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Other Parts Discussed in Post: AWRL1432

従来型のパワー リフトゲートやパワー トランクでは、ハッチを動かすために、ユーザーがキーフォブのボタンを押したままにする必要があります。特に、両手が荷物でふさがっているときに乗用車のトランクを開けようとする場合、この操作は非常に不便だと感じることがあります。キック ツー オープンなどのハンズフリー システムを採用すると、足でけり上げる動作などで簡単に自動車のトランクを開けることができます。

キック ツー オープン システムを搭載した多くの自動車は、静電容量センサまたは超音波センサを活用してキックを検出していますが、これらのセンサにはそれぞれ固有の一連の課題があります。この動画では、TI のミリ波 (mmWave) レーダー センサのようなレーダー テクノロジーを活用してキックの動作を高精度で検出する方法をご紹介します。

レーダー テクノロジーを活用し、他のセンサに比べて、より信頼性の高いソリューションを実現する方法の詳細をご覧ください。

環境に起因するいくつかの課題

超音波センサと静電容量センサは、キック センサの信頼性に悪影響を及ぼす可能性のあるいくつかの環境要因に対して敏感です。雨滴は超音波を吸収または拡散させる傾向があります。超音波ベースのキック ツー オープン システムのセンシング距離が変化する可能性があり、想定距離内にいるユーザーのキックを検出できなくなる事態につながります。雨による干渉は、誤トリガにつながる可能性もあります。

静電容量ベースのキック センサを使用する場合、極端な温度、湿度や水気、ほこり、ごみなどが原因で、キック検出の信頼性が低下する可能性があります。特に寒冷な気候条件下では、静電容量ベースのソリューションは電気伝導率の低下が原因で、キック動作に対する応答が悪化する場合があります。

一方、ミリ波レーダー センサは環境要因の影響を受けにくく、雨、雪、霧などが存在する状況であっても、より高い一貫性と信頼性でキックを検出できます。その結果、レーダー ベースのキック ツー オープン システムは不利な環境条件下でも、ずっと頼りになり、ユーザーにとって使いやすい方式になっています。

検出距離と視野角の制限

静電容量ベースと超音波ベースの各キック ツー オープン システムには、検出距離と視野角に関していくつかの制限があります。ユーザーは自動車のリア バンパーのかなり近くまで接近する必要があります。つまり、多くの場合はバンパーの真下でユーザーがキック動作をしたときのみ、テールゲートを動かすことができます。そのため、テールゲートが開閉するときにユーザーに接触してしまう可能性があります。

それに対し、77GHz ミリ波レーダー センサである TI の AWRL1432 は距離を延長しており、ユーザーは自動車に近付くときにバンパーの後方で安全な距離からトランクを開けることができます。これにより、テールゲートの開閉に伴う負傷のリスクが最小限に抑えられます。加えて、AWRL1432 はより広い角度に対応できるため、高精度の位置決めや特定の角度のキックに限定されず、さまざまな角度でキック動作を検出できます。AWRL1432 を採用すると、図 1 に示すように、トランクの開閉をトリガする距離をユーザーが設定できるような設計も可能になります。

 

1AWRL1432 ベースのキック ツー オープン システムの実装

足の動作検出に関連するいくつかの課題

既存のキック ツー オープン システムは、特定の動作を認識するように設計されているにもかかわらず、自動車の近辺にあるランダムな動きを意図したキック動作と誤解したり、逆に正当なキック動作を検出できないこともあります。一方、TI の 77GHz レーダー センサである AWRL1432 は 動作認識の精度が 90% を上回っており、テールゲートを動かすためのキック動作を正確に高精度で検出することができます。AWRL1432 は分解能を高めるために 2 個の送信チャネルと 3 個の受信チャネルを搭載し、Arm® Cortex®-M4 マイコンやハードウェア アクセラレータによる内蔵処理能力と組み合わせて、エッジで処理を行います。オンチップの高度な信号処理アルゴリズムは、意図的なキックと他のランダムな動きを区別するのに役立ちます。これは、混雑した環境では特に価値のある利点です。

まとめ

TI は、コストと消費電力を重視して AWRL1432 を設計しました。最大 5 種類のジェスチャに対応できる能力を活用すると、異なるジェスチャに対して異なる機能をトリガするよう設計するなど、キック ツー オープン システムのフレキシビリティ レベルを高めることができます。たとえば、電気自動車で手のジェスチャを検出したときはフロント トランクをトリガし、キック動作を検出したときはリア トランクをトリガすることができます。また、AWRL1432 がオンボード搭載している処理能力と複数の送信チャネルや受信チャネルを活用し、障害物検出のような機能を統合することも可能です。

参考情報

Anonymous