IoTは、単にインターネットに対応したデバイスを互いに接続するだけではなく、データをやり取りし、共有することで私たちの生活の質を高めてくれます。次世代の産業革命を意味する用語「インダストリ4.0」は、工場の自動化を表し、データが容易にやり取りされるファクトリ・オートメーションとスマート・ファクトリの構築を体言し、工場が最大限の効率で稼働し続けるよう環境を整えます。IO-Linkは、スマート・ファクトリ化の実現の上で重要なインターフェイスとなります。

最近の工場は、製造されている製品の品質向上や購入しやすい価格からみて、すでに効率的に稼働しているように思えるかもしれません。しかし、実際、工場にはまだ非効性が残り、IO-Linkのようなインターフェイスによって削減できる多くのポイントがあります。 IO-Linkコンソーシアムおよび国際電気標準会議(IEC)61131-9規格は、特定のメーカーに依存しない双方向のセンサおよびアクチュエータ用通信プロトコルを確立しました。 この仕様は、今日使用されているProfi bus、Profinet、およびEtherCATなどの既存のフィールド・バスとの完全な下位互換性を持つメカニカル・インターフェイスも定義しています。

ここで、IO-Linkのいくつかの重要な優位点と、それがファクトリ・オートメーションをどのように推進しているのかについて検討してみましょう。

・双方向通信: 現在の工場では、主に単方向センサを使用しています。つまり、標準の入出力(SIO)/デジタル出力スイッチを利用したデータのみが提供されます。そのため、例えば玩具工場において赤いワゴンが緑色に塗られている場合、単方向センサはエンジニアにその不良を警告しますが、実際に緑のワゴンが注文されている場合、その警告は役に立ちません。 IO-Linkの双方向プロトコルにより、工場はセンサ・パラメータを容易に更新できるため、各センサを再プログラムするために製造現場に行うことなく、カスタム注文に対応できるようになります。 双方向通信は、ケーブル切断、過熱状態、出力短絡、および転送診断に関する工場のリアルタイム情報も提供します。 また、場合によっては、センサが寿命に近づいていることを工場に警告することさえできます。

・特定メーカーに依存しない: IO-Link規格に準拠しているメーカーは、他の製品(センサ、プログラマブル・ロジック・コントローラ[PLC])だけでなく、競合ソリューションでも動作するセンサとアクチュエータも製造します。標準インターフェイス、ケーブル、コネクタは、工場に、高い水準の効率性と柔軟性を維持しながら、主要要件に基づいて製品を提供するプロセスを開発する能力を提供します。

・通信プロトコル: IO-Linkのポイント間通信プロトコルは、必要なサイクル時間に応じて、最大32バイトを実現します。さらに、IO-Linkマスタはセンサとタイミングのパラメータを格納できます。この重要な機能により、エンジニアは障害の発生したセンサを自動的に切り離してパラメータを新しいセンサに自動的にダウンロードし、ダウンタイムを短縮し、工場の効率を向上させることができます。

・下位互換性: すでに述べたたように、SIO/デジタル出力スイッチは今日のPLCへの主なインターフェイスです。今日の工場には多くのSIOセンサが搭載されており、それらを新しいテクノロジーに置き換えるという考えは圧倒的です。 IO-Linkの著者はこれを認識し、IO-Linkのコネクタは、取り付けられたベースと同じコネクタ/ピン配列だけでなく、同じケーブルを使用しなければならないことを義務づけました。

これらのコネクタは、図1に示されているように、IEC 61131-9に記載されている仕様に準拠しています。これらのコネクタは、今日の工場のあらゆる所で設置されているものと同じ(M5、M8、M12タイプ)コネクタです。

図1: IO-Link SIOコネクタ

最大20メートル(66フィート)に及ぶ、3つ(あるいはそれ以上)のワイヤ・ケーブル全体が接続されます。表1では、IO-Link信号の定義を示しています。

* 3つのワイヤ・インターフェイスに必要 表1: IO-Linkケーブルの定義

もしSIOに詳しいのであれば、ふだん参照するVCC、OUT、およびGNDと併せて、その機能が上記の表に示されているものと同じであることにお気づきでしょう。IO-LinkもSIOも、データにはC/Q(あるいはOUT)信号を使います。

TIは、2011年より、IO-Linkに対応したトランシーバ製品を出荷しており、最近第2世代トランシーバ製品をリリースしました。『TIOL 111』IO-Link デバイス・トランシーバとスマート・ファクトリ化の実現を促進する『TIOS 101』デジタル出力スイッチについては前回の記事をご参照ください。

「IO-Link: TIOL 111TIOS 101 製品概要」の日本語ビデオもご覧いただけます。

<参考情報>

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※上記の記事はこちらのBlog記事(2017年9月14日)より翻訳転載されました。

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