設計者は常に、必要となる機能の追加やアルゴリズムの複雑度をあげるためにプロセッサの性能を向上しなければいけない状況に直面しています。 性能を向上させるという課題は、プロセッサの価格上昇を招く可能性もあります。 TI の C2000™ マイコン(MCU)は、独創的な方法でこの問題を解決するために、コスト最適化ソリューションを提供することに加え、ハードウェア・アクセラレータを追加しています。これらのアクセラレータは、制御ループや数学演算の待ち時間を短縮すると同時に、プロセッサの帯域幅を向上させるアーキテクチャを採用しています。

C2000 マイコンは、4 種類の異なるアクセラレータを搭載しており、それぞれに特定の目的が割り当てられています。設計者はこれらを活用して、デジタル制御設計の性能を向上させることができます。 これらのアクセラレータは、以下のとおりです。

  • 浮動小数点ユニット(FPU) - 浮動小数点演算を実行することができ、固定小数点演算を実行する場合より容易にコードを開発可能
  • 三角関数演算ユニット(TMU) - モーター制御アプリケーションで一般的に使用される三角関数数学演算を高速化し、アクセラレータなしの場合に要する多数のサイクルを短縮可能
  • ビタビ/複素演算/CRC ユニット(VCU) - 電力線通信(PLC)アプリケーションで一般的に使用される通信ベースのアルゴリズムと複素算術演算の性能を向上
  • リアルタイム制御コプロセッサ(CLA、Control Law Accelerator、制御補償器アクセラレータ) - 数学集約型の計算と制御ループを、独立型の CLA コプロセッサにオフロードすることで、C28x メイン CPU の帯域幅を拡大

これらのアクセラレータは、産業用制御アプリケーションにそれぞれ異なる性能向上をもたらします。たとえば、従来型の固定小数点マイコンに FPU を追加すると、算術計算の性能が 2.5 倍に向上する結果になることがあります。 TMU アクセラレータにより、パーク変換、逆パーク変換、空間ベクトル生成、FFT マグニチュード、位相計算のような制御アルゴリズムの性能が大幅に向上します。 たとえば、パーク変換を実装する設計者は、TMU なしの CPU を使用する場合に比べて、約 6 倍の改善を期待することができます。 VCU も、PRIME や G3 など PLC の一般的な規格で使用される関数、複素演算、CRC 計算に要する実行時間を短縮します。 たとえば、C28x CPU のソフトウェア実装を使用してビタビ・バタフライ・アルゴリズムを実行する場合に比べると、VCU で実行する場合は、性能は 7 倍に達します。 CLA はマイコンの全体的なシステム・スループットを実質的に 2 倍に高めることができます。CLA は包括的な独立型 32 ビット浮動小数点コプロセッサであり、CPU と並列に動作するからです。 時間を重視する数学集約型(math-intensive)の計算向けに最適化されており、制御ペリフェラルに直接アクセスすることで待ち時間を大幅に短縮します。

C2000 マイコンは、アクセラレータのさまざまな組み合わせを提供しています。ただし、最上位の Delfino™ F2837xDF2837xS マイコンは、これら 4 種類のアクセラレータすべてを搭載しています。 最新の Delfino F28377S ローンチパッドをご確認ください。これは、低コストの開発プロットフォームであり、30 ドル未満で 4 つのアクセラレータすべてを導入することができます。

Piccolo™ マイコン

 

CPU 速度

FPU

TMU

VCU

CLA

F2802x

60MHz

 

 

 

 

F2803x

60MHz

 

 

F2805x

60MHz

 

 

F2806x

90MHz

 

F2807x

120MHz

 

Delfino マイコン

 

 

CPU 速度

FPU

TMU

VCU

CLA

 

F28335

150MHz

 

 

 

 

C28346

300MHz

 

 

 

 

F2837xS

200MHz

 

F2837xD

200MHz(x2)

 

 
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