デバイスが、組込みプロセッサと同じように複雑化し、機能が豊かになっている今、1つですべてに対応できるという万能なものは存在しなくなっています。これは特に産業製品において顕著であり、たとえば、自宅で使うロボット掃除機と、工場で使われるヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)では、要件に大きな違いがあります。システム要件が多岐にわたることによって、対応する機能、コスト、将来的な備えなどに関連する多くの課題が生じます。

TI Sitara™プロセッサのポートフォリオは、このような課題を解消します。高品質の最終製品を開発し、迅速に市場へ投入するために、TIのプロセッサのソフトウェア開発キット(プロセッサSDK)は、全てのSitaraプロセッサ・ファミリを通じて共通するソフトウェア開発環境となっています。プロセッサSDKは、Linux、リアルタイム・オペレーティング・システム(RTOS)およびAndroidに対応しているため、アプリケーションの開発や製品の差別化に集中することができます。

ドライバ/ミドルウェアのコンポーネントは、ポートフォリオ全体で一貫しているため、プラットフォームの仕様を学ぶための投資が最小限に抑えられます。既存および将来的なSitaraデバイスによって製品プラットフォームを拡大し、更新することで、第1世代の製品の開発によって得られた知識を再利用し、応用することができます。プロセッサSDKはSitaraのポートフォリオを幅広く網羅しているため、開発者は、あるプラットフォームのために作成したソフトウェアを別のプラットフォームに再利用し、新製品の設計時に開発にかかる費用と労力をさらに削減することができます。プロセッサSDKのオープンソース・モデル、メインライン・カーネルおよびYoctoプロジェクトを利用すると、慣れ親しんだ環境を利用してソフトウェア製品を作ることができます。

アプリケーションが異なれば、プロセッサの要件、接続周辺機器、およびソフトウェア・アーキテクチャも異なります。図1のように、プロセッサSDKでは、変化し続ける業界の情勢に簡単に対応できるようにするためのツールが提供されます。

 表1:産業用途と単一のソフトウェア・プラットフォーム

ご利用のOSで標準の埋め込み製品を作成するだけでなく、プロセッサSDKツールおよびソフトウェアを利用すると、プログラム可能なリアルタイム・ユニット(PRU)、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)、グラフィック・アクセラレータ、マルチメディア・アクセラレータ、オンチップ・マイコンなど、利用可能なリソースを使用し、製品を迅速に市場へ出すことができるようになります。オープンソースのプログラミング法(OpenCL、OpenVx、OpenGLなど)を利用すれば、Sitaraデバイスのハードウェア機能を活用して、顧客に対して貴重な付加価値のあるオプションを提供することもできます。

プロセッサSDKは、Sitaraのすべてのプロセッサで幅広い産業用途を実現できる単一のソフトウェア・プラットフォームです。

参考情報

※SitaraはTexas Instrumentsの商標です。その他すべての商標はそれぞれの所有者に帰属します。
※上記の記事はこちらのBlog記事(2018年6月27日)より翻訳転載されました。
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