世界各国の大都市では数年前から「自転車シェアリング」構想が始まっています。都市の様々な場所に設置されたドッキング・ステーションで、クレジットカードを使用して自転車を借りて、返却することができます。料金は自転車を借りた時間に応じて課金されます。

例えば、ロンドンでは、図1にあるようなドッキング・ステーション・キオスクでシェアリング自転車をレンタルし、同じ場所に返却します。これは、自転車で街中を周り、元の場所に戻る人には便利なサービスですが、近くにドッキング・ステーションがない日々の通勤者にとって利便性は決してよくありません。通勤者は地下鉄駅やバス停から仕事場までの最後の道のりをどのように通勤すればよいのかということに頭を悩ませています。例えば一日中自転車を借りるのか、最後の長い道のりを歩くのか、それとも比較的短い距離でもタクシーを使うのか・・・。もし自転車のレンタルと返却場所に制約がなければ、どれほど便利で効率的でしょうか。

1:ロンドンのドッキング・ステーションに設置されているシェアリング自転車

最近、中国の大都市で人気の自転車シェアリング・プログラムは、従来のキオスク・ベースから「ドックレス」システムに進化しています。例えばオフィスや自宅から最寄りの公共交通機関まで移動するために自転車を借りたいと思ったら、スマートフォンのアプリでシェアリング自転車を探し、借りることができます。乗り終えたら、電子錠と3G/4Gワイヤレス・ネットワークを用いて、自転車をほぼあらゆる場所に「返却」することができます。これにより都市通勤者の「残り最後の道のり問題」が解消されました。

2:上海の無料の自立型シェアリング自転車

では、このシステムはどのように機能するのでしょう?このシステムでは、自転車のネットワーク追跡、開錠、ユーザ情報の送信、処理機能を、ドッキング・ステーションを使わないで提供する必要があります。この自立型シェアリング自転車は、バッテリ駆動の電子錠、Bluetooth®、GPS、3G/4Gシステムを活用することで、町中どこででも安全に駐輪することができ、ドッキング・ステーションを設置する必要がなくなりました。ユーザは携帯電話の地図アプリを使用して、貸出が可能なシェアリング自転車を探し、自転車に貼り付けられたQRコードをスキャンすることで、電子錠を開けることができます。そして目的地に到着したら、再度携帯アプリを使用して、電子錠を施錠することができます。

しかし、この電子錠はバッテリ駆動であることから、常に充電されている必要があり、設計者はドッキング・ステーションを用いることなく、独立してバッテリを充電する方法を探す必要がありました。この一つの解決策が、自転車上にソーラーパネルを設置することでしたが、これはもちろん太陽光に左右され、太陽光のパネルへの投射角がエネルギ生成に大きく影響しました。そのため、ソーラーパネルと自転車の充電装置間の充電電流を最適化する必要があり、そこで最大電力点追従制御(MPPT)演算を組み込むこととなったのです。(図3を参照)

3:柔軟性に優れた充電ソリューションの事例

bq 25895』は、開回路入力電圧と充電電流を計測するために、I2C方式と統合A/Dコンバータを備え、単純な演算で容易にMPPTポイントを見つけることができます。『bq 25895』は、バッテリ充電を支えるだけでなく、通勤者が最も必要なときに常に充電されているようにシェアリング自転車のソーラーパネルを最大限に活用できる仕組みを提供しています。将来、太陽光で稼働するアプリケーションを検討されている方は、『bq 25895』をどのように活用できるか、ぜひ学んでみてください。

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※上記の記事はこちらのBlog記事(2017年6月26日)より翻訳転載されました。

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