映画館や教室、オフィスの会議室などで使われるビデオ・プロジェクタには、人の眼に合わせて設計されているものが多いものです。しかし、すべてのプロジェクタが、人間が使うことを前提に作られているわけではありません。3Dマシン・ビジョンやダイナミック・プロジェクション・マッピングのような産業用途では、より高速なフレーム・レートや低いレイテンシの産業用プロジェクタが求められます。それは、産業用プロジェクタを使って適切な位置に対象物を選択し、その位置を特定し、そこに配置するFA(ファクトリ・オートメーション)の設定において特に重要です。

それでは、なぜフレーム・レートとレイテンシが重要なのでしょうか。1秒あたりのフレームは、文字通り、毎秒スクリーンに映る画像の数を表します。プロジェクタの高速フレーム・レートを高速度カメラが合わさることで、より短時間に視覚情報を捉えることができるようになるため、マシン・ビジョン・システムの精度とスループットを向上させることができます。インライン3Dプリント回路基板(PCB)の検査は、高速フレーム・レートの利点を生かせる産業用アプリケーションの一つです。それは、ハンダ・ペーストの量が適切であるか否か、部品が正しい場所に配置されているか否かを検査するアセンブリ工程に使われ、PCBの生産歩留まり向上に役立ちます。

一方、レイテンシは画像化してから投影されるまでに生じる、ごくわずかな遅延のことです。レイテンシが低いことは、投影される画像とカメラとの間の同期をより迅速に行う上で重要で、これにより、ロボット装置などのマシン・ビジョン・システムは適切な時間で応答できるようになります。デジタル・プロジェクション・マッピングは、低いレイテンシという利点を生かした、投影物体に迅速、かつ正確に追跡するためのアプリケーションです。

新しいデモで紹介された1,000フレーム/秒の高速性と3msというわずかな遅延で動作するソリューションは、この分野における大きな進歩となりうるでしょう。当ソリューションには、TIのDLP 7000 XGAチップセットと高速の産業用カメラ、および1台のパソコンが組み込まれ、そのような高性能を提供します。従来の民生用プロジェクタは120Hzまでの性能しか得られませんが、TIのDLP製品ポートフォリオの高速チップを使って産業用ソリューション向けに専用設計すると、8ビットの深度で最大1,900Hzの性能が得られます。

このデモは、DLPデザイン・ネットワーク・パートナーズの1社である東京エレクトロンデバイスと東京大学が製作しました。デモをご覧いただければ、ダイナミック・プロジェクション・マッピングからPCB検査やFAまで、マシン・ビジョンの将来についてわかりやすく、興味を持っていただける内容となっております。当技術を紹介するこちらのビデオをご覧いただけますと、機能についてよりよく理解いただけます。

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