産業用システム設計向け電源内蔵の強化絶縁アイソレータ

ファクトリ・オートメーションやグリッド・インフラストラクチャ向け機器をはじめとした産業用アプリケーションへの需要が高まるにつれて、システムへの機能追加のニーズも増加しています。これによって、電源管理システムには、装置の温度を上昇させずに多様な回路に電源を供給するという、より厳しい要件を課されるようになりました。

 過去のブログ記事で、システムの低電圧側と高電圧側の間でのアイソレータ製品の使用について説明しました。データ・アイソレータ製品を使うことで、信号絶縁機能を簡単に実現できますが、それだけでは十分ではなく、電源の絶縁も必要です。いくつかの例では、2種類の絶縁型電源を使って、アイソレータの1次側と2次側に電源を直接供給しています。しかし、その他のアプリケーション例では、2次側用の電源を利用できないこともあります。このような例では、絶縁障壁越しに1次側から2次側に絶縁電源を供給する必要があります。

 図1 に、ディスクリート部品を使った絶縁型電源ソリューションの例を示します。1次側電源で動作するトランス・ドライバはプッシュプル信号を発生し、トランスの1次巻線を駆動します。トランスの巻線比によって、望む2次側電圧を得ます。トランスの2次巻線につながったダイオードで整流し、レギュレータで電源リップルを取り除きます。整流ダイオードと平滑コンデンサだけで良好なシステム性能が得られる場合には、レギュレータが不要になることもあります。

図1: ディスクリート部品で構成した絶縁型電源の例

図1のソリューションは、外付けトランスを使うことから、非常に良好な電力伝送効率を提供しますが、複数の部品を使うため、システム・コストが上昇するとともに、より大きな基板実装面積が必要になります。さらには、システムで複数のアイソレータを使う場合、必要なディスクリート部品、システム・コストや基板実装面積は、アイソレータの個数分だけ増加します。

絶縁信号と絶縁電源をワンチップで提供するソリューションが、この問題を解決します。図2 に、データと電源の絶縁機能を同時に提供するTIのISOW7841強化絶縁アイソレータ製品を使った回路例を示します。このデバイスは外付け部品なしで絶縁型電源を構築できます。内蔵のDC/DCコンバータは最大650mWの絶縁出力電力を供給するほか、高集積度であることから、基板実装面積の縮小や、ソリューションのコスト削減に役立ちます。

図2: ISOW7841 強化絶縁アイソレータ製品を搭載した、A/Dコンバータ・センシング・アプリケーション向けの絶縁電源と絶縁シリアル・ペリフェラル・インターフェイス

このデバイスの高い集積度によってシステムの温度が上昇し、故障を招く可能性について、心配する読者もあることでしょう。電源内蔵のISOW7841強化絶縁アイソレータ製品は、図3に示すように、他の高集積ソリューションと比較して、80パーセントも高い効率を提供します。高効率の電力伝送機能によって、少ない発熱で、より大きな電力を出力に供給でき、その他の追加デバイスにも電源を供給できます。さらに、この高効率特性は、過熱なしで複数チャネルを密集して実装することにも役立ちます。

図3: ISOW7841と競合ソリューションの電力変換効率の比較

参考情報:

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※上記の記事はこちらのBlog記事(2017年3月22日)より抄訳転載されました。

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