CAN(Controller Area Network)に関する新しいシリーズの最初の投稿にようこそ。 このシリーズでは、CAN の概要、基礎から始めて、機能の詳細を比較的短い期間で習得し、CAN ネットワークを設計するときに見受けられるアプリケーションに関する一般的な疑問に取り組み、サンプル・アプリケーションを使用して詳細な点まで充足することです。
CAN は 30 年近くにわたって使用されてきた、分散型の制御を採用する、シリアル、2 線式の差動ネットワーク・テクノロジーです。 CAN は当初。自動車向けに開発されたことが原因で、一般的には乗用車やトラックでのみ採用されていると考えられがちですが、必ずしもそうとは言えません。 堅牢性と簡潔さを実現していることから、暖房、通気、エアコン(HVAC)システム、エレベータ制御のようなビルディング・オートメーション、海運アプリケーション、白物家電など、産業用制御アプリケーションで幅広く使用されています。
図 1: 代表的な CAN バスのトポロジー
図 1 に、4 個のノードからなる CAN ネットワークの例を示します。 見てわかるように、CAN は 2 線式のトポロジーを採用しており、ネットワーク上のすべてのノードが同じバスを共有しています。CAN は、ISO 11898 ファミリの規格によって規定されています。 RS-485、イーサネット、その他多くのフィールド・バス・テクノロジーと同様、CAN は分散型の制御方式であり、エレベータ用のセンサ・ネットワークなど、マイコンが互いに通信する必要のあるさまざまなアプリケーションで使用できます。
CAN 規格は通信に関するプロトコル層と物理層の要件を規定する規格ですが、DeviceNet、J1939、CANopen など、CAN プロトコルより上層で機能するように作成された、追加の上位プロトコルが存在します。 これらの上位プロトコルは、ネットワークの長さの延長、ノード数やデータ・ペイロード・サイズの拡大を目的として機能するほか、組織化された ID 階層を形成する役割も果たします。
CAN の主要な特長として、フレームを組み立てる処理能力、バス・アクセスの調停、ビット内容の形成、エラー・チェック、障害範囲の分離、データ同期を挙げることができ、その結果、このプロトコルの採用が容易になっています。 これらの特長を活用すると、システム設計者はプロトコル・ソフトウェアに関する懸念を抱く代わりに、アプリケーション・ソフトウェアに注目できます。
このブログの将来の投稿では、物理層の要件、バスの信号伝達レベル、基本的なドライバのトポロジー、基本的なレシーバのトポロジー、フレームの書式、終了、調停、双方向ループ遅延の重要性、エラー・チェックと障害範囲の分離、同相電圧、3.3V と 5V の CAN トランシーバの混在、回路の保護とフィルタリングを取り上げることを計画しています。
このリストに列挙しなかった中で皆様が関心のあるトピックがある場合は、以下のコメントからお知らせください。将来の投稿で取り上げる方針で最善を尽くします。
その他のリソース:
上記の記事は下記 URL より翻訳転載されました。
http://e2e.ti.com/blogs_/b/industrial_strength/archive/2015/04/30/can-we-start-at-the-very-beginning
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