デジタル・アイソレータに関するよくある7つの質問


デジタル・アイソレータに関するよくある質問をまとめました。デジタル・アイソレータの消費電力の確認方法や絶縁電力の生成についてなど、オンラインの技術質問ページ、TI E2E™コミュニティにお寄せいただいた疑問について解説します。

1. 基本デジタル・アイソレータと強化デジタル・アイソレータとの違いは何ですか?

基本デジタル・アイソレータは、DIN(ドイツ規格協会)V VDE(Verband der Elektrotechnik, Elektronik und Informationstechnik)V 0884-11などの部品レベルの規格に則った一連のテストに合格することが必須です。DIN V VDE V 0884-11では、最大サージ絶縁電圧(VIOSM)、最大過渡絶縁電圧(VOITM)、最大反復ピーク電圧(VIORM)などの、アイソレータの耐電圧レベルを規定しています(ホワイト・ペーパー(英語):"High-voltage reinforced isolation: Definitions and test methodologies"に記載)。強化デジタル・アイソレータでは、この一連のテストおよび、10,000VPKの最小サージ電圧テスト・レベルにも合格する必要があります。

2. デジタル・アイソレータの両サイドに異なる電圧の電力を供給することは可能ですか?

はい。デジタル・アイソレータでは、デバイスの両サイドに推奨動作条件の範囲内の電圧をかけることが可能です。絶縁バリアで両サイドが分離されているため、推奨動作条件範囲内であれば、それぞれのサイドに別々の電圧で電力供給できます。例えば、『ISO7721』ではVCC1に3.3V(2.25V~5.5Vの範囲内)、VCC2に5V(これも2.25V~5.5Vの範囲内)の電力を供給することが可能です。この方法で、絶縁を施すことに加えて論理レベル変換器としてデジタル・アイソレータを利用できます。アイソレータの両サイドはそれぞれ独立しています。

3. デジタル・アイソレータの信号電圧が電源電圧と異なっていてもいいですか?

いいえ。デジタル・アイソレータの入力/出力信号電圧は、印加される電源電圧によって決まります。そのため、デジタル・アイソレータとこれに接続するデバイスとの互換性を保つために、信号電圧をアイソレータの電源電圧と同程度に維持するのがベストです。例えば、電源が5Vの『ISO7721』がマイコンに接続しているときには、マイコンの信号も5Vの論理レベルで動作するようにすることが肝心です。

4. 信号入力がない場合のデジタル・アイソレータの論理ステートは何ですか?

デジタル・アイソレータの入力チャネルに電源供給がない、またはピンがフローティング状態のときは、それぞれの出力ピンは事前に決められたステートになります(デフォルト・ステートやフェイルセーフ・ステートとも呼ばれます)。これは、選択したデバイスに応じてLOWまたはHIGHのいずれかです。デバイスの品番の後の「F」は、そのアイソレータの出力チャネルのデフォルト・ステートを表します。例えば、『ISO7721DWR』には「F」がないので、このデバイスのデフォルト・ステートはHIGHです。同じく、『ISO7721FDWR』には「F」があるので、このデバイスのデフォルト・ステートはLOWであることが分かります。

5. デジタル・アイソレータの未使用チャネルのピンをフローティングのままにしておいてもいいですか?

いいえ。デジタル・アイソレータの未使用チャネルの入力ピンは、テストのときはフローティングにしておくことができますが、アプリケーションでは、未使用ピンがフローティングのままだとノイズに弱い製品になる可能性があります。

電磁環境適合性(EMC)/耐性テストをシステムに行う場合、フローティングのピンは特にノイズを拾いやすくなります。このようなノイズに対して耐性のあるシステムにするためには、チャネルの入力をそれぞれのデフォルト論理ステートに接続するのがベストな方法です。

例えば、『ISO7721DWR』では、プ��アップ抵抗(4.7kΩ抵抗が望ましい)を通して未使用の信号入力ピンをそのVCCに接続するのがベストです。TIの『ISO7721FDWR』では、未使用の信号入力ピンをそのGNDピンに接続してそのままにしておくのがベストです。これらのデバイスの両方で、すべての未使用チャネルの出力ピンは、未接続にしておくのがベストです。

6. デジタル・アイソレータの消費電力はどのように確認しますか?

デジタル・アイソレータの消費電力は、データシートに記載される仕様から算出できます。まず、対応する電源電圧(2.5V、3.3V、5V)の消費電流特性の表を探します。この表の中から、アプリケーションの信号の速度にもっとも近いデータ・レートを見つけてください。データシートには、その特定のデータ・レートでの消費電流が、絶縁バリアのサイドごとに別々の合計として記載されています(ICC1およびICC2)。この2つの電流を足し合わせることで、その動作条件でのデバイスの合計消費電流が求まります。これをデジタル・アイソレータのチャネル数で割ると、チャネルごとの消費電流が求まります。データシートによっては、別個にチャネルごとの合計消費電流も記載されています。例えば『ISO7041』のデータシートでは、チャネルごとの合計消費電流(Total Supply Current Per Channel)パラメータの下に消費電流の標準値4.2µAが示されていますが、これは電流ICC1(ch)とICC2(ch)を合計したものです。

7. デジタル・アイソレータの絶縁電力はどのように生成しますか?

デジタル・アイソレータの絶縁電力を生成する方法はいくつかありますが、どれがベストなソリューションかは具体的なアプリケーションのニーズによって異なります。

その1つが、TIの『SN6501』などのトランス・ドライバを使用する方法です。これはトランスおよび2次側にオプションの整流低ドロップアウト(LDO)レギュレータを配した、プッシュプル構成で動作します(図1)。『SN6501』は、最大で1.5Wを供給し、絶縁電源を提供することができます。トランスと巻線比により電源に必要な絶縁定格と出力電圧を提供できるため、このデバイスにはほとんどすべてのアプリケーションに使用できるといった柔軟性があります。追加デバイスにも絶縁電源が必要な場合は、『SN6501』の代わりに、出力電力が5Wになる『SN6505x』を使用することもできます。『SN6505』にはさらに、過負荷および短絡保護、サーマル・シャットダウン、ソフト・スタート、スルーレート制御などの追加の保護機能が搭載されており、堅牢なソリューションを実現します。

 図1:『SN6501』を使用した『ISO7741』向けの絶縁電源

スペース面で制約のあるアプリケーション向けのもう1つのオプションが、『ISOW7841』などの『ISOW78xx』デバイス・ファミリの使用です。これらのデバイスは、16ピンSOIC(スモール・アウトラインIC)パッケージで信号および電力の絶縁伝送を行います。図2に示すように、この組み合わせはコンパクトで、トランスを必要としないため、認証が容易になります。

 図2:『ISOW7841』を利用し、信号および電力を統合したデジタル・アイソレータ

参考情報

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※上記の記事はこちらのBlog記事(2019年2月4日)より翻訳転載されました。
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