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車載カメラ・モジュールの設計者は、開発期間の短縮を目指す一方で、カメラ・モジュールをさらに小型化しつつ、高い拡張性も確保し、さまざまな種類の画像シリアライザやセンサに再利用できるようにする必要があります。この技術記事では、設計仕様やプラットフォームの拡張性など、車載カメラ・モジュール設計における設計上の重要な課題をいくつか取り上げます。

拡張性の高いPMICを利用して設計を簡素化し、開発期間を短縮

共通した電源設計プラットフォームがあると、設計期間の短縮をはかることができ、製品化までの期間も短縮されます。電圧監視を内蔵しピン互換性のあるプログラム可能な電力管理IC(PMIC)を利用することで、電源回路を再設計しなくても、非機能安全性アプリケーション(サラウンドビュー・カメラなど)から機能安全性アプリケーション(自動運転車のドライバー監視、電子ミラー、カメラなど)へと拡張することが可能です。

プログラマブルPMICには、ソフトウェアでプログラム可能なPMICと、ハードウェアでプログラム可能なPMICの2種類があります。ソフトウェア・プログラマブルPMICは、完全にスケーラブルな電源管理プラットフォームをサポートし、プリント基板(PCB)を再設計する必要がありません。    

ソフトウェア・プログラマブルPMICである『TPS650330-Q1』を使ってこの点を説明しましょう。このPMICは、設計の再利用と簡素化に役立つ統合ツール・セットを備えています。また、『TPS650330-Q1』では、出力電圧と電源シーケンシングの設定を保持するEEPROMのプログラミングや、幅広い解像度の画像センサのサポートに十分な電流のヘッドルームによって、プラットフォームの拡張性も確保されます。電源回路の再設計が不要なので、別の画像センサに電源設計を再利用することができます。

TPS650330-Q1』は電圧監視機能を内蔵し、電源回路の再設計なしで、非機能安全性アプリケーションから機能安全性アプリケーションへ、ピン互換のプラットフォーム拡張にも対応します。

一部の車載カメラ・モジュールで見られるように、2枚のPCBを積層する方法により、同じ電源基板で多種多様な画像センサ基板に対応できます。例えば、ISO 26262の機能安全規格にアプリケーションを準拠させる必要が生じた場合に、『TPS650330-Q1』機能安全性デバイスを組み入れるだけで、同じ電源基板を、機能安全性対応の『TPS650330-Q1』派生製品にアップグレードすることができます。シングルPCB設計の場合も、同じ電源設計を複数のプラットフォームにコピー・アンド・ペーストすることで、同じ電源設計を再利用することが可能です。

まとめ

ソリューションのサイズ、熱特性、電磁環境適合性の課題や電源除去比性能に加えて、プラットフォームの拡張性を考慮することは、車載カメラ・モジュール設計において非常に重要です。プラットフォームの拡張と再利用が可能なPMICを選択することで、複数のプラットフォームの展開に向けた開発時間が短縮され、開発コストの削減にもなるでしょう。

参考情報
+ビデオ(英語)“Design Challenges in Automotive Camera Modules
+ TPS650330-Q1のリファレンス・デザインを見る

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※上記の記事はこちらの技術記事(2020年3月24日)より翻訳転載されました。
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