世界に影響を与える超小型テクノロジ: TIのBAW共振器が画期的な新型クロック源を提供


すべての電子システムは、内部の構成要素を同期させるためにクロック回路を使います。

ここ数十年に渡って、クロック信号を発生させるために水晶発振子が使われてきました。水晶発振子は正しいリズムを刻みますが、高価な発振子が劣化し始めるとジッタや周波数の飛びが発生し、長期間の精度に影響を与えます。

TIでは、新しいクロック源としてBAW(バルク弾性波)共振器を内蔵した新型デバイス 2品種を発表しました。人の毛髪よりも細い100μm幅の超小型クロック源は水晶発振器よりも大幅に高い周波数で動作し、より高性能のシステム性能の提供に役立ちます。

5G 通信の出現と、ビッグデータ時代の到来によって、全世界のシステム間で高速伝送されるデータ量がますます膨大になり、高精度のクロック源が必要不可欠な要件となっています。

TIの BAWをベースとした新型製品は内部クロックの性能を劇的に向上し、ビル・オートメーションからバーチャル・ヘルスケアまで、幅広いアプリケーションを高速化します。

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これまでBAW共振器テクノロジはスマートフォンをはじめとした複数の通信テクノロジで信号のフィルタとして使われていました。TIは業界で初めて、このテクノロジを使ったクロック機能を提供しました。

業界初の水晶発振子不要のワイヤレス・マイコンを発表

TIの新製品の一つは、業界初の水晶発振子不要のワイヤレス・マイコンであり、同一パッケージ内にTIのBAW共振器を集積しています。このマイコンは、より簡素で小型の設計のほか、性能向上やコストの削減に役立ちます。また外付けの水晶発振子器の選定や校正、実装などの作業が不要なことから、製品の市場投入期間の短縮にも役立ちます。

TIのコネクテッド・マイコン担当バイス・プレジデントのRay Uptonは次のように述べています。「膨大な量のデータを移動、解析し、正確で十分な情報に基づいた判断を行う能力を提供することは、重大かつ重要な技術革新です。このデータの移行の中核にあるのはワイヤレス・ネットワーキングであり、データ・サイクルに重要不可欠の部分はコネクテッド・デバイス間の『ラスト1マイル』の接続です。」

IoT(Internet of Things、モノのインターネット)のアプリケーションの売上規模は、2018年の1510億ドルから、2022年までに1.2 兆ドルまで成長すると予測されています[i]。この急激な成長は、IoTが各市場に深く浸透していることを示しているとともに、テクノロジ、メディア、通信分野などの企業の幹部はIoTがビジネス戦略の中核となっていると述べています[ii]。

TIのBAWテクノロジを搭載した最新のSimpleLink™ マルチスタンダード・マイコン製品 は、水晶なしのBluetooth® low energy やZigbee®の各テクノロジなど、ローパワーで高周波デバイスに組み込むことで、外付け水晶に関連した高周波性能の問題を軽減することも可能です。

TIのBAWをベースとしたネットワーク・シンクロナイザがデジタルノイズを排除しクリーンなクロック信号を供給

もう一つのBAW対応製品はTIのBAWをベースとしたネットワーク・シンクロナイザであり、水晶発振子と組み合わせて、データセンターのコア・ネットワークの有線またはワイヤレスのインフラストラクチャ・ハードウェアの通信サブシステムの入力信号から、ジッタを排除するために役立ちます。この機能は、5Gネットワークなどの通信システムに利点を提供します。

TIのハイスピード・データ・アンド・クロックス担当バイス・プレジデントのKim Wongは次のように述べています。「明日の通信インフラストラクチャのクロック要件は、今日の水晶をベースとした共振器を使ったデバイスの能力を超える所まで伸びていきます。クロック・デバイスにTI BAW共振器を直接集積することで、この通信の変容の中核にある、急成長中のデータのパイプラインに必要な超低ジッタ性能と、振動や衝撃からの復元力を提供できます。」

これらの小型クロック・デバイスの動作

TIのBAW 発振器は、マイクロ音波共振器(BAW)の機械的な共振を利用した圧電効果によって、安定な電子信号を発生する電子発振器です。

この高精度の非常に高い周波数の信号を、電子システムのクロックやタイミングの基準として使います。

TI BAWをベースとした製品は、次のような利点を提供します。

  • 小型フォームファクタ:同一パッケージ内に集積されていることから、基板上で個別のクロック・デバイスが不要。
  • 低消費電力:多くのIoTアプリケーションでは、素早く立ち上がるクロック・システムが必要であり、TIのBAWをベースとした発振回路は水晶発振子よりも100倍も高速で起動。
  • 低いデジタルノイズ・レベル:TIのネットワーク・シンクロナイザICは、現在、市場に流通している最高性能のデバイスよりも良好なジッタ性能を提供。
  • クリーンなクロック信号:TIのBAW共振器は、数100ギガビット/秒のデータの高速伝送に必要不可欠な超高純度のクロック・リファレンスを提供し、RF(高周波)ICに集積して、ワンチップの無線ソリューションを実現。

 

モノや通信の中核となるBAWテクノロジ

5Gネットワークと未来世代の通信テクノロジの発展につれてビジネスや商用からヘルスケア、農業や教育まで、幅広い分野に展開されます。

膨大な量のデータ伝送をサポートする通信インフラストラクチャが設置されると、企業や政府は、倉庫内でのモノ同士の通信から、スマートフォン、サーモスタット、心拍モニタなどと他のデバイスのホストとの通信まで、『ラスト1マイル』のポイント・ツー・ポイントの接続のためのワイヤレス仮想ネットワークの提供が必要になります。

Ray Uptopnは次のように述べています。「TIのBAW共振器テクノロジはシステム設計のあり方を革新させ、次世代の産業用や通信のアプリケーションへ強い影響力を与えます。」

i Forbes.comの2018年12月のリポート Roundup Of Internet Of Things Forecasts And Market Estimates,
ii Forbes.comの2018年12月のリポートRoundup Of Internet Of Things Forecasts And Market Estimates,

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上記の記事はこちらのBlog記事(2018年2月28日)より翻訳転載されました。
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