より小型のAC/DCコンバータを誰もが好みます。特に携帯電話やタブレットデバイス向けAC/DCコンバータはそうです。その簡素な作りから、フライバック・コンバータは、ほんのわずかなコンポーネントで効率的にACからDCに変換できるため、最適なトポロジだと言えます。ただし、トランスの漏れインダクタンスに関連する電力損失により、実用的サイズに制約が出てくるため、フライバックの小型化には限界があります。これまでは、どのデザインも漏れインダクタンスを最小化することで、この課題に対処してきました。しかし、アクティブ・クランプ・フライバックは、この悪循環を打ち破ります。

 1:アクティブ・クランプ・フライバック(赤は漏れインダクタンス、青はアクティブ・クランプ)

RCD(抵抗、コンデンサ、ダイオード)クランプやツェナー・クランプにエネルギーを消散することで漏れインダクタンスに対処しようとする代わりに、アクティブ・クランプはエネルギーを蓄え、それを出力に供給します。また、クランプをインテリジェントに制御することで、ゼロ電圧スイッチングを実現します。これにより、二つの主な損失原因を取り除くことができ、サイズを劇的に縮小することが可能になります。低出力キャパシタンスとオンステート抵抗を持つGaN電界効果トランジスタ(FET)を使用している場合には、アダプタのサイズを半分にまで縮小することができます。

しかし、アクティブ・クランプはインテリジェントに制御されないと、通常よりも効率が悪くなることから、細部に注意を払う必要があります。これまでは、このトポロジをインテリジェントに制御できるコントローラが存在しなかったため、アクティブ・クランプ・フライバックは夢のように思われていました。しかし、TIの『UCC 28780』の登場により、状況は変わりました。このアクティブ・クランプ・フライバック・コントローラはSiまたはGaNパワー・ステージで機能するよう特別設計されており、あらゆるデザインでこのトポロジを現実のものとします。また、TIの『UCC 24612』同期整流器を使用することで、米国エネルギー省のLevel VIまたはCoC Tier 2に準拠することもできます。

参考情報

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※上記の記事はこちらのBlog記事(2018年3月1日)より翻訳転載されました。

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