輝度)、および78mm×78mm×15mm未満(100ルーメン)のフォーム・ファクタに対応可能です。図1は、ポータブル・スマート・スピーカーの投影ディスプレイの例です。


図1:投影ディスプレイ搭載スマート・スピーカー

バッテリの持ちを長くする低消費電力

映画を見ている最中にプロジェクタがシャットダウンしてしまった経験はないでしょうか。DLPのTRP 5.4µm反射テクノロジなら、高効率の投影アプリケーションが可能になり、モバイル・プロジェクタのバッテリ寿命も長くなります。DLP製品では偏波の必要がないため、光源エネルギーのすべてを集束して、電力消費を増やすことなく、より明るいディスプレイを実現できます。TRPテクノロジにはDLP IntelliBright™画像処理アルゴリズム・スイートが含まれ、デバイスの電力消費量を50%減少させるか輝度を50%上げることができます。ディスプレイ・コントローラとデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)の消費電力は240ミリワット未満です。

 HDおよびqHD品質のディスプレイを実現

DLP 230KP』は市場に出ている中で最小の、HD品質投影対応チップセットです。『DLP 230GP』では、HD製品と同じサイズでより低価格のチップセットを使用して、qHD(960×540)解像度での設計が可能になります。

 次の表は0.23インチ・チップセット製品をまとめたものです。

解像度 デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD) ディスプレイ・コントローラ
qHD (960X540) DLP 230GP DLPC 3432
HD (1280X720) DLP 230KP DLPC 3434

1DMDとコントローラを含めたDLP Pico qHDおよびHDチップセット

 これらのチップセットは、DMD、ディスプレイ・コントローラ、LEDに必要な電源管理すべてを簡易化し統合するように設計されたPMICとともに使用されます。『DLPA 2000』(0.75A)、『DLPA 2005』(2.4A)、『DLPA 3000』(6A)の3つのPMICにより、さまざまなLED最大電流駆動性能に対応できます。

 DLP Picoディスプレイの駆動と制御には、最大24ビットのRGBパラレル・ビデオ・インターフェイスとI2Cをサポートするプロセッサが必要です。これらのディスプレイ・コントローラはいずれも、1-Dキーストーン訂正、アクティブ電源管理、カラー・コーディネート調整など、ディスプレイ設計の作業を単純化する画像最適化の機能を備えています。

 参考情報

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※上記の記事はこちらのBlog記事(2018年10月9日)より翻訳転載されました。
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