容量性絶縁を選ぶ理由:スマート・シティ向けのセンサに不可欠な構成要素


世界中のあらゆる地域で都市化が進む中、そうした世界的発展の先にあるのがスマート・シティです。スマート・シティを構築するには、地域密着型の送電網、公共事業、気象観測などの主な構成要素間をつなぐ高度なネットワークと通信制御により、インフラのパラダイム・シフトを実現することが必要になります。

インフラをネットワーク化するうえで基盤となるのはセンサ技術です。センサとは、周囲の環境内に生じる事象や変化を検出し、その情報をコンピュータやプロセッサなどの他の電子機器に送信するデバイス、モジュール、またはサブシステムです。このようなセンサが、たとえば地域密着型の送電網を構成する屋上太陽光発電機のインバータや、HVAC(暖房、換気、空調)システム、住宅や商業用ビル向けのオートメーション・システム、自動化されたコインランドリーや洗車システムといった実際のシステムに接続されていることは、容易に想像できます。

これらのシステムに共通する要素は何なのでしょう。これらのシステムは、いずれも高電圧で動作し、多くの電流を消費または供給します。センサ・データはコントローラ側(測定値を人が読み取れるデータに変換するデバイス)に送信する必要があります。このコントローラには、住宅用の太陽光インバータのエネルギー出力を監視するために使用される、タッチ・スクリーンなどのヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)も含まれます。したがって、センサ側で発生する高電圧にコントローラ側がさらされた場合、そのコントローラが損傷するだけでなく、人にも危険が及ぶ可能性があります。これと同じような危険は、オートメーション、プロセス制御およびテストに深く関わる工場環境や、患者との直接接触を伴う医療機器においても起こり得ます。

絶縁が必要な理由:

高電圧の危険を防ぐには、同相電圧を阻止するバリアとして機能しつつ、センサとコントローラの間で信号電圧を伝送できるようにするアイソレータが必要です。アイソレータは、高電圧や高電力を伴う過酷な環境においてシステム全体を堅牢化するために役立ちます。

スマート・シティのもう1つの重要な条件として、データ速度の高速化があります。この条件は通信インフラでしか達成できませんが、通信インフラではデータや信号を伝送するために高電力が使用されることから、絶縁が必要になります。スマート・シティで暮らす市民が期待するのは、たとえばオンラインで注文したテイクアウト用の食べ物をドローンですぐに配達してもらうことです。このような期待を実現するには超高速の通信が必要であり、超高速通信には、高い電力レベルでデータを発信する基地局や携帯電話の電波塔を介し、モバイル・デバイスにデータを送信する通信インフラが欠かせません。

絶縁方法

ガルバニック絶縁は、電気システムの機能部を絶縁し、機能部間に直流や制御されていない過渡電流が流れないようにするための手法です。ただし、データとエネルギーはガルバニック絶縁バリアを通り抜ける必要があります。

ガルバニック絶縁バリアは、図1に示すように、光、磁気、または容量性の絶縁技術に基づいています。

バリアの媒体は3つの絶縁技術でそれぞれ異なりますが、その最終目標はいずれも同じです。光絶縁は3つの絶縁技術の中で最も古く、かつ簡単に使えます。光絶縁は、ダイオードから送出される光でデータを伝送する、発光ダイオード(LED)を基にした絶縁技術です。ただし、光絶縁には、低速(LEDをオンにするのに時間がかかるため)、高消費電力で、部品寿命が近づくにつれてパフォーマンスが低下する、といった問題があります。LEDの物理的なサイズという制限があるため、絶縁するデバイス(アイソレータ、絶縁ゲート・ドライバ)のサイズを縮小するのは困難です。

磁気絶縁と容量性絶縁では、データがバリアを介してデジタル方式で伝送されます。磁気絶縁は誘導性絶縁とも呼ばれ、絶縁バリアを介して電流パルスを最大100Mbpsで伝送します。ただし、消費電力はデータ速度と共に増加します。磁気絶縁は電磁干渉の影響も受けやすく、HVACシステムや、モータを必要とするファクトリ・オートメーションなどの環境では、強い電磁干渉を発生させる強磁場が広く用いられています。

  図1:絶縁技術

より優れたソリューション:容量性絶縁

磁気絶縁と同様、容量性絶縁では、絶縁バリアを介して受信するAC信号(コンデンサはDC信号を通すことができない)をデジタル回路でエンコードおよびデコードします。容量性絶縁は、DC信号を通すことができない点から本質的に絶縁に適した選択肢となっています。容量性絶縁は、データ速度を高速に維持して消費電力を低く抑えられるうえ、磁気ノイズの影響を受けにくい特長があります。

過酷な環境やアプリケーションでは、光絶縁および磁気絶縁技術に対する容量性絶縁の優位性を目にすることができます。スマート・シティ・インフラが、その不可欠な構成要素である絶縁技術と共に急速に発展していくのを見ると、興奮で胸が高鳴ります。

その他のリソース

  • 絶縁について詳しくは、『Why is the cloud isolated?』を参照してください。
  • 絶縁の有用性について詳しくは、こちらのビデオ『What is an isolated gate driver?』をご覧ください。
  • デジタル・アイソレータ、トランシーバ、ゲート・ドライバ、絶縁アンプなど、容量性絶縁を基にした製品については、こちらをご確認ください。

上記の記事は下記 URL より翻訳転載されました。

http://e2e.ti.com/blogs_/b/analogwire/archive/2018/01/16/why-capacitive-isolation-a-vital-building-block-for-sensors-in-smart-cities

※すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。
* ご質問はE2E 日本語コミュニティにお願い致します。