Other Parts Discussed in Post: CC3235S, CC3235MODSF

 テキサス・インスツルメンツはこのほど、次世代のSimpleLink™ Wi-Fi®デバイス『CC3135』、『CC3235S』、『CC3235SF』を発表しました。

Bluetooth® Low Energy(BLE)およびその他のGHzとの共存を可能にする5GHzおよび2.4GHzデュアルバンドWi-Fi MCUであるこれらの新デバイスは、ネットワーク効率の改善、システムの安全性、低消費電力を単独のプラットフォーム上で提供します。

多くのWi-Fiネットワークは2.4GHzを使用するように構築されました。今ではWi-Fiに対応するデバイスは何十億にものぼり、これにより非常に多くの干渉が生じ、ネットワーク全体の性能が脅かされています。

ネットワークに接続できたとしても、次の課題となるのはネットワークの安全性です。サイバーセキュリティに関する事件や悪意のある攻撃は、日々私たちのプライバシーに迫る脅威です。メリーランド大学が行った調査によると、インターネットへアクセスできるコンピュータに対するハッカー攻撃の割合は定量化されていて、平均で1回/39秒にもなります。

TIの新世代SimpleLink Wi-Fiデバイス『CC3135』、『CC3235S』、『CC3235SF』を使えば、ネットワーク効率を改善し、システムの安全性の向上だけでなく、低消費電力を維持してバッテリ寿命を延ばすといった設計上の課題すべてを単独プラットフォーム上で克服することができます。このプラットフォームには、共通のソフトウェアや、リソース、トレーニングが用意されています。

混雑したネットワークの輻輳の低減

デュアルバンドWi-Fiとは、802.11 b/g/nネットワークをサポートする2.4GHzと802.11aネットワークをサポートする5GHzのように、2つの異なる標準周波数帯で送信を行うデバイスのことです。TIは、5GHzおよび2.4GHzの周波数帯のサポートが可能であり、多数のチャネルを用意してそこから選べるようにし、トラフィックの負荷軽減のためにより多くの周波数帯を提供します。これによりネットワークを簡単にオーバーレイすることができ、2.4GHz Wi-Fiネットワークでよく見られる輻輳を軽減できます。

 

2.4GHz周波数帯は、BLEなど他の接続テクノロジにも使われます。設計者はよく自社製品の機能拡張のために、同じシステムにBluetoothとWi-Fiの両方を搭載します。しかしこのようにすると、BluetoothとWi-Fiの間で混信を引き起こし、元々混みあっている無線環境がさらに悪化し、結果としてBluetooth性能が低下します。

 

新しいSimpleLinkデバイスは、Wi-FiとBluetoothの2つの無線電波の混在で引き起こされる複雑な問題に対処し、2.4GHzでの信頼性の高いスループット性能をもたらします。

 

IoTセキュリティの強化

IoT分野では、多くの場合、悪意ある攻撃が発生するまでセキュリティは最優先事項になりません。米国立標準技術研究所(NIST)のレポートは、現代社会が「IoTを採用するに伴い、国家にとって重大な脅威となる サイバーセキュリティ・リスクをもたらす」と述べ、「重大な潜在リスクを最小限に抑えるには、これらのデバイスがセキュアで強靭でなければならない」と記載されています。

外郭団体や信頼のおけるサードパーティーからの裏付けとなる標準規格は、デバイスのセキュリティ・システムが一定レベルの堅牢性を実現していることを保証する助けになるかもしれません。TIは、連邦情報処理規格(FIPS)140-2など、近年要望が高まっているとみられる標準規格に対して投資をしています。

FIPS 140-2のレベル1は、システム内への暗号化エンジンの組み込みに関するセキュリティ要件を定義しています。暗号化エンジンは、システム内の機密情報の暗号化、認証、デジタル署名、鍵の管理の際に使われます。『CC3235』デバイスは、少なくとも6つのハードウェア・ベースの検証済み暗号化エンジンと、少なくとも12のファームウェア・ハイブリッド暗号化エンジンを特色としています。

バッテリ寿命の改善

 

5GHzをSimpleLinkポートフォリオに導入することで、TIの接続デバイスに期待される低消費電力性能を維持します。今では、バッテリ駆動アプリケーション向けに、最高の低消費電力性能を備えたシングル・チップのデュアルバンド(2.4GHzと5GHz)Wi-Fi製品を選択することができます。この新しいデバイスではより多くの低消費電力モードのオプションが用意され、単3電池2本でシステムのバッテリ寿命を数年に延長するのに役立ちます。

 

0.5秒でアクセス・ポイント(AP)に接続する、デバイスのデュアルバンド(2.4GHzと5GHz)高速スキャン・メカニズムと、リアルタイムの電力最適化に対応した独自のネットワーク学習アルゴリズムを利用して、低消費電力を実現します。設計者はホストレス・モードも利用でき、これによりホストMCUへの依存を軽減し、カスタム定義の反復的および確定的なタスクをネットワーク・プロセッサがより自律的に処理できるようになります。このモードはホストMCUの消費電流を3分の1に減らすことができ、アプリケーションのバッテリ寿命をさらに延ばすことができます。

 

さらに、新しいSimpleLink Wi-Fiデバイスは、バッテリ駆動IoTアプリケーション向けのWi-Fi Alliance(WFA)の省電力機能をサポートします。この機能により、Wi-Fi製品を(この機能をサポートするAPについて)ネットワークとつながった状態で長時間スリープ状態にできるようになり、デバイスの電力効率が向上します。

まとめ

新しいWi-Fiデバイスを含むTIのSimpleLinkプラットフォームには、コネクテッド社会での複雑な問題に取り組むTIのエンジニアリング・チームの創意工夫が織り込まれています。新世代SimpleLink Wi-Fiデバイス『CC3135』、『CC3235S』および『CC3235SF』は、コネクテッドIoTデバイスの設計課題の克服を支援し、現代社会における革新的な製品を迅速に提供するために設計者を念頭において開発されています。

SimpleLink Wi-Fiの詳細情報

  • 『CC3235S』の製品ページはこちら
  • ワイヤレス・モジュール・ソリューション『CC3235MODSF』はこちら
  • SimpleLinkのソフトウェア開発キットのダウンロードはこちら
  • SimpleLink Wi-Fiソリューションの詳細はこちら

※すべての登録商標および商標はそれぞれの所有者に帰属します。
※上記の記事はこちらのBlog記事(2019年2月21日)より翻訳転載されました。
※ご質問はE2E Support Forumにお願い致します。

Anonymous