設計で使っているLEDが明るすぎたり、負荷に供給される電圧量を制御したり、あるいはモータの回転速度や距離を変えたりといった課題は、パルス幅変調(PWM)出力を使用して解決できます。PWMは、タイマの周期からデューティ・サイクルを生成し、変更可能な矩形パルスを生成します。この矩形パルスは、LED操作、電源レギュレーション、通信プロトコル構築、可変信号生成などの幅広いアプリケーションに使用できます。専用ICを利用する代わりに、『MSP 430™』ファミリのマイコンを使用することで、これらの機能の実現が可能になりました。TIは、費用対効果の高い『MSP 430』バリューライン・マイコンを使用して簡単なPWM機能を実行する方法を解説した一連のPWM技術ノートを発表しています。

これらの機能は、従来、組込みマイコンと見なされないこともあった広範なアプリケーションでの『MSP 430』マイコンの適合性を表しています。 その低電力特性は、従来のいくつかのICには欠けている明確な利点を提供することができます。 たとえば、「低メモリ『MSP 430』マイコンを使用したデュアル出力8ビットPWM DAC」と題するTIの技術文書では、『MSP 430FR2000』を使用した2チャネルの8ビットデジタル/アナログコンバータ(DAC)について解説しています。Timer Bモジュールは、別々のキャプチャ・コンペア・モジュールを使用して2つのPWM出力を生成します。 最初のPWM出力は32素子のルックアップテーブルから250Hzの正弦波を生成し、2番目のPWM出力は静的なDC電圧を生成します。パッシブ・フィルタは、図1が示すように、アナログ信号にデジタル信号出力を構築するのに役立ちます。

図1: PWM DAC出力

ユーザは、DAC出力モードの変更、波形ルックアップテーブル内の値の変更、あるいは異なるクロックソースまたは低電力モード(LPM)へのアクセスにより、これらの出力を利用するアプリケーションの仕様に合わせて容易にカスタマイズできます。また、マイコンはプログラマブルなので、所定の機能により多くの機能を組み込むことができ、価格や柔軟性面で懸念があるアナログDACを置き換えるような多機能性を提供します。PWM TI 技術文書カテゴリに記載されているすべての機能に同じ原則が当てはまるため、その可能性は無限です。

すべてのPWM機能は、16ピン薄型スモール・アウトライン・パッケージ(TSSOP)と24ピン極薄クワッド・フラット・ノーリード(VQFN)パッケージで提供される、他の『MSP 430FR21xx』デバイスとともに、低コストの『MSP 430FR2000』マイコンを市場に促進されます。1,000個ロット時の推奨再販価格が29セント、より多くのロット時では25セントで提供されるこれらのマイコンは、今日の多くの固定機能ICのプログラマブルな代替製品となります。

参考情報

 ※MSP430はTexas Instruments Incorporatedの商標です。その他すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。

※上記の記事はこちらのBlog記事(2017年11月28日)より翻訳転載されました。

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