2020年に注目される3つの車載技術トレンド


交通渋滞、大気汚染、高燃費、走行距離への不安。

現代の自動車運転の課題は、自動車購入者の需要を大きく変化させています。単純に見た目が良く信頼性の高い車が求められていたのは、はるか昔のことです。現在は、安全性機能、より快適な乗り心地、パーソナライズされたキャビン内テクノロジーも同様に求められています。

イノベーションによって私たちと自動車のつながりはますます深まっています。自動車メーカーが提供するのは、ハードウェアとソフトウェアだけではありません。メーカーは自動車に乗るという体験も提供しています。

 TIの車載テクノロジーについての詳細

以下の3つの例は、車の購入者が今後の車に求めている機能が、現在のテクノロジーでいかに実現されているかを示したものです。

完全電動化の未来が少しずつ近づいている

世界各国の政府機関が排出削減に関する基準を設け、車の利用者がより電力消費の大きい機能を求めているなか、車載アーキテクチャの段階的な変革が進められています。

「エネルギー効率に優れ、排出量が少ない車両基準への移行に伴い、数多くの画期的な開発が始められています」と語るのは、TIのC2000™マイクロコントローラ事業を率いるMatt Watsonです。「車の電動化と効率化が進むにつれ、電力効率を高めることによって走行距離、充電、速度、車両の運動性能を向上させることが課題になっています。では、パワー・エレクトロニクスの性能をより多く引き出すには、どうすればよいのでしょうか。12Vバッテリは、車両内の電気的負荷レベルに対して性能が限界に達しており、新たな電力テクノロジーが次々に生み出されています」

48Vシステムは、ゼロ・エミッション輸送への移行の鍵になると見なされていますが、当面は、12Vシステムが48Vシステムに置き換わることはないでしょう。48Vシステムが追加されれば、自動車メーカーは燃料消費を最小限に抑えて性能��向上させつつ、燃焼エンジンからの排出量を速やかに削減することができます。

車両の完全電動化という未来が徐々に近づくなか、電力密度の高い炭化ケイ素や窒化ガリウムのテクノロジーが加われば、車両の軽量化による効率の向上と、充電1回あたりの走行距離の拡大も実現できるようになります。

「効率が向上するたびに排出量が減ります」と、TIの車載パワートレイン事業を率いるKarl-Heinz Steinmetzは語ります。「このような効率の向上は、いずれお客様に影響を与える数値にまで達します。効率が99%から99.5%に向上すれば、1回の充電で走行できる距離が50km伸びることになるのです」

コネクティビティが運転体験を向上させる

スマートフォンを自分の車に接続すれば、パーソナライゼーションの可能性がさらに広がります。

「世界中のあらゆるスマートフォンにBluetooth接続が搭載されることで、車の鍵としてのスマートフォン利用が広範囲に普及する可能性があり、ユーザー・エクスペリエンスを限りなく強化できるようになります」と、TIのコネクティビティ事業を率いるMattias Langeは語ります。「車に乗り込む前からシートの位置を調整したり、車内を好きな温度に設定したりできるほか、運転中に聴く曲を選ぶこともでき、それらの操作すべてを自分の手のひらの上で実行できます」

将来は、車内の重いケーブル類がワイヤレス接続テクノロジーに置き換わり、バッテリ・システムを管理するようになる可能性があります。そうなれば、走行距離、性能、メンテナンス性が向上し、運転体験全体が強化されるでしょう。(関連記事「ハイブリッド車 / 電気自動車向けワイヤレスBMSに関する3つの課題」)

「このような車は、高度化すればするほどバッテリ・テクノロジーに依存するようになるので、最も必要な場所に電力を供給できるよう、強固な通信ネットワークを確保することがますます不可欠になります」とMattiasは語ります。「車両に追加されるインテリジェンスが増えるにつれ、電子機器をまとめて配置することがとても重要になります。この先、ワイヤレス接続がバッテリ管理サブシステムの領域を超え、さらにはパワートレイン・サブシステム間のより強固な通信の領域でどのような役割を担うようになるかは、誰にもわかりません」

高度な安全性機能が標準装備に

自分の車が路上のエンストした車や他の障害物について警告を発し、衝突を避けられるように支援してくれるとしたらどれほど安心か、想像してみてください。先進運転支援��ステム(ADAS)は車の目や耳であり、マルチカメラ・ビジョンおよびレーダー・システムを使用して、歩行者検知、死角検知、キャビン内インテリジェント・センシングを行います。

リアルタイム・データを検出、処理し、それに基づいた措置を実行することで事故を減らし、命を守る機能を搭載した車が、ますます路上に増えるようになります。

「現在のADASテクノロジーは、かつてのインフォテインメントやキャビン内テクノロジーと同様な存在になっています」と、TIのプロセッサ事業を率いるSameer Wassonは語ります。「消費者は、新型車にこうした安全性機能が搭載されることを期待するようになりつつあり、実際にそれらの機能が購入の決め手となっています。車外のセンシング・テクノロジーは、キャビン内での運転体験を向上させるために、さまざまな方法で利用できます」

車内の電力レベル性能が向上し続ければ、電子的コンテンツをさらに増やして特別な運転体験を構築するという可能性も開けます。

「運転体験は、自動車とデジタル・ライフの融合から安全性機能のレベルアップまで、さまざまな形で進化しています」とKarl-Heinzは語ります。「それが、よりシームレスな体験を生み出すことになるのです」

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※上記の記事はこちらの技術記事(2020年3月17日)より翻訳転載されました。
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