TIは、Bluetooth® low energyのSDK(ソフトウェア開発キット)の最新版BLE-Stack 2.2ソフトウェアをリリースしました。この新しい無償ロイヤリティSDKは、Bluetooth 4.2認証済みで、高スループット、プライバシーの強化、セキュリティの向上を含む全ての4.2コア・プロトコル・スタック機能を備えています。加えて、同SDKは簡易ネットワーク・プロセッサ機能も備えているため、Bluetooth LEのセキュアなワイヤレス接続を素早く簡単に追加して、どのような組込みシステムもホスト・マイコンに接続できるようにします。これらの特長とさまざまな付属サンプル・アプリケーションを使えば、この新しいSDKはBluetooth LEの製品開発を容易にし、しかもシステム全体のコストを下げることができます。同SDKは、SimpleLink™ 『CC2640』と『CC2650』低消費電力ワイヤレス・マイコン上で動作します。これらのマイコンは、ARM® Cortex®-M3 をCPUコアに持ち、自動パワー・マネージメント機能を備え、将来のBluetooth LE標準規格をサポートするような高いフレキシビリティを特長としています。新しいSDKは、TIのBluetooth LEローンチパッド開発キットSensorTagキットリモート・コントロール・キットによってサポートされ、スタンドアロンのSoC(システム・オン・チップ)からフレキシブルなネットワーク・プロセッサのアプリケーションを開発することができます。

BLE-Stack 2.2ソフトウェアは、全てのBluetooth 4.2のコア規格の機能、すなわちLEセキュア・コネクションやLEデータ長拡張、LE Privacy 1.2に加えて、最大8個のマスターあるいはスレーブ接続を同時に行えるフレキシブルなマルチロール機能を含む包括的なBluetooth 4.1機能をサポートしている点がユニークです。多くの競合ソリューションは、Bluetooth 4.2と4.1の機能のサブセットだけをサポートしており、拡張性と製品の技術革新が限定的です。

TI BLE-Stack2.2ソフトウェアの主な利点
より高度なセキュリティと強化されたプライバシー保護機能
2.5倍高いスループット
ボイス・オーバーBLE機能
簡易ネットワーク・プロセッサ・モードで容易になる開発
32kHzの水晶発振器不要モードでシステムコストの低減

Bluetooth 4.2の主な特長

より高度なセキュリティ:FIPS(米国情報処理規格)認可を受けた暗号化技術によって実現され、データの機密性を確保し、デバイスを許可したユーザーのみに使用させることが可能。当バージョンでは、古いバージョンのBluetooth仕様にある、中間者(man-in-the-middle)攻撃や受動的傍受として知られる脆弱性を遮断することで、ペアリングとリンク層のセキュリティを強化。Bluetooth LEのセキュア・コネクション機能は、古いBluetoothの簡単なセキュア・ペアリング機能と似た、ディフィーヘルマン楕円曲線暗号鍵交換技術を活用。Bluetooth 4.2によって提供される高いセキュリティは、医療用持続血糖値メーターや血圧計、クルマのキーレス・エントリ・システム、ドア・ロック、決済端末など多くの日常製品に一層の信頼性を提供。

スマート・ドア・ロックや煙検知器を含むビル・オートメーションのアプリケーション

高いスループット:Bluetooth LEデータ長拡張機能で、ボイス・オーバーBLEの継続的な技術革新と、より高速なファームウェア・アップデートが可能。従来規格と比べ、2.5倍の高速データ転送を実現。

強化されたプライバシー保護機能:未知のデバイスや信頼できないデバイスによる追跡を回避できるより高い制御能力をユーザーに提供。Bluetooth 4.2の高度なプライバシー保護機能では、Bluetoothアクセサリが、信頼されているデバイスとしか独自アドレスを共有しないため、一方で他のデバイスからの問い合わせをブロックすることで消費電力を削減。この機能は、ユーザーのプライバシーへの侵入の可能性を防ぎ、位置およびアセット・トラッキング・アプリケーションの信頼性およびユーザーの使い勝手を向上。

小売店舗のBeaconとアセット・トラッキングなどの企業および産業用アプリケーション

使いやすさ

TIのBLE-Stack 2.2簡易ネットワーク・プロセッサ・モードを使えば、簡単なAPIで『CC2640』ワイヤレス・マイコンをホストのマイコンから駆動させることによって、セキュアなBluetooth LEのワイヤレス接続をどの組み込みシステムにも、早く簡単に追加できます。完全なBluetooth LEコントローラとホスト、簡易ネットワーク・プロセッサ・インターフェース層が『CC2640』ワイヤレス・マイコン上にありますが、一方で軽いネットワーク・プロセッサ・ドライバ・ライブラリは、外部のマイコンにあり、標準的なシリアル接続を通して『CC2640』デバイスにつながります。開発者は、このモードを活用することで、組み込みマイコン上で開発された技術を何年も再利用でき、ワイヤレス接続を自分のシステムに簡単に追加できます。Bluetooth LEのワイヤレス・プロトコルとソフトウェア・スタックについて新たに学ぶ必要はありません。

Bluetooth 4.2セキュリティと簡易ネットワーク・プロセッサの最新追加情報は、今後の当社のブログをご覧ください。

参考資料
最新版BLE-Stack 2.2ソフトウェアをダウンロード
Bluetooth low energyローンチパッド開発キットを注文
『CC2650RC』開発キットで音声リモコンをデザイン
オンライン・トレーニング「SimpleLink Academy」にアクセス(英語)

※すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。
※上記の記事はこちらのブログ記事(2016年7月12日)より翻訳転載されました。

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