最新の電圧リファレンスで設計サイズを縮小する方法


電子製品を設計する場合には必ず、最新機能を追加することと、利用可能なスペースにすべてを収めようとすることの、どちらかを諦めることを強いられます。電子設計の進化に伴い、新技術が登場するたびに、より創造性を働かせることが求められてきました。複雑で新しい機能を追加すると同時に電力密度を高めて電源のサイズを縮小することが、最重要課題になっています。この問題はほとんどすべてのアプリケーションに及びますが、特に切実なのは、LED基板の幅やその周辺技術が制限される、LEDテープのようなすでに小型化が進んでいる設計や、効率と電力密度が緊密に関係するフライバック・コンバータを含む設計です。 

図1は、シャント電圧リファレンスである『TL431』の内部を簡略化したものです。このデバイスにはバンドギャップとエラー・アンプが内蔵されていることから、LED照明アプリケーションを設計する場合によく用いられます。『TL431』は汎用性が高いので、電源アダプタから電圧コンパレータ、電流源に至るまで、さまざまな構成で利用されます。これまでは、2.9mm×2.5mm×1mmのSOT 23-3パッケージや、2.0mm×2.5mm×1mmのSC70-6パッケージのように、リード付きパッケージでしか提供されていませんでした。 

図1:シャント電圧リファレンス『TL431』内部の簡略図 

LEDアプリケーションに加えて、他の多くの電力密度の高い設計では、『TL431』は通常、シンク電流とソース電流を制御します。LED基板では、このデバイスをパルス幅変調(PWM)アプリケーションに使用できます。『TL431』は、内蔵エラー・アンプのフィードバックにより25℃で0.5%、またはLED電流レギュレーションの温度範囲にわたり1.5%の精度を達成できるため、LEDアプリケーションには欠かせません。このように精度が高いため、複数のLEDテープにわたり、または高電力LEDアプリケーションにおいて、温度範囲全体で安定しています。また、『TL431』のゲイン帯域幅の広さからスイッチング周波数を高くできるので、設計者は、調光のコントラスト比を高くすることができます。しかし、LEDの極小化によりパッケージ・サイズが0402や0603のデバイス・クラスにまで進んでいるため、SOT23-3パッケージの『TL431』ではサイズが大きすぎて、細長いプリント基板上の、本来であれば追加のLEDに使えるスペースを占有してしまいます。  

標準0603抵抗器よりも小型 

ミリメートル単位の面積削減が物を言う基板面積獲得の争いに勝利できるよう設計者を支援するために、多くのICメーカーが一般的なデバイスのパッケージを小型化しようと模索しています。『ATL431LI』は、『TL431』の次世代製品であり、標準的な0603抵抗より小さい1mm×1mm×0.4mmのX2SONパッケージで提供されます。X2SONパッケージの『ATL431LI』にはコーナー・パッドがあるので、図2に示すようにSC70-6パッケージと同じ0.65mmのピッチを維持することができ、そのためピック・アンド・プレース装置での互換性に優れています。 

図2:『SOT23-3』、『SC70-6』、『X2SON』パッケージのピン・ピッチとの比較と0603抵抗器 

ATL431LI』は、面積が縮小し高さが低くなっているため、レイアウトと基板設計がより柔軟に行えます。そのため、より多くのLEDを設計に追加することが可能になると同時に、内蔵エラー・アンプのゲイン帯域幅も向上し、LEDテープの調光に有利です。LED制御に『ATL431LI』を使用した標準的な回路図を図3に示します。 

図3:『ATL431LI』によるLED電流シンク 

その他にも、特にフライバック・コンバータを含む設計や、過電圧保護の場合(図4)に、『ATL431LI』を使用すると、設計でのレイアウト作業がより柔軟に行えるため、各種の部品を基板上の最適な位置に配置できるようになり、電力密度と効率の向上につながります。 

図4:『ATL431LI』による過電圧保護 

最新のLEDテープを設計したり、十分な電力密度や、電流シンク、過電圧のモニタリングが必要なその他の小型設計に取り組むときは、X2SONパッケージの『ATL431LI』を考慮に入れてください。このデバイスにより、基板の配置や柔軟性に新たな可能性が開け、競争力のあるアプリケーションになるでしょう。その上、これまでは基板に載せられなかったような機能を追加したり、電源をさらに小型化したりできるようになります。 

参考情報 
+LED照明の電力供給についてのアプリケーション・ノート(英語):“Automotive LED Lighting with Adjustable Shunt References” 
+アプリケーション・ノート(英語): 
Designing with the ATL431LI in Flyback Converters” 
Using the TL431 for Undervoltage and Overvoltage Detection” 
Designing with the Improved TL431LI” 

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※上記の記事はこちらの技術記事(2020年6月1日)より翻訳転載されました。
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