コスト重視の産業用アプリケーション向けにタッチ・コントロール機能を提供する静電容量性センシング・マイコン


容量性タッチという言葉を聞いて、まず頭に浮かぶものは何でしょう?おそらくタッチ・スクリーンではないでしょうか?例えば、最新のスマートフォンやタブレット・デバイス、新しい自動車に搭載される高価な車載インフォテインメント・システムなどが思い浮かぶと思います。日々使用している多くの製品に容量性タッチが使われているのです。

今日の市場では、製品のデザイン面での美しさがこれまで以上に重視されていることから、スマートフォンの容量性タッチ・スクリーンに使用されている同じ技術が、新しい電化製品や電子ロック、音楽プレーヤーといった、他の製品にも徐々に使用されるようになってきました。容量性タッチは、設計者とマーケティング専門家に、製品のユーザ・インターフェイスや形状、機械構造を再考し、デザインと機能性の両方を向上させる自由を与えてくれます。

図1は、シンプルな容量性タッチ・インターフェイスを備えたサーモスタットの例です。機械式ボタンが必要ないため、サーモスタットの前面は、可動部品や押しボタン用の切り抜きのない完全にシームレスな面を作ることができます。可動部品を取り除いたことと、ワンピースの筐体を使用することで、長期の信頼性を実現し、静電放電(ESD)耐性を高めることができます。

 図1:基本的な容量性タッチ・センシングを搭載したサーモスタット

機械式スイッチや押しボタンを容量性タッチに置き換えることは、必ずしも簡単な作業ではありません。ソフトウェア開発および認証にかかる初期費用だけでなく、ICコストも繰り返し発生します。これらの制約を克服し、容量性タッチ・ボタンの採用を促進するために、TIは2015年にCapTIvate™タッチ技術とその開発エコシステムを発表しました。ビルトインの視覚化ツール、チューニング・ツール、データ・ロギング、ドキュメンテーション、ソースコード生成を含む、CapTIvate技術のCapTIvate Design Centerドラッグ・アンド・ドロップ・センサ開発環境を使用することで、ソフトウェア開発のコストを削減し、製品の迅速な市場投入が可能になります。

図2:『CapTIvate Design Center』センサ・キャンバスおよびデータ視覚化画面

コードの記述や、容量性センシングの専門技術の必要がなく、設計を開始できれば開発にかかる初期費用の障壁を取り除くことができます。しかし、タッチ・センシング・マイコンの採用は、数個のボタンしかないシンプルな製品にとっては桁違いのコスト高になります。これまでは、1つか2つのボタンしかないシンプルな製品でタッチ・センシングを採用する場合、その追加コストを正当化することは難しかったと思われます。

TIは、このICのコスト障壁を取り除くために、『CapTIvateタッチ・センシング・マイコン製品』を拡張し、『MSP430FR2512』および『MSP430FR2522』タッチ・センシング・マイコンを追加しました。『MSP430FR2512』マイコンは、4つの容量性タッチ・ボタンをサポートし、エレベータの呼び出しボタンやコンピュータのモニタ、TVといった、シンプルなユーザ・インターフェイスの製品に最適な製品です。ワイヤレス・スピーカーや電子アクセス制御製品といった、4つ以上のボタンが必要な場合は、『MSP430FR2522』マイコンを使用することで、最大8つの自己容量方式ボタンまたは16の相互容量方式ボタンをサポートできます。『MSP430™ CapTIvate Touch Keypad BoosterPack』を使用すれば、『MSP430FR2522』で直ちに開発を開始できます。

図3:MSP430FR2522』マイコン向け『MSP430 CapTIvate Touch Keypad BoosterPack』

新しい『MSP430FR2512』および『MSP430FR2522』マイコンは、他のCapTIvate製品群と同様の差別化された容量性センシング性能を、より小型のパッケージで、かつより魅力的な価格帯で提供します。

参考情報

※CapTIvateおよびMSP430は、Texas Instruments Incorporatedの商標です。その他、すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。
※上記の記事はこちらのBlog記事(2018年2月27日)より翻訳転載されました。

* ご質問は E2E 日本語コミュニティにお願い致します。