夏の暑さを乗り切るためにサーモスタットを調整することは、エアコンのコンプレッサを駆動させたり、家の中を冷やして、より快適にするモータを駆動させたりする多くの高電圧回路の長期駆動を可能にします。

これらの駆動・制御回路に使えるスペースは狭く、騒音や振動にさらされ、屋内での使用よりも多くの汚染にさらされます。設計者は、その限られたスペースでは、サーモスタットから人を守りながら、高電圧のモータに対する絶縁バリアを超えた信号発信を安全に制御するための電力とデータの両方を確保する方法を工夫しなければなりません。

「絶縁バリアは、工業と家庭のオートメーションが急成長し、世界中の高効率・高電圧ドライブとアクチュエータを駆動する製品と、人々が安全にやり取りできるようにするためにますます欠かせなくなりました。絶縁バリア(アイソレータ)は、高電圧回路と低電圧回路をつなぐことによって、マシン間でお互いを壊すことなく通信できるようになります」とTIの絶縁製品担当マネージャのカナン・サウンダラパンディアン(Kannan Soundarapandian)は述べています。

モータ駆動やFA(ファクトリ・オートメーション)、ビル・オートメーションの利用では、データと電力の絶縁に対する需要は、着実に増えてきています。この状況は、電力網や医療機器、テスト/計測のアプリケーション分野と似ています。TIの絶縁技術は、これらのアプリケーションにおける信頼性および性能要件に完全に適合しています。

TIは業界をリードするデジタル絶縁ファミリの強化版製品『ISO 7840』 を2014年に発売しました。しかし、絶縁DC-DCコンバータを集積し、電力をこの技術に転送することは今までは困難なことでした。

新しいICは、データと電力の両方を、頑丈な単一パッケージ内で絶縁バリアを超えて送信します。これは、同じ機能をこれまでの個別デバイスで実現した場合の数分の一のサイズで済みます。

『ISOW 7841』は、今日ある競合製品と比べて、発熱が少なく、80%優れた電力効率を持ち、放射ノイズ・レベルは10dB以上も削減されていることで、より静かに動作します。

「極めて使いやすく、開発者にとって市場投入期間が短くなることで、私たちは同製品を“絶縁製品の万能ナイフ”と呼んでいます」とカンナン氏は述べています。

特に絶縁電力の個別実装に対するもう一つのメリットとして、『 ISOW 7841』は簡単で迅速なシステム認証を支援することが挙げられます。

世界的な認証

多くのアプリケーションでは、絶縁バリアを越える送信電力には、大きな個別素子や変圧器を回路基板に搭載する必要がありました。このアプローチは信頼性の問題を生じ、広いボード・スペースを占め、複雑で時間のかかる安全認証を取得するための順守負担もシステム設計者にまともにのしかかってきます。

この画期的な新技術は、絶縁されたデータと電力を1つの超小型パッケージに収めています。

「ボード・スペースを確保し、卓越した効率および広範な温度範囲にわたる電力送信性能で最高水準の信頼性と長期駆動を実現し、それら全てを提供されている最高の技術で利用可能にすることがこの製品のコンセプトでした。私たちは、それに成功したのです」とカンナンは述べています。

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※上記の記事はこちらのBlog記事(2017年4月4日)より翻訳転載されました。

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