前回のブログで私は、ビルディング・オートメーション用ワイヤレス・センサ・ネットワークのいくつかのトレンドの中の最初のテーマとして、電力効率を取り上げました。前回取り上げたのは、ビルディング・オートメーション・システムでセンサの採用を加速させている以下の4つのキートレンドです。

  • 電力効率
  • 安全とセキュリティ
  • ユーザーの快適性
  • 予防的メンテナンス

今回は、ビルディング・オートメーションに使われる各種センサの概要について説明します。ユーザーとその所有物の保護、セキュリティの侵害が起こった場合のユーザーとセキュリティ管理センターに対する通知、あるいは有害な状況の発生の検知などを目的に、ビルディングには各種センサが配置されるようになっています。


安全とセキュリティの2つのテーマに関しては、空調機器(HVAC)からビルディングのセキュリティや防火システムに至るまで、広範なビルディング・オートメーション機器が使用されています。


ビルディング・セキュリティ・システムにより、異常事態の発生時に当局への通知のためのアラーム・システムが提供されるだけでなく、自宅やビルディングのセキュリティ状態に関する最新の情報の入手も可能になり、ユーザーは安心して暮らすことができます。最近では、リード・スイッチやデジタル型のホール効果センサにより、個々のドア(または窓)の接触状況を検知することが可能になっています。デューティ・サイクルによるアナログ・ホール効果センサを、より堅牢性の高いフロント・エンドの構築に活用すれば、二次磁石によるシステムの不正改ざんが行われた場合でも、その検知が可能になります。


図1:アナログ・ホール効果センサによる不正改ざん検出例


子供の時に、野球の練習に私を送ろうとしてクルマを出した母親が、ガレージのドアを閉じたかどうかを確かめるため、引き返したことを記憶しています。母親の忘れっぽい性質を、私は受け継いだようです。私も、自宅の玄関を施錠したかどうか確信を持てず、戻って再確認することがよくあります。電子式スマート・ロックを利用すれば、施錠状態のチェックだけでなく、ドアの遠隔施錠と開錠も可能になります。

ワイヤレスのドア接点やワイヤレス電子式スマート・ロックなどのスマート・ワイヤレス・デバイスの数が増えると、バッテリの駆動寿命が問題になります。4  個の単三電池で 5  年間のバッテリ寿命を可能にするスマート・ロック・リファレンス・デザイン(TIDA-00757)を参考にすれば、軽負荷時効率の高い DC/DC 降圧コンバータの活用により、2.4GHz のワイヤレス接続電子式ロックのバッテリ寿命を約 5 年間に延長できます。このリファレンス・デザインでは、Bluetooth® Low Energy接続時間を 1 回あたり 500 ミリ秒、1 日あたりの施錠/開錠回数を 24 回と想定し、消費電力を計算し、容量 3,000mAh のバッテリの駆動寿命を求めています。

図2:施錠/開錠回数とバッテリ駆動寿命の関係


建物のセキュリティの観点から、鍵、ドア、窓の状態を検知できることは非常に便利です。次に、安全性について考えてみると、煙、有害ガス、微粒子の検知は人々にとって、空気の質の保全の意味から重要な意義を持っています。

通常使われる音による警報装置の他に、遠隔デバイスにより、一酸化炭素(CO)やその他の有害ガス(TIDA-00056)の漏洩や火災の通知が行われるようになれば、旅行中の人や帰宅途中の人、あるいはビルディングの所有者は安全状況を知ることができるようになります。ガス漏れと火災の検知に加えて、たばこの煙、ダスト、花粉などの微粒子探知を、微粒子のサイズと濃度の検出にも使用できます。TI の空気の質のモニタリングのための PM2.5 & PM10 微粒子センサ・アナログ・フロントエンドのリファレンス・デザイン(TIDA-00378)は空気中の煙、ダスト、花粉などの光学式測定機器の迅速な設計を可能にします。


コネクテッド・センサを使った機器の迅速な設計のために、こうしたビルディング・オートメーション用センサのリファレンス・デザインや、技術リソースもご用意しています。ぜひご活用ください。


技術リソース:

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上記の記事は下記 URL より翻訳転載されました。

http://e2e.ti.com/blogs_/b/industrial_strength/archive/2016/07/20/trends-in-building-automation-connected-sensors-in-safety-and-security

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