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IoT を実現するキーデバイスとして、新しい SimpleLink 超低消費電力無線プラットフォームが登場した。Bluetooth low energy、ZigBee、6LoWPAN、Sub-1GHz、ZigBee RF4CE など複数規格に対応可能な無線通信機能、本体がスリープ中でもさまざまな外付けセンサを制御してデータ収集可能なセンサ・コントローラ機能などを統合した プラットフォームだ。

世の中に存在するあらゆるモノが自律的にクラウドにつながり、情報をやりとりしたりサービスを利用する IoT(モ ノのインターネット)。そこでは、電源ケーブルや通信ケーブルに束縛されず、いつでも動作可能なマイコン、ワイヤレス通信、センシングの機能を持つ無数の 装置が使われるようになる。テキサス・インスツルメンツ(TI)では、そのような IoT を実現するキーデバイスとして、新しい SimpleLink™ 超低消費電力無線プラットフォームを発表した。

新プラットフォームの特長

この新しいプラットフォームは、アプリケーション用の ARM® Cortex®-M3 マイコンを中心に、Bluetooth® low energy、ZigBee®、6LoWPAN、Sub-1GHz、ZigBee RF4CE™、TI 独自の 5Mbps 占有モードなど複数規格に対応可能な無線通信機能、本体がスリープ中でもさまざまな外付けセンサを制御してデータ収集可能なセンサ・コントローラ機能など を統合している。この高度に統合された機能を、4mm 角から 7mm 角のコンパクトな QFN パッケージに収めた。

 ワイヤレス・マイコン・プラットフォームの概要

最大の特長は超低消費電力だ。低消費電力ベンチマークとして定評のある EEMBC の ULPBench™ で 143.6 というスコアを達成している。他のマイコン製品より消費電力を半分に削減でき、エネルギー・ハーベストによるバッテリレス装置や、1 個のコイン電池で数年間動作する装置の実現も可能だ。この超低消費電力は、TI が誇る 65nm の超低リーク電流プロセスによりコアの動作時・スリープ時の電力を徹底して抑え込んだこと、チップ内部での DC/DC コンバータの採用、Cortex-M3 に加えて無線通信用の Cortex-M0、センサ制御専用エンジンの SCE を加えた 3 コア構成の採用などによって実現した。

IoT デバイスでは、アプリケーション、無線通信、センシングの処理がそれぞれ非同期に発生し、処理の頻度や負荷も異なる。1 個のコアで実現しようとすると、コア全体が頻繁にウェイクアップされて動作時間が長くなり、スリープによる省電力効果が乏しくなってしまう。3 コア構成により Cortex-M3 コアの消費電流と動作時間を最小化し、必要なときに必要なコアだけをウェイクアップして省電力効果を最大限に活用できる。

また、無線コアや センサ制御エンジンを別コアに分けたことにより、ユーザーは無線やセンサの細かい制御を専用コアに任せて、Cortex-M3 を使用するアプリケーション開発に専念できる。無線制御はソフトウェア無線を採用し、リンクレイヤを ROM で搭載しているので、複数無線規格対応が容易に実現できた。ユーザーにとっては、同じ装置をさまざまな通信環境向けにカスタマイズ可能なこと、無線規格変 更のリスクなしに装置を早期に製品化して市場に投入できることなど大きなメリットがある。

このような使いやすさに加えて、TI ではすぐに使えるプロトコル・スタック、TI RTOS、Eclipse ベースの統合開発環境 Code Composer Studio™ や Sensor Controller Studio などの便利なツール群に加えて、オンライン・トレーニングや E2E™ コミュニティによるサポート(英語)、低価格で使いやすい開発キット、複数のリファレンス・デザイン、クラウドへの接続を簡単にする TI IoT クラウド・エコシステムなど、ユーザーの開発を加速する充実した環境を提供している。

