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可変周波数ドライブ(VFD)は、産業用オートメーション機械の重要な一部です。VFDはポンプ、ファン、コンベヤ・ベルト、コンピュータ数値制御(CNC)マシン、ロボット・オートメーション・テクノロジの駆動を助け、工場の総エネルギー消費の削減に貢献します。VFDのダウンタイムは機械類のダウンタイムに直結し、工場停止や生産量低下につながる可能性があります。VFDの信頼性と堅牢性は、機械メーカーと工場のオーナーにとって重要な要件です。

VFDの心臓部である図1の3相インバータ構造は、整流された商用電源電圧を可変周波数および可変電圧に変換してモータに出力します。インバータの堅牢性は、VFDの堅牢性を担う重要な要素です。

 図1:絶縁型ゲート・ドライバを用いた3相インバータ

3相インバータの主要部品は、絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(IGBT)パワー・スイッチ(通常は、単独のIGBTモジュールに内蔵される)とIGBTゲートを制御する絶縁型ゲート・ドライバです。マイコンは、ハイサイドとローサイドの相補的なパルス幅変調(PWM)信号を生成し、PWM信号遷移の間にはデッドタイム期間が挿入されます。このデッドタイム期間により、トップとボトム両方のIGBTゲート信号が同時にHIGHにならないようにします。

マイコンのハードウェア故障またはモータ制御ソフトウェアの不具合のため、マイコンからのハイサイドとローサイド両方のPWM信号がHIGHにラッチされることがあります。その結果がトップおよびボトムのIGBTのクロス導通であり、DCバスの短絡を引き起こします。DCバスに電流センサを挿入することで、過電流状態を検知し、ゲート・ドライバのイネーブル/ディスエーブル・ピン、または、ゲート・ドライバへのPWM信号を駆動するバッファにより、ゲート・ドライバをディスエーブルにできます。過電流の検知からシャットダウンまでの時間は、通常は数マイクロ秒です。ただし、このセンシング・シーケンスを何度も繰り返すと、VFD内部でもっとも高価な半導体部品であるIGBTスイッチの信頼性が低下し、寿命が短くなるおそれがあります。

しかし、ゲート・ドライバが両方ともスプリアスPWMシーケンスにまったく反応しないとしたらどうでしょうか。これは、インターロックと呼ばれる手法を用いて、外付け部品を追加せずに実現可能です。

ハイサイドおよびローサイドのゲート・ドライバのインターロック

図2に示すこの構成では、ハイサイド・ドライバのエミュレーテッド・ダイオードのアノードが、ローサイド・ドライバのエミュレーテッド・ダイオードのカソードに接続されます。ハイサイド・ドライバのエミュレーテッド・ダイオードのカソードは、ローサイド・ドライバのエミュレーテッド・ダイオードのアノードに接続されます。

 図2:インターロック回路構成

TIでは、「光学エミュレーション入力ゲート・ドライバを用いる200-480VACドライブに対する3相インバータのリファレンス・デザイン」で、インターロック回路構成の実装をテストしました。

200-480VACドライブに対する3相インバータのリファレンス・デザイン

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図3に示すように、通常動作時は、PWMパルスは相補的であり、『UCC23513』の入力エミュレーテッド・ダイオードに順方向バイアスをかけるか、-5Vのバッファ駆動電圧で絶縁型ゲート・ドライバに逆方向バイアスをかけるかのどちらかです。『UCC23513』のエミュレーテッド・ダイオードの高い逆電圧処理能力により、インターロック構成で生じる逆電圧を処理することが可能です。競合製品である電流制御型の容量性絶縁ゲート・ドライバでは、高い逆電圧処理能力がないため、インターロックすることはできません。デッドタイムの間は、エミュレーテッド・ダイオードにかかる電圧は0Vです。

 図3:インターロックでの通常のPWM動作

意図的にマイナスのデッドタイム期間を挿入することで、マイコンからの異常なPWM信号に対するインターロック回路のレスポンスを確認できます。図4では、マイコンの出力が両方ともHIGHの場合に、ゲート・ドライバの出力がLOWになることが分かります。どんな入力PWM信号であっても、ハイサイドおよびローサイドのゲート・ドライバの出力が同時にHIGHになることはなく、それによりクロス導通を防ぎます。

 図4:マイコンからの不良なPWM入力信号に対するインターロック回路のレスポンス

マイコンのPWM出力

ゲート・ドライバの出力

ハイサイドPWM

ローサイドPWM

ハイサイドPWM

ローサイドPWM

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表1:インターロック動作

レガシーな光絶縁ゲート・ドライバでは、インターロックは可能かもしれませんが、高い動作絶縁電圧、高い同相モード過渡耐性、最大150℃の接合部動作温度、低伝搬遅延や低パルス幅歪などのスイッチング・パラメータの改善といった、さらなる利点の恩恵は得られません。

『UCC23513』は業界標準の6ピン・スモールアウトライン・パッケージで供給されるため、回路図やプリント基板の設計を変更することなく、交換するだけで既存のVFDのインバータを簡単にアップグレードできます。

参考情報

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※上記の記事はこちらのBlog記事(2019年3月26日)より翻訳転載されました。
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