スペースの削減と増加する消費電力需要という課題に直面した設計エンジニアは、GaN技術を採用しています。新たなトポロジ、スイッチング周波数、磁気設計オプションを活用することにより、GaNは従来以上の水準の電力密度および効率を実現しました。しかし、これらのデザインは、MOSFETを使って、業界が求めるような信頼性、入手可能な実証済みソリューション、およびコスト・パリティが必要となります。
TIは、過酷な動作条件下でGaNデバイスの長時間にわたる信頼性の高い動作と寿命を実現する包括的なメソドロジの開発と実装をリードしてきており、その妥当性を主張してきました。これを達成するためには、従来のシリコン・メソドロジはGaNおよびその固有の特徴に合わせて拡張する必要があります。また、ストレス・テストには、従来のシリコン認定では対応していない電源管理のスイッチング条件も含まれる必要があります。
パワーエレクトロニクス業界では最近、画期的な出来事が起こりました。JEDEC(Joint Electron Device Engineering Council)は、「JC-70 Wide Bandgap Power Electronic Conversion Semiconductors」という新しい委員会の設立を発表しました。この委員会の設立趣旨は、SiCと同様にGaNの信頼性と適格化手順、データシートの要素とパラメータ、テストと特性評価の方法を標準化することにあります。共通の標準があることにより、パワー業界は、一つのレンズを通して異なるGaNデバイスを比較し、対比することが可能になります。また、サプライヤがソリューションとその技術のメリットをより明確に区別するのに役立ちます。
TIは以下のような実績があり、すぐに使用できるソリューションに対するニーズに対応しています。
- 99%の効率的なトーテムポール力率補正(PFC)が3kWまで拡張可能
- 1MHz〜140W / in3絶縁DC / DC LLCコンバータ
- MOSFETの電力密度の4倍の単一段48V-POL(Point-of-Load)ソリューション
これらのソリューションは、図1に示されているように、約2倍の電力密度だけが特徴ではありません。あらゆる段階において、GaNベースのソリューションは、パッシブ部品とアクティブ部品(図2)の数やサイズ、ヒートシンク、冷却要件、および物理的なスペースを削減します。これらの削減により、2倍以上の電力密度を持つシリコンMOSFETでシステム・コスト・パリティを達成できます。
図1:GaNを用いたAC-POLソリューション
図2:磁気回路部品を縮小するGaN
GaNが進歩を続けている中で、TIはこのようにGaNの発展に寄与しています。
<参考情報>
+ブログ記事:
-(英語)「GaNの信頼性」
-(英語)「アプリケーション向けにおけるGaNの信頼性の測定方法」
-(日本語)「GaN半導体で電力密度を再検討」
+ホワイトペーパー:
- (英語)「GaN製品の信頼性を評価する包括的な方法論」
- (英語)「GaNデバイスの製品レベルの信頼性」
-(日本語)「ドライバの統合によるGaN性能の最適化」
※その他すべての商標はそれぞれの所有者に帰属します。
※上記の記事はこちらのBlog記事(2017年9月18日)より翻訳転載されました。