Other Parts Discussed in Post: IWR6843, IWR6843AOP

従来の産業用ロボット・システムから現在における最新の協働ロボットまで、さまざまなロボットが頼りにするセンサは、ますます大容量で多様なデータを生み出し、処理しています。図1に示すように、このようなデータを用いて自律型ロボットがリアルタイムに意思決定を下せるようになることで、激しく変化する実世界環境の中で生産性を維持しながら、効率的なインシデント管理が可能になります。

1:機械周辺を監視してインシデントのリアルタイム管理を助けるミリ波センシング

TIのミリ波センサが工場のエッジでどのようにインテリジェンスを実現するか

TIのミリ波センサは、リアルタイムでの意思決定のために、内蔵プロセッサによりオンチップでデータを処理できます。プロセッサを内蔵することで、光や視覚をベースとしたセンサに比べて小型の設計となっています。さらに、1つのセンサが複数の物体を検知してデータを処理することができるため、システム全体のコストも削減されます。

粉塵、煙、あるいは照度の変化などの環境条件に強いことも、工場環境では重要な考慮事項ですが、TIのミリ波センサはこのようないずれの環境でも機能します。また、センサはプラスチック筐体の内側に取り付け可能で、外部レンズや開口部、センサ露出面を設ける必要がありません。このような性質すべてのおかげで、TIのミリ波センサは産業用センシング・アプリケーションの場面で優れた性能を発揮します。

IWR6843 アンテナをパッケージに搭載したインテリジェント・ミリ波センサの評価モジュール

設計を始めましょう

距離測定だけにとどまらないTIのミリ波センサ

インテリジェントなエッジ処理により、工場の機械やロボットと人間とが連携できるようになると同時に、インシデントを抑えることが可能になります。例えば、機械周辺の該当する決まったエリアを監視するようにTIのミリ波センサを設定することで、立ち入り禁止ゾーンを規定し、そのエリア内に入った人に警告を出すことができます。これらのゾーンを分割して、人がゾーン内にいるか、またはどれくらい近くにいるかに応じて、センサが異なる反応をするようにもできます。この機能を示す図2では、��械との距離に応じて、ゾーンが安全(緑)、警告(黄色)、危険(赤)として表示されます。

2:人が機械の横をゆっくり通り過ぎると、1mの時点で危険信号が光る

TIのミリ波センサは、視野内の物体の距離だけでなく、あらゆる物体との相対速度も高い精度で測定できます。物体がセンサに近づく速さをミリ波センサで感知することで、ロボットは機械を止めるなど、より予測的な行動をとることができます。図3は、機械に近づく人の速さに基づいて機械がどのタイミングで危険ゾーンの警告を出すかを示したものです。

3:人がゆっくり歩いているときは1mの時点(a)、人が速く歩いているときは2mの時点(b

で警告信号を出す

生産性の向上のためには、誤ったきっかけで機械が止まることは避けたいでしょう。図4の例からは、内蔵の追跡アルゴリズムにより、センサが人の向かう方向を正確に判断できることがわかります。人が機械から遠ざかるときは、機械は警告信号を出さず、それ以外の行動も起こしません。

4:人が機械から遠ざかっているため、センサは警告信号を示さない

ロボット設計の簡素化と開発の迅速化

ロボット・システムの設計を簡素化し、開発にかかる時間を短縮するために、新しく追加された静的物体検出アルゴリズムを備えた、TIのエリア・スキャナ・ラボをご利用ください。このアルゴリズムは、ロボットの動作範囲内(障害物があってはならない領域)に置かれた箱、カート、他の機器などの静的な物体を検出する一方で、最初から現場に存在している柱などの恒久的な静的物体は無視することができます。このラボは、TIのミリ波センサのプラグイン・モジュール 『IWR6843ISK』、『IWR6843ISK-ODS』、および評価モジュール(EVM)『IWR6843AoP』を使用して実行されます。

無線周波数(RF)アンテナがチップのパッケージにエッチングされた、TIのアンテナ・オン・パッケージ(AoP)センサを使用すると、図5に示すように、他のレーダー技術と比較して基板面積が75%縮小されるため、より小型のシステムを設計できるようになります。

 

5TImmWaveアンテナ・オン・パッケージ・センサによってセンサのサイズを最大75%縮小

 

AoPセンサのその他の利点としては、高価なPCB基材やアンテナ設計の専門知識が不要なことから、市場投入までの期間を短縮し、システム全体のコストも削減できます。『IWR6843AOP』は130度という広い視野角(FOV)を備えているため、人体および物体検出のカバー領域が広がり、ロボットの稼働における��ンシデント管理が向上します���その結果、エリア・スキャンに必要なセンサの数が減少し、システム全体のコストがさらに低下します。

 

参考情報

+ミリ波センサを使用するエリ��・スキャナのリファレンス・デザイン

+ホワイトペーパー

+「ロボットの AIを支える センサ・データ」.

+“How antenna-on-package design simplifies mmWave sensing in buildings and factories.” (英語)

+"Choosing 60-GHz mmWave sensors over 24 GHz to enable smarter industrial applications"(英語)

+安全保護のアプリケーションはこちら

 

※すべての登録商標および商標はそれぞれの所有者に帰属します。
※上記の記事はこちらのBlog記事(2019年1月31日)より翻訳転載されました。
※ご質問はE2E Support Forumにお願い致します。

Anonymous