ビルをより環境に優しく、スマート化するIoTとその費用対価値


建物は、基本的に居住者にとって快適な空間を提供しなくてはなりません。IoT(モノのインターネット)は、建物を居住者にとって単なるハコから、より認識されやすいものにすることで、居住者の環境を配慮し生活コストを抑えながら、より実りあるものに変えてくれます。

スマートビルを作るには、インテリジェントな照明やHVAC(空調機器)、火災報知器、ビルセキュリティ、そして互いを認識し合い、インテリジェンスを共有するようなエレベータ・システムが必要です。そうすれば、ビルは居住者と電力事業者の両方のニーズに迅速に適応し、対応できるようになります。

長期的に見た場合、スマートホームやスマートビルは運用面やエネルギー面でコストを節約できますが、短期的にはセンサ・ネットワークやゲートウェイ、クラウド・コンピュータ等のインテリジェントなシステムを使うためには投資が必要です。たとえばビデオ・インターフォンは、従来のドアベルの10倍以上も高価です。スマート・サーモスタットにも同じことが言えます。なぜ、私たち消費者はこの高額な製品にお金を払うのでしょうか?ホーム・オートメーションの視点からこのことを理解するのは重要なポイントです。なぜなら家をよりスマートにするのか否かを決めるのは自由意志ですが、家のスマート化を選択する人たちはますます増加しているからです。

テクノロジがIoTをより実用的に、かつ、より手頃に受け入れられるようになる一つの理由は、多様な物理的パラメータや、スマート・サーモスタットとビデオ・インターフォン内での接続性、およびスマートフォン(スマホ)といったスマート・センシングの組み合わせによるものです。スマホの登場によって、電子ロックやビデオ・インターフォンのように自宅でスマート・センサやコントローラに囲まれているだけではなく、スマート化されたものを今まで以上に効率的に管理することができるようになりました。2番目の理由は、馴染みやすさです。大半のユーザは、庭のスプリンクラー・システムのスケジュールをプログラムすることは、かなり難しいと捉えていることでしょう。スマホは、私たちの生活に浸透していますので、スプリンクラー付随のHMI(ヒューマン-マシン・インターフェイス)よりも、スマホのアプリで操作した方がずっと簡単です。3番目の理由は利便性です。スマホのアプリで車庫のドアを遠隔操作したり、スマートロックの認証を送ったりすることで、家の中にいない時でも家を管理できます。水漏れセンサ、ドアや窓のセンサ、セルフ・モニタリング用ビデオカメラなどのDIYホーム・オートメーション・キットに先行投資することで、居住者は第3者に支払っているモニタ料金を節約できるようになります。

商業用スマートビルになると、カギとなる設計では、カリフォルニア州エネルギー委員会のTitle 24規格のようなエネルギー効率と法規制を配慮しなければならないことがよくあります。商業用ビルは全米のエネルギー消費全体の40%にも上ります。このパーセンテージの大部分は、HVACです。人数に基づく需要管理ベースで空調を行うと、固定したHVACスケジュールに比べ、15%から20%の節約が可能です。居住者数に応じて、ビル内の照明やビルに入ってくる外光を調整することで、ビルのエネルギー面積を大幅に減らすことができます。

Bluetooth® low energyのビーコンを使って、オフィスビル内のある会議室まで向かうこと想像してください。これを使えば、オフィス空間の迷路のような廊下を歩いて会議室を探す時間やエレベータの待ち時間をなくすことができます。向かうフロアが前もってプログラムされているので、エレベータも必要な時に到着するからです。ビルの管理については、スマート・センサがHVACやエレベータ性能の予防保全を正確に行います。このようにしてダウンタイムを可能な限り減らせます。これらすべては、ビルが常に処理し、取り入れているので、居住者の生産性向上につながります。

スマート・センサ・ノードがつながったネ��トワークは、バッテリ動作がますます求められます。このため、電池交換頻度を下げ、メンテナンス・コストを負うために長いバッテリ寿命を必要とします。この問題に取り組むためには、どのようなソリューションでもシステム全体のアプローチを含む必要があります。すなわち、センサ処理のために低電力のアナログやナノ・パワーアナログを使い、極端に低いIqで低電力を管理し、スリープ状態から素早く起動し、FFT(高速フーリエ変換)のような複雑な演算をして、その後すぐにスリープ状態に戻る、という接続ソリューションを持つことが求められます。

TIはCES2017において、次のような最新のスマートホーム/スマートビル向けアプリケーションのデモを展示しました。

IoTゲートウェイのデモ
 一酸化炭素センサや居住者検出、温湿度センサなどの多数のセンサ・ノード、ボタン電池で10年間の電池寿命を持つセンサ・ノード、単三乾電池4本で5年間の電池寿命を持つ電子ロック

デュアルバンドのサブGHz帯とBluetooth low energyのセンサを、IoTゲートウェイを通してクラウドへつなぐデモ:
 1個、2個から最大50個のセンサを長距離のサブ1GHzワイヤレス・ネットワークを通してクラウドへ接続。ビル管理やアセット追跡などの産業用・民生用に向けたアプリケーション。Sitara™ AM335x、SimpleLink™ Sub-1 GHzの 『CC1310』、デュアルバンド『CC1350』 ワイヤレス・マイコンによるSub 1Ghzセンサからクラウド産業用IoT ゲートウェイ・リファレンス・デザイン

  • Bluetooth 5規格のプレビュー:
    -Bluetooth 4.2を2倍速にする2Mbpsモード
    -より高速のOTA(Over-the-air)アップデート
    -IoTアプリケーション(*)向けSimpleLink Bluetooth low energyワイヤレス・マイコンによる高速応答
    *対象は医療用、ヘルス&フィットネス、ウェアラブル・デバイス、リモコン、ビル・オートメーション、車載(車両制御、照明、インフォテインメント)。

CESにおけるTIのデモやテクノロジの詳細は、こちらをご覧ください。

参考情報
回路図と設計ファイルのリファレンス・デザインのダウンロード:
- 低消費電力 PIR 動作検出器、ワイヤレス・コネクティビティ・コイン・セル・バッテリで 10 年間作動可能、リファレンス・デザイン
- 湿度および温度センサ・ノード、スター型ネットワーク用、コイン型電池の 10 年以上の寿命を実現
- スマートロック・リファレンス・デザイン有効、5 年以上のバッテリ寿命、4x 単三バッテリ

インテリジェントHAVC設計に関するブログ(英語):
-HVACフィルタ交換向け予測維持ソリューション – パート1
-HVACフィルタ交換向け予測維持ソリューション – パート2

※Sitara およびSimpleLinkはTexas Instrumentsの商標です。その他すべての商標はそれぞれの所有者に帰属します。

※上記の記事はこちらのBlog記事(2017年1月4日)より翻訳転載されました。

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