流量計メーカーは、超音波式の先進的な流量計測テクノロジーを迅速に採用することで、公共企業のニーズに対応しています。 多くの企業と同様、公共企業も一般的には自らが提供するサービスから売り上げを計上する事業であり、単純に料率を挙げることをせずに、売り上げを伸ばすことに熱心です。 この目標を達成する有力な方法の 1 つは、消費者による水やガスの使用量をより高い精度で測定することです。

従来型の公共メーターの多くは機械式です。メーター内部に機械式のホイールがあり、ホイールが完全に回転した回数を数えて、水やガスの使用量を測定します。 このように表記すると簡潔なように思えますが、いくつかの欠点を識別することは難しくありません。 機械式ホイールは、フィールドに設置された当初は、最も少ない抵抗で回転します。 これ以降、期間が経過すると、可動部に水あかやガスの残留物が付着してホイールの回転量が少なくなり、メーターの動作寿命が短くなると同時に、精度が低下します。 要約すると、機械式メーターの精度が低下し、公益企業の売り上げが低下します。

超音波式の流量計の動作方法

機械式メーターとは異なり、超音波式の流量計には可動部がありません。 期間の経過に応じて破損または性能が低下する部分もありません。 堅牢性の向上に加えて、超音波式のメーターは流量が少ないときでも非常に高い精度で測定を行います。これは、消費者が 1 滴の水や微量のガスを消費したときでも、公益企業が料金を請求できることを意味します。 それに加えて、事実上、改ざんが不可能です。

図 1 に、超音波式の流量計の内部コンポーネントを示します。 流量センサは、1 本のパイプで形成されています。その公称の直径は D であり、互いに対して固定的な距離 L の間隔で、2 個の圧電性トランスデューサが配置されています。 これらのトランスデューサは、保護ハウジング内に取り付けられています。 ハウジングとトランスデューサは、パイプ内の穴に挿入されており、トランスデューサの内部カバーはパイプ内の流体に対して露出しています。 パイプ内にある 2 個の音響反射体は、一方のトランスデューサが発した超音波信号をもう一方のトランスデューサに向けます。

図 1: 超音波センサ・セル

超音波センシングを使用して流量を測定する技法を、デルタ・タイム・オブ・フライト(TOF、飛行時間)と呼びます。 測定シーケンスの開始時に、大量のパルスをトランスデューサ A に印加します。トランスデューサ A は超音波の圧力パルスを生成し、そのパルスはパイプ内の音響反射体を通じてトランスデューサ B に向けられます。 図 2 に示すように、最初のパルスがトランスデューサ A に印加された時点で、スタート信号が TOF 測定開始のマークを付けます。 レシーバ側では、トランスデューサ B とそれに関連付けられた信号処理電子回路が、着信した波形を検出し、超音波パルスを受信した時刻にマークを付けるストップ・パルスを生成します。 超音波が A から B まで移動するのに要した時間(スタート・パルスから最初のストップ・パルスまでの時間)が TOF です。

図 2: TOF の差を測定することを目的とした上流側と下流側それぞれの送信から受信までのシーケンス 

高精度タイマは、トランスデューサ A から B までの TOF を測定します(TOFAB)。 信号を受信した後、トランスデューサ B は一連の超音波圧力パルスの送信への切り替えを行います。トランスデューサ A はこれらのパルスを受信し、その結果、B から A への TOF(TOFBA) 測定を行います。 TOFAB と TOFBA の差、つまりデルタは、パイプ内にある水やガスの流れの速度に比例します。

TI の TDC1000 超音波アナログ・フロント・エンドと TDC7200 時間/デジタル・コンバータのようなセンシング製品をベースとする超音波式の流量計を使用すると、これらの測定をピコ秒単位の精度まで高めることができます。 この理由で、公共企業は超音波式への切り替えを進めています。

その他のリソース

 

上記の記事は下記 URL より翻訳転載されました。

http://e2e.ti.com/blogs_/b/industrial_strength/archive/2015/06/11/why-are-flow-meter-manufacturers-switching-from-mechanical-to-ultrasonic


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