ほとんどの自動車工場では、重いものを持ち上げたり、新車の部品を組み立てたりする際、その作業の多くに自動ロボット技術が使われていることを目にされると思います。


このような環境では、モータ、ロボットアーム、スイッチ、高電圧装置の全てが調和のとれたシンフォニーのよう動作しなければならないため、精度が最も重要となります。そこでは、誤差は許されず、電気的ノイズの多い環境では協調した動作を図ることは困難になります。しかし、当社は、不協和音の多い産業環境において、高精度なモータ制御のノイズを遮断し、形を整え、フィルタをかける方法を見つけました。

当社の最新TI Designのリファレンス・デザイン「電流・電圧・温度保護機能を持つ強化絶縁耐性三相インバータ」(『TIDA-00366』)で実証されているたように、当社は設計者が強化絶縁耐性技術を使って、高精度なシステムを作ることを可能にします。

この設計をコーディネートしている当社のマチス・テイエンツァー(Matthis Taenzer)は次のように述べています。「このTI Designは、強化絶縁耐性インバータをすぐに設計できる素晴らしい方法です。これは10kWの定格まで上げることができて、多数の保護機能を備えています。コンパクトで効率良く実装できることに重点を置いています」

三相インバータのリファレンス・デザインは、業界最高性能を持つ強化絶縁耐性アンプ『AMC1301』や、最近リリースした強化絶縁耐性ゲート・ドライバ『UCC21520』を含む、当社の最新強化絶縁耐性デバイスをいくつも組み合わせています。

当社製品マーケティング・マネジャーのナガラジャン・スリダー(Nagarajan Sridhar)は、「絶縁耐性は、民生用エレクトロニクスからソーラー・インバータに至るさまざまな製品で必要とされます。『AMC1301』『UCC21520』のようなデバイスは、パワー・マネージメントや高精度なシグナルチェーンに関する当社の専門知識と強化絶縁耐性技術で培われた専門知識が組み合わせられて開発されました。これらの製品は、市場全体における当社の地位を高めています」と述べています。

当社の専門知識を生かして開発
グローバルに展開している当社のアナログ・チームは、業界をリードする絶縁耐性チップを設計者に供給すべく、一生懸命働いてきました。彼らが開発するアプリケーションでは、強い絶縁耐性で実現される一層高い保護バリア(二重絶縁としても知られています)が必要となります。この新型アンプが最も多く使用される3つのアプリケーションは、産業用モータ駆動、ソーラー・インバータ、およびUPS(無停電電源装置)です。

設計者は、高電圧スパイクや高エネルギー・ピークのような厳しい産業用絶縁耐性基準を満たさなければなりませんが、当社の強化絶縁耐性デバイスは業界標準より厳しい絶縁耐性を備えています。加えて、当社のデバイスは、全体の電力効率を改善する低消費電力アーキテクチャを提供し、電源設計を簡素化し、パワーデバイスにおける熱ドリフトの問題を低減します。

当社のナビン・コマラージュ(Navin Kommaraju)は、「例えば、当社の顧客はモータ駆動のシステム標準を満たさなければなりませんが、絶縁耐性部品に求められる標準はさらに厳しいです。数年前に、当社のプロセスおよび設計のチームは、容量性絶縁耐性技術を開発しましたが、それは光絶縁技術よりも信頼性が高いものでした。また、当社の製造およびプロセスのチームは、既存の絶縁耐性標準よりも厳格な絶縁耐性を実現することで、製造を進化させました」と氏は語っています」と述べています。

システム性能を上げるためのカギ
当社の絶縁耐性技術は、高信頼性に加えて、より長い製品寿命を実現します。

当社のマーケティング・マネジャーであるロバート・シュライバー(Robert Schreiber)はこう述べます。「この高性能アンプは1000V以上の動作電圧で、馬車馬の如く、40年以上駆動できるように作られています。このデバイスに、品質と信頼性は欠かせません。当社のデバイスの信頼性は業界でもずば抜けています」

設計者は、当社の新しい絶縁耐性アンプを必要としてきました。当社は、60社以上の顧客に1700個以上のサンプル品をすでに出荷してきました。

先述のナビン・コマラージュは、「厳しい品質水準の半導体プロセス、パッケージ実装、シグナルチェーン、および高電圧技術の組み合わせが大きな差別化要因となっています。これは、当デバイスをリリースする前の多数の顧客へのサンプル出荷に反映されました」と述べています。

設計者は、このアンプを使って、同様に信頼性が重視される高精度のエレベータモータ制御システムを造っています。同システムを製造するメーカーは、設置した自社製品が故障せずに何年も動作することを求めています。

「当社のデバイスは、高層ビルで高速エレベータの迅速な作動と停止を可能にしています。そのためには非常に精度の高い温度と電圧の測定が必要です。その裏で動いているのがモータ駆動です。当社の製品は、モータ駆動システムで電流を測定するのに使われます。この測定には極めて高精度の制御が求められます」とシュライバー氏は語ります。

このリファレンス・デザインは、システム保護と信頼性が重要となる高電圧アプリケーション向けに開発された、業界最高速の5.7kVRMSの絶縁デュアル・チャンネルのゲート・ドライバの新製品『UCC21520』も搭載しています。

先述のナガラジャン・スリダーは、「『UCC21520』は、設計者がいくつものアプリケーションで絶縁耐性とパワー・マネージメント機能を統合できる汎用的な互換性を備えつつ、システムと人間を危険な高電圧サージから保護します」と述べています。

このパワー・マネージメント・チップは、5.7kVRMSという強化絶縁耐圧を提供し、最大12.8kVのサージ耐性がテスト検証されています。併せて、100V/ns以上のコモン・モード過渡電圧耐性も備えています。このデバイスは、19nsという高速の伝搬遅延を実現することで、高電力密度と効率を実現できます。その結果、ソリューションの小型化と信頼性の高い動作を実現します。

参考情報:
ホワイトペーパー「高電圧絶縁型: 定義およびテスト方法
ホワイトペーパー「高度な回路絶縁技術により加速化する自動製造
ホワイトペーパー「AMC130xの高電圧絶縁における品質と信頼性
ビデオ「産業絶縁規格と強化絶縁アンプ『AMC1301』
ビデオ「絶縁ゲート・ドライバの電源
ブログ「強化絶縁: 二重絶縁を超える性能の単一絶縁
ブログ「クラウド・サーバーを絶縁する理由

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※上記の記事はこちらのブログ記事(2016年7月26日)より翻訳転載されました。

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