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新しい開発キットを受け取ったらすぐに設計を始めたくなることでしょう。使っているツール群が、正しいツールやリソースを自動で検索してくれないのであれば、面倒なインストール作業を手動でしなければなりません。

TIのクラウドベースの開発ツール群を使うことで、ローンチパッド開発キットを接続してすぐにソフトウェア例を実行できるほか、アプリケーションの開発とデバッグができるようになります。その手順は次の3ステップです。

  1. 開発キットが到着したら、 TI DevTools page に接続します。
  2. キットをPCに接続します。接続すると、キットとクラウド上のツール群が通信するために必要な小容量のソフトウェア・エージェントをインストールするよう促されます。
  3. ツール群がキットを認識すると、開発の開始についてのステップ・バイ・ステップの説明が表示されます。

 

TI 組込み向け開発 ポータル

TIのプロジェクト・ウイザードで、メイン・ポータルから “Create project online” を選択します。これで利用可能なソフトウェア例をブラウズして、Code Composer Studio Cloudにインポートできます。図1に、ローンチパッド開発キットを認識した後のTI 組込み向け開発 ポータルを示します。

1: TI 組込み向け開発 ポータル

Code Composer Studio Cloud

図2のCode Composer Studio Cloud は、クラウドベースの統合開発環境です。Code Composer Studio Cloudは、アプリケーションのビルドから編集やデバッグまでをサポートしています。プロジェクト例をインポートし、Debugをクリックするだけで、Code Composer Studio Cloudがソフトウェア例をビルドし、デバッガを起動し、ローンチパッド開発キットのフラッシュ・メモリにロードします。これらの動作には、ボードとの通信に必要な小容量のエージェントを除き、ソフトウェア開発キット(SDK)やその他の追加ソフトウェアのダウンロードは不要です。このエージェントは、ローンチパッド開発キットに組み込まれたデバッグ・プローブのファームウェアの更新も自動でチェックします。

 

2: Code Composer Studio Cloud

Resource Explorer

Resource Explorerはクラウド内のすべてのコンテンツをブラウズし、個々のアプリケーションに最適なソフトウェア例とコードを検索できるツールです。図3に示すように、ソフトウェア例の説明や注意点などを記載したreadmeファイルまで閲覧できます。

 

3: Resource Explorer

クラウドを使った開発のもう一つの利点は、常に最新のソフトウェアを使えることです。Resource Explorer内には、TIのデバイス群、ツール群やソフトウェアに慣れ親しむことができる豊富なトレーニング資料が用意されています。SimpleLink マイコンのユーザ向けには、SimpleLink Academy をお奨めします。

ソフトウェア例を選択した後、Code Composer Studio Cloudを使うことで、アプリケーションを実行するほか、コードの1ステップずつの実行や、ブレークポイントを設定して変数の変化を観察できます。クラウドベースの開発環境で作業をしているため、デスクトップ環境では数時間もかかるこのような設定が、数分で済みます。

SysConfig

SysConfigというシステム設定ツールもあります。SysConfigをオンにした状態でプロジェクト例を実行した場合、このツールを使って、ペリフェラル、ドライバ、ソフトウェア・スタックやピン配置などのアプリケーション要素を設定できます。プロジェクト内のconfiguration ファイルをダブルクリックすれば、ブラウザでSysConfigを開くことができます。

好みのデスクトップ・ツール群も実行可能

より強力な開発ツールが必要な場合、TI 組込み向け開発 ポータルから、Code Composer StudioソフトウェアをはじめとしたTIのデスクトップ開発ツール群にアクセスできます。デスクトップ・バージョンのCode Composer Studio ソフトウェアには、開発に必要な複数のSDKやソフトウェア・パッケージへのアクセスが可能なResource ExplorerとSysConfigも含まれます。開発中のプロジェクトをCode Composer Studio Cloud からエクスポートし、デスクトップ・バージョンにインポートできます。

まとめ

TIのクラウドベースの開発ツール群は、マイコンを使った製品開発をより容易にします。これまで1日近く掛かった開発の準備が数分で済むようになります。ローンチパッド開発キットを入手したら、 TI DevTools page から開発を始めましょう。

※すべての登録商標および商標はそれぞれの所有者に帰属します。 
※上記の記事はこちらの技術記事(2020年8月19日)より翻訳転載されました。 
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