「息苦しさはありませんか?」というメッセージで、スマホのアプリが毎日ユーザーの状況を訊ねてきます。

しかし、医療従事者はすでに、ユーザーの健康状況を把握しています。患者個人が使用する新しいウェアラブル・テクノロジを利用して、血中酸素レベル、脈拍数、その他のバイタル・サインをモニタリングしているのです。このウェアラブル・デバイスは、患者の居場所に関係なく、もちろん自宅にいるときでも、呼吸器疾患を常に監視します。

医療従事者や患者、その他の人が新型コロナウイルスにできるだけ感染しないように厳重な対策を行っている病院にとって、これは革新的な技術です。TIの極めて小さい組込みチップを活用し、リストバンドにはめ込まれたデバイスは、患者が自宅待機をしているときでもバイタル・サイン・データを処理します。これは、世界規模の感染爆発に対抗する戦いを支援する、数多い当社のソリューションのうちの1つです。

カリフォルニア州アーバインを拠点とするグローバルな医療テクノロジ企業であるマシモ社は、新型コロナ感染症の流行が拡大したとき、このテクノロジの開発にすでに取り組んでいました。TIは、生産を迅速に進めてこのウイルスの軽症患者のモニタリングに使用できるように、マシモを支援しました。

マシモのCOO、Bilal Muhsin氏はこう述べています。「マシモのSafetyNet™を使った患者モニタリングのおかげで、病院から自宅にいる患者のケアをすることができま��。生産数を増やし、今現在、最前線の現場で働いている人々に我が社のソリューションをいち早く届けるために、TIは支援してくれています」

 革新的な医療設計の迅速な開発を支援す���TIの取り組み

「医療現場のチームへの応援となっているのです」

ダラスにあるTIのウェハー製造工場の1つ、DMOS5のプランニング・マネージャであるBert Brownは、朝3時に起きてシリコン・ウェハーを確認しています。これは彼の個人的な取り組みです。

Bertには、地元の病院で働く娘がいます。マシモ向けのこのウェハーは、彼女のような医療従事者が新型コロナウイルスに感染するリスクを抑えるためのテクノロジで重要な役割を果たすことになるでしょう。

Bertは次のように述べています。「このウェハーが早く顧客のもとに届けば、必要になる個人防護具や病床が減り、最前線の医療従事者がウイルスに直面するリスクも減少します。これは、医療現場のチームへの応援となっているのです。」

 

TIのテクノロジで、世界がこの戦いに勝つための支援ができます」

この声援は、はるばるフィリピンのクラークまで届きました。そこでは、最低限の人員でウェハーの最終加工処理をスピードアップし、注文を厳重に管理しました。その結果、処理時間が75%も短縮されました。

現在までのところ、TIはマシモが世界的に何十万個ものモニタを製造できるほどの材料を出荷しています。

フィリピンのクラークで製造計画を行うFersie Cabotajeはこう述べています。「これは単に自分たちの責務を果たすだけのことではないと感じています。つまり、このパンデミックの中で、私たちは重要な役目を担っているのです。TIのテクノロジで、世界がこの戦いに勝つための支援ができます」

社会的責任を自覚したサプライヤ

世界中にいるTIの顧客のもとには、新型コロナウイルス感染症に対応する最前線からいくつものテクノロジ、例えば人工呼吸器、酸素濃縮器、赤外線体温計、CTスキャン、その他の医療機器に対する需要が殺到しています。

胸部レントゲン撮影が新型ウイルスに対する診断手段となったため、中国の深セン市にある生物医学電子機器企業では、緊急にこの機器を製造するための支援が必要になりました。TIでは、要求の高まりに応え、内部での生産を調整し、この需要を優先するよう速やかに対応しました。この顧客が製造した医療機器は、中国とイタリアで最も新型コロナウイルスの被害が大きい地域の病院に迅速に届けられました。

Mindray社の社長であるMinghe Cheng氏はこう述べます。「TIの支援を受けて、Mindrayは、急いで医療機器を製造し、患者の緊急治療のために感染流行地域の病院に届けました。我が社が必要としているのは、TIのような社会的責任を自覚しているサプライヤです。パンデミックと戦うために、TIには製造支援と共同での取り組みを続けてもらえることを期待しています」

この顧客を担当するセールス・マネージャのWill Qiuは、Mindrayを支援することで自分もパンデミックへの戦いに貢献していると感じていると語っています。

「もっと多くのTI社員に、TIで働くことの価値に気づいてもらいたい。ただ仕事をこなしているのではなく、社会貢献にもなっていると感じてもらいたいです」

経済活動再開におけるCOVID-19のスクリーニング検査

各国が経済活動を再開させる計画を立てつつある中で、SymptomSenseのような集団スクリーニング・デバイスの開発に、TIのミリ波レーダー・テクノロジが顧客から求められています。このソリューションは、1時間あたり何百人もの人に対して、病気の症状がないかどうかをチェックできるよう設計されています。このセンサは、発熱や呼吸数など、病気の徴候を示す基本的なバイタル・サインを短時間で検知できます。

一方で、より良い患者ケアを提供する目的にも、TIのコネクティビティ・ソリューションが使われています。

TIのコネクティビティ事業のジェネラル・マネージャであるMattias Langeはこう述べています。「コネクティビティ機能は、今現在世界中で非常に大きな役割を担っています。セキュリティに配慮した信頼性の高いワイヤレス通信を通してデータを送ることで、医療従事者が患者の状態を素早く評価して診断を下すことができます。この有益な情報で、ウイルス感染拡大のスピードを抑えられるかもしれません」

世界中のTIの従業員は、医療機器企業の革新的なソリューションの開発促進を支援することで、電子技術を通してより良い世界の構築に役立っているという誇りを抱いています。

システム・エンジニアリング&マーケティング部門で医療セクタのジェネラル・マネージャを務めるAjinder Singhはこう語ります。「今も、各チームが昼も夜も働いています。ひとりひとりが個人の戦いとしてこの問題をとらえ、パンデミックに打ち勝つために最善を尽くしています」

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※上記の記事はこちらの技術記事(2020年5月12日)より翻訳転載されました。
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