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車のリア・ライト・システムは、単なる減速の合図から、自動車ブランドの象徴を表すものへと、進化を続けています。 自動車メーカーの独自設計に対応しながらも、合図としての機能は保っていなければなりません。この記事では、リア・ライト・システムのトレンドと、トレンドにより生まれた課題、そしてこのような課題に対処できるTIの新しいLEDドライバを詳しく解説します。

トレンドの1つ目は、ブランド・アイデンティティを象徴的に見せる、車のテール・ランプを使った独特なアニメーションです。車載ライティングによる複雑なアニメーションの要望が高まっており、それにはLEDを個別に制御する必要があります。しかし、車載ライティング・アプリケーションを個別に制御するのに必要な多数のLEDを駆動するうえで、十分な数のアナログLEDドライバを使用できないという設計課題がまずあります。ピクセル制御の照明アプリケーションを実質的に駆動することができるのは、デジタル・インターフェイスを備えたLEDドライバだけです。図1は、従来のテール・ランプと新型のテール・ランプのピクセル制御アーキテクチャを示しています。


1:ピクセル制御に関する従来型と新型のテール・ランプ・アーキテクチャ

車載リア・ライト・システムのマーケット・トレンドの2つ目は、車のテール・ランプの形がだんだん横に長くなっていることです。場合によっては、図2のように、車体のリアエンドの端から端までテール・ランプ���延びています。

2:横に延びるテール・ランプ

テール・ランプがリアエンドの両端まで延びるということは、プリント基板全体にわたる配線も長くなるということです。LEDドライバはマイコンに直接接続する必要があるため、従来のシングル・エンド・インターフェイスの配線で長距離のオフボード通信を行うことが設計上大きな問題になります。このような複雑なアーキテクチャで厳しい電磁環境適合性(EMC)要件に従うのは困難です。そのため、図3のように、車載ライティングの長距離オフボード通信を効果的に実装するには、外付けの物理層トランシーバの使用が不可欠になります。

3:長距離オフボード通信の標準アプリケーション回路図

マーケット・トレンドの3つ目は、堅牢であることがますます重要になってきていることです。テール・ランプの堅牢性は路上での安全性に直結するので、運転手は定期的にテール・ランプを点検する必要がありますが、わずかなミスも事故につながりかねません。自己診断機能があるリア・ライト・システムの搭載が不可欠なのはそのためです。

TIの新製品『TPS929120-Q1』を用いると、自動車マーケットのトレンドから生じる設計課題に対応できます。『TPS929120-Q1』は、各LEDを個別に制御するニーズの高まりに対処する、FlexWireインターフェイスを搭載した車載12チャネルLEDドライバです。

『TPS929120-Q1』のユニバーサルな非同期レシーバ/トランスミッタによるFlexWireインターフェイスは、業界標準のCAN物理層を利用することで、長距離オフボード通信を容易に実現できるうえ、EMCへの影響もありません。

さらに、『TPS929120-Q1』は、断線、地絡、および単一LED短絡の診断機能により、多数の規制要件を満たすこともできます。設定可能なウォッチドッグにより、マイコンとの接続が切れると自動的にフェイルセーフ状態に設定されます。また、プログラマブルEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)により、さまざまなアプリケーション・シナリオに合わせて『TPS929120-Q1』を設定できます。

『TPS929120-Q1』は、優れた性能で、他では見られない独自の車載ライティング設計を実現します。

参考情報

+ホワイトペーパー「車載リア・ライト・システムの トレンドとトポロジ

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※上記の記事はこちらの技術記事(2019年10月28日)より翻訳転載されました。
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