Processor部門Vice PresidentSameer Wassonがオートメーションの未来と

エッジのインテリジェンスについて語ります。

インテリジェント・マシンの未来は、エッジにおけるイノベーションにかかっています。それはつまり、より動的に意思決定を行うための、リアルタイムでのセンシングと処理を可能にする組み込みテクノロジのことです。

これまでのオートメーションは事前にプログラム設定されて動きが構築されていましたが、今では周りで起こっていることを機械がリアルタイムに理解し、知能を持って、安全・確実かつ自律的に対応できるように進化しています。これを実現するテクノロジが、人工知能の一分野である機械学習です。

信号処理テクノロジが進化し、多くの機械学習機能が追加されるにしたがって、TIは必ずしもクラウド処理に頼らなくても済む形で、車内の乗員検出や人間と機械との直感的な連携などにおける進歩の道を切り開いてきました。

機械学習のさらなる進化をエッジにもたらすTIのテクノロジはこちら


 例えば、未来の車のエッジ・インテリジェンスなら、上記の画像のように近くの物体を感知して、その物体が歩行者(赤)か車両(青)か等、と見分けることができるでしょう。機械は、リアルタイムにこの体験から学習し、物体を検出してから車が行動を起こすまでの反応時間といったデータを評価するので、時間が経つほど性能が良くなります。

夜になって車を車庫に入れると、車はクラウドに接続して、得た知識をつながっている車全部と共有します。

今度は、このテクノロジをトウモロコシ畑に導入してみましょう。15センチごとに種をまくように種まき機がプログラムされているとします。地面がでこぼこしていると、種がうまくまかれないときがあります。そういった場合は、深めに植えるか、間隔を広くとる必要があるかもしれません。組込みインテリジェンスがあれば、種をまく前に種まき機が土壌の湿度や、養分、その他のデータを解析することができます。どれくらいの割合の種がうまく成長するかも予測することができるうえ、農場経営者が収穫量を予想できるようにデータをクラウドにアップロードすることもできます。

あるいは、未来のショッピングがどうなっているか想像してみてください。小売オートメーションの最先端を行く店舗で、顧客は店に入るときに自分のスマートフォンをかざします。カメラと棚に設置されたセンサでかごの中に入れられた商品を数え上げて、顧客が店から出るときに自動的に代金を精算します。

現時点では、機械学習のアルゴリズムで処理するために、場合によっては何十万もの店舗からクラウドへデータ・ストリームを送信する必要があります。相当なデータ量になるので、非常に難しい課題を突き付けられます。しかし、高精度のリアルタイム意思決定と処理をシングルチップに統合した高度なインテリジェント・センサである、TIのミリ波センサプロセッサであれば、店側でデータを処理できるので、この負荷が軽減されます。

いずれは、エッジとクラウドの境目が、非常に興味深いものになりそうです。どのデータを優先的にクラウドに送るかをテクロノジがどれだけ素早く、繰り返し何度も決定でき、処理に必要な情報をどれだけ速く受け取れるかが、解決すべき次の課題です。

オートメーションの課題がエッジで解決されるにつれ、身の回りの日常的な機械が、私たちの生活をより便利で、効率的かつ安全なものにしてくれるでしょう。

※すべての登録商標および商標はそれぞれの所有者に帰属します。
※上記の記事はこちらの技術記事(2019年11月18日)より翻訳転載されました。

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