業界最小のオペアンプで超小型マイクロフォン回路を設計


音声コマンドは、市場で製品を差別化する機能として多くのアプリケーションで人気です。マイクロフォンは、音声や発話を使用するあらゆるシステムの基本コンポーネントであり、サイズ、コスト、性能の点でエレクトレット・マイクロフォンが広く採用されています。

このブログでは、非常に小型でコストを最適化したエレクトレット・コンデンサ・マイクロフォンのプリアンプ設計について説明します。この設計で使用する『TLV9061』は、業界最小のオペアンプで、0.8mm × 0.8mmの超小型リードレス・パッケージ(X2SON)で提供されます。図1は、エレクトレット・マイクロフォンのアンプ回路構成を示しています。

 図1:エレクトレット・マイクロフォンの非反転アンプ回路

ほとんどのエレクトレット・マイクロフォンは、2.2kΩのプルアップ抵抗でバイアスを加えたJFET(接合型電界効果トランジスタ)をバッファとして内蔵しています。音波がマイクロフォン・エレメントを動かすと、電流がマイクロフォン内部のJFETドレインに流れ込みます。JFETドレイン電流はR2に電圧降下を引き起こします。R2はAC結合で、中間電位にバイアスし、オペアンプの入力端子に接続しています。オペアンプは、バンドパス・フィルタをかけた非反転アンプ回路として構成されます。予想される入力信号レベルと望ましい出力の大きさと応答がわかれば、回路のゲインと周波数応答を計算することができます。

この回路のサンプル設計を見てみましょう。電源は+3.3V、入力は7.93mVRMS、出力信号は1VRMSです。7.93mVRMSは、マイクロフォンによる0.63Paの音圧入力、および-38dBの音圧レベル(SPL)感度仕様に相当します。帯域幅の目標は、300Hz~3kHzという一般的な発話の周波数帯域幅を通過することです。

式1は、VOUTとAC入力信号の関係を決定する伝達関数です。

 式2では、予想される入力信号レベルと必要な出力レベルに基づき、必要なゲインを計算します。

 標準的な10kΩフィードバック抵抗を選択し、式3でR6を計算します。

 必要な通過帯域300Hz~3kHzの減衰を最小化するため、必要な帯域幅の外に上(fH)と下(fL)のカットオフ周波数を設定します(式4)。

 C7を選択し、fLカットオフ周波数を設定します(式5)。

 C6を選択し、fHカットオフ周波数を設定します(式6)。

 入力信号のカットオフ周波数を低く設定し、低周波数の音波が通過できるようにするには、C2を選択し、カットオフ周波数(fIN)を30Hzにします(式7)。

 図2は、マイクロフォンのプリアンプ回路の測定した伝達関数を示しています。フラットバンド・ゲインは、目標よりやや低い41.8dBまたは122.5V/Vにしか到達しません。これは、帯域幅が狭く、ハイパス・フィルタとローパス・フィルタの間の減衰があるためです。

 図2:マイクロフォン・プリアンプの伝達関数

回路は、直径6mmのエレクトレット・マイクロフォンの裏面に収まるTIのX2SONパッケージを使用して設計されました。このサイズ制約により、非常に小型のオペアンプを使用する必要がありました。『TLV9061』の実装面積は0.8mm × 0.8mmです。小さな0201サイズの抵抗とコンデンサもプリント回路基板(PCB)面積の最小化に貢献します。もっと小型の抵抗を使用すれば、さらに面積は縮小可能です。図3と図4はPCBのレイアウトを示しています。

 図3:直径6mmのエレクトレット・マイクロフォンの裏面に収まるマイクロフォン・プリアンプのレイアウト

 図4:マイクロフォンとPCBを異なる角度から見たPCB設計の立体表示

マイクロフォンの感度に応じて、上記の設計手順は変更が可能です。『TLV9061』のような小型アンプを設計する際は、アプリケーション・ノート「TIのX2SONパッケージを使用した設計と製造」に記載したレイアウトのベスト・プラクティスに倣うことをお勧めします。

参考情報(英語)

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※上記の記事はこちらのBlog記事(2018年4月12日)より翻訳転載されました。
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