この SimpleLink プラットフォームによって、IoT 市場に新規参入しようとしているユーザーや RF 設計の経験が乏しいユーザーでも、自分のアイデアを盛り込んだ IoT デバイスを短期間で製品化できるようになった。

 低消費電力の SimpleLink プラットフォームによって IoT アプリケーションとの接続を簡素化できる

現 在大きな注目を集めている IoT の大きな市場には、健康&フィットネス、一般家庭のライティング/HA、小売業の店舗内サービス、都市のエネルギー/インフラ、産業のオートメーションな どがある。TI では、これらの市場に合わせて最適化した製品を次々に投入していく計画だという。

CC2640、CC2630、CC2650 の 3 製品を発売

最初に発売されたのは 2.4GHz の PHY&MAC を搭載した CC26xx ファミリの 3 製品、CC2640CC2630CC2650 だ。

 SimpleLink ULP プラットフォームによる第 1 弾製品「CC26xx ファミリ」。左から CC2640、CC2630、CC2650

CC2640 は Bluetooth low energy 対応の 2.4GHz 製品で、ウェアラブル健康機器や医療機器、玩具や携帯アクセサリ、ビーコンや店舗用機器、産業用オートメーション機器などさまざまな Bluetooth Smart 機器向けとして発売された。7mm 角パッケージは量産供給中で、1000 個受注時の単価は 3 ドル(参考価格)。5mm 角および 4mm 角もサンプル供給を行っている。

CC2630 は ZigBee6LoWPAN 対応の 2.4GHz 製品で、照明機器、セキュリティ機器や各種 HA 機器、RF タグ、センサネットワークなど家庭内から都市インフラまで幅広く活用できる。7mm 角パッケージは量産供給中で、1000 個受注時の単価は 5.10 ドル(参考価格)。5mm 角および 4mm 角もサンプル供給を行っている。

CC2650 は、Bluetooth low energy、ZigBee、6LoWPAN、ZigBee RF4CE™ 対応の 2.4GHz 製品で、CC2640、CC2630、CC2620(開発中)のスーパーセットとなっている。これらの製品の開発は、CC2650 を用いて共通に行うことができる。また、複数無線規格をサポートする柔軟な IoT 装置を実現できる。

開発キットも充実

さ らに、CC2650 を用いた CC26xx ファミリの開発キットとして CC2650DK、CC2650EMK、CC2650STK が TI store および TI の特約販売店で発売されている。CC2650DK は Bluetooth low energy、ZigBee、6LoWPAN に対応した基本開発キットで、CC2640、CC2630 もこれで開発可能。CC2650EMK はノード追加用の CC2650 評価モジュールだ。CC2650STK(SensorTag キット)は、CC2650 と 10 個のセンサを搭載したセンサ・タグで、スマートフォンと接続して開発およびデモに使用できる。iOS 向けと Android 向けの無償アプリを提供、3 分以内のクラウド接続が可能で、購入してすぐに使用可能だ。今後は、より低価格で手軽な開発キットとして、LaunchPad やプラグ・イン・モジュールの BoosterPack も提供予定だ。

 このように、TI では比類ない超低消費電力と柔軟な複数無線規格対応で IoT の新しい世界を切り拓く SimpleLink ワイヤレス・マイコン・プラットフォームを強力に推進していく。

 ※SimpleLink および Code Composure Studio は Texas Instruments の商標です。その他すべての商標はそれぞれの所有者に帰属します。

関連リンク

SimpleLink 超低消費電力ワイヤレス・マイコン・プラットフォーム
CC2640(Bluetooth Smart 向け)
CC2630(6LoWPAN、ZigBee 向け)
CC2650(複数規格対応)
CC2650STK SensorTag キット
CC2650DK 開発キット
CC2650EMK 評価モジュール
TI-RTOS
Code Composer Studio 統合開発環境
E2E コミュニティ(英語)

(2015 年 3 月 16 日 EETimes 掲載の記事広告を転載。記事中の情報はすべて掲載時点のものです)

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