プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)は、産業用オートメーションの市場でますます一般的になってきています。 想像可能なすべての製造環境に存在するあらゆる種類の機械を制御するには、化学プラントにある撹拌タンクのバルブの開閉から、製造ラインに設置されているベルト・コンベヤの速度制御まで、多様な機能に対応するプログラマビリティが必要とされます。 複数の異なるプロセスに対して、同じ PLC カードを使用することができます。違いは、それぞれのプログラムです。
プログラマビリティと、これらのプログラムに関するデータ保持の目的で、入力電圧が突然失われた場合でも、時には PLC を正常にパワーダウンするための十分なエネルギーを蓄積しておくバックアップ電源が必要になることがあります。 ラックマウント・タイプのシステムにホット・プラグ方式で接続される PLC カードの場合は、そのような電力停止は頻繁に発生します。
適切なパワーダウンを実現するには、PLC カード上でエネルギーを蓄積しておく必要があります。 この目的を果たす最も簡潔な方法は、入力電圧を受け入れ、直接的にコンデンサ・バンクを同じ電圧で充電することです。 ただし、この場合は、入力電圧を昇圧してコンデンサに高電圧のエネルギーを蓄積する場合に比べて、より静電容量の大きいコンデンサ・バンクが必要になります。 一方で、昇圧を行う場合は、この高電圧の蓄積済みエネルギーを使用して動作する方法をシステムでサポートする必要が生じ、システム設計が複雑化するとともにコストが上昇します。
PMP9761 TI Designs リファレンス・デザインは、このジレンマに対して「1 台 2 役」のソリューションを実現します。 昇降圧コンバータを使用して、入力電圧から蓄積コンデンサへの昇圧と、コンデンサ電圧からシステム電圧への降圧の両方を実施します。 システム電源は従来と同じ仕様にとどまり、コンデンサ・バンクと昇降圧コンバータを追加するだけで、バックアップ機能を実現できます。 この簡潔で明快な実装は、一部の PLC にとって重要な役割を果たします。
同じアーキテクチャは、入力電源電圧が停止した場合でも適切なシャットダウンを必要とするシステムや、入力バスのブラウンアウトを乗り切る必要のあるシステムで役立ちます。このようなミッション・クリティカルなシステムとして、医療機器、ファクトリ内のセンサと監視システム、ベルト・コンベヤの接続解除デバイスのようなフェイルセーフ方式のユーザー安全システムを挙げることができます。 このようなシステムでは、入力電力の過渡現象が発生した場合でも信頼できる動作が求められます。また、電力供給が突然に取り除かれた場合でも、システムが既知の状態に移行する必要があります。 バックアップ電源システムにエネルギーを蓄積するのは、このような目標を両方とも達成する方法の 1 つです。
図 1: TPS63060 はバックアップ電源機能を必要とするシステムで双方向の動作を実現
正常なパワーダウンを実現するためにエネルギーの蓄積を必要とするのは、皆様のシステムのうちどれでしょうか。
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