HEV/EVアプリケーションでの電圧および電流センシング


車載システムにおける半導体部品の急速な増加により、各サブシステムの主要な電圧や電流を管理する必要性が高まっています。電源電圧、負荷電流、または他の重要なシステム機能を監視することは、障害状態を示し、致命的な障害を防止し、エンド・ユーザーを被害から守るために役立ちます。

ハイブリッド自動車(HEV)および電気自動車(EV)には、内燃機関によって駆動される従来の自動車と比較して、いくつかの明確な課題があります。HEVおよびEVには、電圧や電流の監視を必要とするシステムが多く搭載され、これにはオンボード・チャージャ(OBC)、バッテリ・マネジメント・システム(BMS)、DC/DCコンバータおよびインバータが含まれます。この記事では、HEV/EVシステム内の電流および電圧を監視するための3つの基本的な回路について説明します。差動アンプ(DA)によるローサイド電流センシング、インラインの絶縁型電流センシング、および減衰DAを使用した高電圧センシングです。

図1は、電圧および電流監視を必要とする一般的なシステムを示したHEV/EVの概略ブロック図です。

 

 

 

 

 

 

図1:一般的なHEV/EVシステム

この記事ではサブシステムの動作については取り上げませんが、設計者は(図2に示すように)ローサイド電流センシングにディスクリートDAを使用します。これは特に、負荷電流が双方向である場合、またはアンプの最小出力スイングよりも大きな既知の値へと出力を高めるために小さな基準電圧を必要とする場合です。プリント基板(PCB)レイアウトでは、シャント抵抗をケルビン接続する必要があります。『LM2904-Q1または『TLV313-Q1など、同相モード電圧範囲にグランドを含むデバイスを使用することが重要です。

 

 

 

 

 

 

 

図2:ローサイド電流センシング用の差動アンプ

R4= R2およびR3= R1を仮定すると、この回路の伝達関数は式1で与えられます。このアプリケーション用のアンプは通常、同相モード範囲にグランドを含んでいます。ただし、状況により、同相モード電圧が実際にはシャント抵抗にかかる電圧(ILoad*Rsh)、Vref、およびR3とR4の比によって決まる分圧抵抗回路に依存するため、グランド付近に達しない場合もあります。ゲイン(R2/R1)は、出力電圧スイングが飽和しないような値にする必要があります。

図3に、ハイサイドのインライン絶縁型電流センシング・ソリューションを示します。『AMC1200は、差動入力、差動出力の絶縁型アンプです。絶縁型アンプは、低電圧回路を高い同相電圧から保護するのに役立ちます。DAは差動信号をシングルエンドに変換し、A/Dコンバータ(ADC)でデジタル化できるようにします。

 

 

 

 

 

 

図3:絶縁型インライン・センシングで差動からシングルエンドへの変換に使用される差動アンプ

R4= R2およびR3= R1を仮定すると、図3の回路の伝達関数は式2で与えられます。『AMC1200のゲインは8V/Vです。Vrefは通常、出力を電源中点にバイアスして双方向の電流をサポートするために、V2/2に接続します。このアプリケーションには、『TLV313-Q1などのレール・ツー・レール入出力(RRIO)アンプが適しています。

図4および5は、減衰DAと、対応するTINA-TI™シミュレーションを示しています。この回路では、DAの抵抗によって入力電圧(±100V)が分圧されます。入力電圧はバイポーラであるため、電源中点に設定された基準電圧によって出力がバイアスされます。アンプを選択する際には、デバイスの入力同相モードおよび出力電圧スイングの仕様に準拠していることを確認する必要があります。この例では、同相モード範囲の広い『OPA314-Q1を使用しています。

 

 

 

 

 

 

 

図4:減衰差動アンプ


 

 

 

 

 

 

 

図5:減衰差動アンプのTINA-TIソフトウェア・シミュレーション

R4= R2およびR3= R1を仮定すると、図4の回路の伝達関数は式3で与えられます。ゲインがユニティより小さいことに注意してください。

このブログ記事では、OBC、BMS、DC/DCコンバータおよびインバータなどの車載サブシステムで使用される3つの一般的な回路について説明しました。また、HEV/EVアプリケーションでは車両の寿命を最大限に伸ばすため、電圧および電流センシングを使用して重要なシステムを監視していることを紹介しました。このブログで示した主要なオペアンプの仕様(同相モード電圧など)について詳しくは、TI Precision Labsをご覧ください。 

参考情報

※上記の記事はこちらのBlog記事(2017年11月22日)より翻訳転載されました。

* ご質問は E2E 日本語コミュニティにお願い致します。