BLDC(ブラシレス直流)モーターは、モーターの中では新しい技術であり、多くのエンジニアが継続的に話題にしています。 制御手法が成熟し、標準化されているブラシ付きモーターやステッピング・モーターとは異なり、BLDC モーターを制御するための最善のアプローチは現在も論議の対象であり、そのようなテクノロジーを改良する手法は現在も継続的に試行されています。 三部構成のこのブログ・シリーズでは、業界で一般的に採用されている主要な BLDC モーター制御Iアーキテクチャについて簡単に説明します。 ただし、先に進む前に、数分を費やして次の基礎的な 1 つの質問を考慮してください。 BLDC モーターの利用者は、モーター・コントローラにどのようなことを期待しているでしょうか。 ここで筆者の考えを説明します。
1. 高い効率。
利用者がブラシ付きモーターからブラシレス・モーターに移行する主な理由の 1 つは、ブラシの排除に伴う効率の向上です。 一方で、ブラシによるエネルギー消費を節約できたにもかかわらず、モーター・コントローラでそのエネルギーを浪費することを利用者が望んでいないのは明らかです。 つまり、モーター制御アルゴリズムはモーターを駆動するためにナノワット単位のエネルギーまで有効活用することが望ましく、同時にコントローラが過熱することや過度に多くの熱を放散することは回避したい、という状況です。
2. 低ノイズ。
BLDC モーターの非常に重要な使用状況の 1 つは、騒音発生が望ましくない屋内環境です。 プレゼンテーションを準備しているときに、ラップトップに内蔵されているファンの騒音が大きく、集中力が低下しがちな状況を想像してください。 もう 1 つの例は、家庭で子供を寝かしつけたところで、騒音の大きい洗濯機が原因で子供がすぐに目を覚ましてしまう状況です。 音響ノイズは、BLDC モーターの制御に関して利用者から改善が望まれている、非常に重要な事項の 1 つです。
3. 柔軟性。
担当のエンジニアとして、3 時間を費やしモーター制御システムの最善の動作ポイントを見つけたとしましょう。ところがプロジェクト・マネージャが突然、開発中のシステムで完全に別物のモーターも動作させる必要があると言い出しました。 さらに 2 時間を費やして、新しいモーターの最善の動作ポイントを見つける必要が生じました。おそらく、両方のモーターを良好に動作させることができるポイントを見つけるために追加の時間も必要になるでしょう。 その間に、プロジェクト・マネージャが 3 番目のモーター追加を要求してこないことを祈るしかありません。 BLDC モーターに限ったことではなく、他の種類のモーターも含め、モーター分野ではこれはよくある状況です。 モーターを動作させるために勤勉に働いている電気技術者全般にとって、さまざまなパラメータを使用してモーターをスピンアップすることのできる非常に頼りになるソリューションは、間違いなく夢のような存在です。
4. 確実性。
モーター分野で確実性を達成するには、信頼性と堅牢性を高める必要があります。 異常状態が発生した場合でもモーター・コントローラが破損しないという特性が望まれます。また、異常状態が解消された後で、再び正常に動作することも求められます。
5. 優れたコスト構造。
これは自明の事項です。 最高の性能を発揮すると同時に、実現できる範囲でシステム・レベル・コストを最小に抑えるという要求が常に課されています。
ここまでが筆者の観察結果です。 利用者はどのような点で、BLDC モーターに本当に高い価値を認めるでしょうか。 いつでもコメント・セクションで皆様の考えをお知らせください。 次回の投稿では、ホール・センサ使用、センサレス、フィールド・オリエンテッド・コントロール(FOC)など、代表的な BLDC モーター制御アーキテクチャについて簡単に説明し、今回説明した 4 つの予期される状況に適用する予定です。 ぜひご覧ください。
その他のリソース:
- BLDC モーターを駆動する(英語)便利な方法を読む
- TI の E2E™ コミュニティの Motor Drivers Forum に参加して、仲間のエンジニアと交流し、ソリューションの検索や知識の共有に役立ててください。
- BLDC モーター・ドライバからなる TI の包括的なポートフォリオ全体をご確認ください。
上記の記事は下記 URL より翻訳転載されました。
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