bq77905 3S-5S、スタッカブル、高度な低消費電力バッテリ・プロテクタEVM

保護は、どんなタイプであっても単純なソリューションにしましょう。保護は一度設計して組み立てれば二度と心配しなくて済むようにしましょう。少なくともそうあるべきです。しかし、多様な優れたバッテリ保護に関しては、設計者はこれから発生する可能性のあるコストに悩むかもしれません。

通常、バッテリ保護回路は目に触れないバッテリ・パックの内部にあります。一般的には、かっこよく、しゃれた新しいアプリケーションの機能というわけではないので、設計者はそれほど深く考えないかもしれません。しかし、最近のいくつかの事件から学んだように、バッテリ保護は適切に行わないと、ヘッドラインを大きく飾る可能性があるのです。

通常、どんな保護デバイスでも仕組みは簡単なものが望まれます。例えば、システムを保護する一方で、大電流消費といった余計な「値札」が付いていないICです。そんな時、TI35(さらにそれ以上の)直列セル用バッテリ・プロテクタ・ファミリ『bq77905がお役に立ちます。これらのバッテリ・プロテクタは、システムが必要とする保護を最小の消費電力で提供します。

バッテリ・アプリケーションでは、防御の第一線となる一次的プロテクタが常に必要で、その後の保護は二次的な保護の役割です。二次的保護とは、簡単に言うと、バッテリ保護の最後の手段で、通常は簡単な過電圧保護です。バッテリ保護について詳しくは、私のブログ「Get to know your battery pack: Part 1」をご覧ください。

bq77905は、電動工具、園芸工具、掃除機、ロボット・アプリケーション(ドローン、ロボット掃除機、ロボット芝刈り機など)といったアプリケーションに適した一次的プロテクタです。この種の産業用/民生用アプリケーションは、バッテリ・パックに負担をかけます。ユーザーは電動工具やロボット掃除機を、AC電源に接続されているときのように、すぐ動かしたいからです。このようなアプリケーションの通常の消費電流は、大きいもので50A(電動工具)、小さいもので(といってもまだ大きいですが)15A(掃除機)の連続電流になります。大電流出力対応に加え、内部のバッテリ・パック回路は、バッテリ寿命と全体の駆動時間を延ばすために超低消費電力でなければなりません。『bq77905の平均消費電流は6µAなので、非常に重宝します。

産業用/民生用アプリケーションに通常内蔵されているバッテリ・パックのサイズは、3S(小型電動工具やドローン)、4S(ドローン)、5S(プロ用電動工具)、6S(産業用ドローン)、7S(掃除機)、10S(園芸ツール、のこぎりなどの大型電動工具)で、ときには20Sのものもあります。このようにさまざまなサイズに対応するため、バッテリ・パック設計用の共通プラットフォームを作成して、異なるICアーキテクチャ間での再設計や不慣れなことに伴うエンジニアリング・コストを取り除きます。また、『bq77905はスタッカブルなので、さまざまなバッテリ数の設計に柔軟に対応します。

一般的には、保護は単純で、使いやすく、それほどコスト(消費電力、価格、安全性)がかからないものにする必要があります。さらに、保護デバイスは、設計の柔軟性によってさまざまなセル数にスケーラブルに対応できることが望まれ、それが全体設計コストの削減にも役立ちます。バッテリ保護がアプリケーションの可能性を制限するようなことがあってはなりません。

 

その他のリソース

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※上記の記事はこちらの技術記事(2016年10月17日)より翻訳転載されました。
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