IoTInternet of Things、モノのインターネット)のほか、数多くのスタンドアロンのポータブル機器や、デジタルカメラ、ICレコーダー、多機能携帯電話や携帯ゲーム機その他のパーソナル電子ガジェットによって、新しいアプリケーションで、次世代の知的機能を備えたセンシングや計測機能への膨大な需要が創出されつつあります。

これらのアプリケーションの多くは電池動作で、非常に小型のフォームファクタであることから、より高い感度、微小電流の検出、超低消費電力といった、数々の共通した要件を持っています。さらに、進歩したセンサや計測デバイスの多くは出力信号として微小な電流を出力します。この信号は最終的にはデジタルで処理しなければなりません。その前に、微小電流信号を増幅し、電圧信号に変換し、さらにA/Dコンバータでデジタル信号に変換して、ある種のプロセッサに入力しなければなりません。ほとんどの場合、プロセッサにはマイコン製品が使われます。

多くの既存のオペアンプは、これらの新型センサが出力する微小電流出力信号を単純に増幅や変換できないため、それらのアプリケーションのニーズにはTIA(トランスインピーダンス・アンプ)が最適となります。ところが、残念なことに、多くのディスクリート構成のTIAは高い入力漏れ電流があり、これにより、TIAが増幅し電圧信号に変換可能な最小入力電流の限界が決められてしまいます。

例えば、多くの標準的なTIA製品はおよそ5nA(ナノアンペア)の漏れ電流があり、その結果、センサからの5nA未満の出力電流を増幅・変換できません。このジレンマの確実な解決策は、小さな漏れ電流になるよう最適化されたTIAをマイコン内に統合することです。このことで、TIAの入力漏れ電流を、1/10050pA(ピコアンペア) まで削減できます。この解決策と微小電流信号を出力するセンサを組み合わせることで、微小電流のモニタリングが可能で、インテリジェントな、超高感度のセンシング・サブシステムが可能になります。モニタする僅かなパラメータ変化でも捉えられるようになり、センシング・サブシステムは、かつてないほど高感度になります。

このようなマイコン+TIAソリューションは、幅広いアプリケーションに適合します。煙感知器や、一酸化炭素や二酸化炭素などの有害ガス検知器のような環境センシング・システムは、一筋の煙や空気中の一酸化炭素に対しても非常に高感度になります。もちろん、このような検知器はビルディング・オートメーション・システムに組み込むこともでき、他のアプリケーションが同種のマイコン+TIAテクノロジを使うこともできるでしょう。例えば、スマート・サーモスタット(知的機能を備えた温度調節器)は温度と湿度の両方をモニタでき、ワイヤレス・スイッチは室内照明の消費電力をモニタし制御できます。スマート・ウォッチや、フィットネス用の運動モニタなどのウエアラブル電子デバイスにも、センシング・サブシステムを組み込むことができるでしょう。例えば、敏感な肌の人の日焼け防止のために、スマート・ウォッチに紫外線レベルの計測機能を搭載できます。現在、非常にポピュラーになった多くの電池動作デバイスでは、電力のモニタリングは特に重要なアプリケーションです。マイコン+TIAをベースとしたソリューションは、電池から流れ出る電流をセンシングし、電池内に残る電力を計測して、電池の再充電が必要になったという警報をユーザーに発します。

アプリケーションは明らかに広範囲です。今後の数週間から数カ月に渡って、�����れらのアプリケーションのうちのいくつかを、どのように実装するかを詳細に解説します。

もし、TIAを統合したマイコンが、アプリケーションに最適と思われたら、MSP430 FR 2311マイコンをご覧ください。

 

 

上記の記事は下記 URL より翻訳転載されました。

https://e2e.ti.com/blogs_/b/msp430blog/archive/2016/07/25/iot-wearables-and-other-new-applications-create-need-for-super-sensitive-sensors

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