産業用イーサネット・プロトコルはFA(ファクトリ・オートメーション)の重要な要素になっています。現在、EtherCAT、Profinet、Powerlink、Ethernet/Industrial Protocol(IP)、Sercos IIIなどの多くのプロトコル標準が存在します。非常に多くの異なるプロトコルが存在することから、複数の異なるネットワークに対応可能なソリューションの開発が、技術的に困難な課題となっています。その1つのソリューションが、シングル・デバイスを採用し、異なるプロトコルに対する再プログラムを可能にすることです。その代表的な例が、TIが最近発表したAMIC 110システム・オン・チップ(SoC)です。

TI Sitara™ ARM®プロセッサはプログラム可能なリアルタイム・ユニット産業用通信サブシステム(PRU-ICSS)を通じて、10種類超の産業用通信標準への対応を可能にします。すでに設計で既存のアプリケーション・プロセッサを使用している場合、フル機能のARM®プロセッサの追加は非現実的かもしれません。そうした場合、既存の設計を活用することもできますが、AMIC 110 SoCなどの通信プロセッサを追加してPRU-ICSS機能を実現することもできます。AMIC 110 SoCはARM Cortex®-A8コアを搭載していますが、このコアはプライマリ・プロセッサとして機能するのではなく、イーサネット・スタック駆動のために使われます。

AMIC 110 SoCは通信プロセッサとして、スタティックなソリューションと比較し、柔軟性の高いソリューションを提供します。AMIC 110 SoCの利点の1つがソフトウェア・プログラマビリティで、1つの標準に限定されず、さまざまな通信標準に対応できます。それにより、異なるプロトコルを使用する異なるプロジェクトで同じデバイスの再利用が可能になります。また、再プログラムが可能なことから、あるプロトコルの仕様変更がリリースされた場合や、新しいプロトコルのリリース時にSoCを完全に再プログラムする場合には、アップグレードが容易になります。AMIC 110 SoCはこうした特長により、デバイスに産業用通信機能を追加する際に優れた手段となります。

例えば図1は、モーター制御アプリケーションでのモーター制御のためにC2000™マイクロコントローラ(MCU)を使用しています。EtherCATなどのプロトコルを追加するために、C2000 MCUはシリアル・ペリフェラル・インターフェイス(SPI)を通じてAMIC 110との通信が可能です。さらに、AMIC 110はネットワークの他の部分に対してプロトコル・ベースの通信を行える能力を持っています。

1AMIC 110C2000を使用したモーター制御の実装例

AMIC 110 SoCはSitaraプロセッサ・ファミリの製品で、プロセッサ・ソフトウェア開発キット(SDK)を標準ソフトウェア・プラットフォームとして使用するなど、同ファミリの利点の多くを備えています。プロセッサSDKにより、Sitaraプロセッサ間のソフトウェアの移行が容易になります。それにより、新しいプロセッサへの習熟に必要な期間を短縮できるほか、既存の設計を将来の設計にスムーズに活用できるようになります。

その他のリソース:

上記の記事は下記 URL より翻訳転載されました。

http://e2e.ti.com/blogs_/b/process/archive/2017/06/06/making-industrial-communication-easy-with-amic110-socs

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