グリッド用のイーサネット冗長性プロトコル

自己調整型のサーモスタットから音声起動のアプライアンス、さらには自動化された工場まで、テクノロジーは日々ますますスマートになっています。これらのテクノロジーはすべて、電力を供給するグリッド・インフラの信頼性に依存しています。電力会社のコントロール・センターは、各変電所とすばやく通信を行い、グリッド上での電力の流れを確実に監視する必要があります。情報をやり取りするための方法の1つは、イーサネット冗長性プロトコルを使用することで、これはネットワークに障害が発生した場合でも情報が目的の宛先に届く可能性を高めます。

グリッド・インフラストラクチャ向けに採用が進んでいる2つのプロトコルとして、HSR(High-Availability Seamless Redundancy)とPRP(Parallel Redundancy Protocol)があります。PTP(Precision Time Protocol)とともに使用することで、これらの冗長性プロトコルはデータ・パケットにタイムスタンプを設定できます。時刻を追跡することで、ネットワーク上で情報を同期させるのに役立ち、経過時間を距離に変換することで、特定の事象がどこで発生したかを計算できます。この記事では、この2つの冗長性プロトコルとそれらの実装方法について簡単に説明します。

HSR

HSRは、図1に示すように、リング・トポロジに配置できるシステムに適しています。リング内のどのノードにも、それぞれ2つのイーサネット・ポートがあります。1つのノードから別のノードに情報を送信するためには、開始ノードは異なる方向へ情報を送出し、その情報は宛先ノードに到達するまでリング内を移動します。リング内に切断箇所がある場合、情報は常に反対方向に進むことができます。この情報は単なる標準のイーサネット・フレームではありません。フレームの一部である特別なHSRタグは、最終ノードで重複情報を識別するのに役立ちます。

 1HSRリング

PRP

HSRとは異なり、PRPはリング・トポロジだけに縛られることはなく、図2に示すように、2つの独立したネットワークがある限り、スター型、バス型、その他のレイアウトでも使用できます。PRPシステム内で情報を送信するには、開始ノードがパケットを両方のネットワークに送信します。その後、パケットは最終ノードへと配信されます。2つのネットワークが互いに独立しているため、一方のネットワークの障害が他方のネットワークに影響を与えることがなく、パッケージは最終的な宛先に到達できます。

2PRPのスター型ネットワーク

TIのソリューション

HSRまたはPRPを実装するために、TIのSitara™プロセッサには、プログラミング可能なリアルタイム・ユニット産業用通信サブシステム(PRU-ICSS)が搭載され、これは200MHzで動作する32ビットのRISC(Reduced Instruction Set Computer)プロセッサです。PRU-ICSSは、追加の通信プロセッサのニーズを減らし、再プログラミングによってプロトコル間で切り替えることができます。

TIのHSRおよびPRPファームウェアは現在リアルタイム・オペレーティング・システム(RTOS)上で、プロセッサ・ソフトウェア開発キット(プロセッサSDK)およびSitaraプロセッサ用PRU-ICSS産業用ソフトウェアにより、Sitara AM335xAM437xAM57xプロセッサ・ファミリに対してサポートされています。また、AM57xプロセッサはLinux上でHSRおよびPRPを機能限定付きでサポートし、最大128までのノード・テーブル、HSRのカットスルー・サポート、および10/100Mbpsのイーサネット速度に対応します。

TIでは、LinuxバージョンでのすべてのRTOS機能の完全サポートに向けて取り組んでおり、LinuxサポートのAM335xおよびAM437xプロセッサへの拡張も進めています。RTOSおよびLinuxでサポートされる機能の詳細な比較については、プロセッサSDK HSR PRPのTI Wikiページを参照してください。

その他のリソース

リファレンス・デザイン:

上記の記事は下記 URL より翻訳転載されました。

http://e2e.ti.com/blogs_/b/process/archive/2017/08/30/ethernet-redundancy-protocols-for-the-grid

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