ほとんどのビルは新築ではなく、古いビルの多くは、「ここに電源が設置されていれば、ビル制御システムを動作させることができるのに」と思うことがあります。 急速な都市化の中、別の手段を考える必要があります。 新しいビルは、エネルギー・コストを節約する機械式制御を実現するテクノロジーを通じて、より効率的なビルディング・オートメーション・システムを採用しています。 同時に、古いビルの制御システムを、新しいビルに追いつかせる必要があります。
先進的なビルディング・オートメーション・テクノロジーを古いビルに後付けで導入すると、エネルギーを節約することができます。 目標を達成する方法の 1 つに、商業施設と住宅では、周囲光センサがあります。 周囲光センサは、特定の領域で光の強度を検出できます。 ここで、低消費電力マイコンとワイヤレス通信プラットフォームにセンサを組み合わせることを考えてみましょう。 照明制御が容易になります。
たとえば、自然光と窓の組み合わせにより、必要な光量の 60% が室内に到達しているとしましょう。 ワイヤレス周囲光センサ・プラットフォームはこの光の強度をセンスし、人工的な光源を動的に調整して残りの 40% を供給することができます。 自然光が存在している場合は、人工的な光源は最大電力で動作することがないので、ビルディングが消費するエネルギーは少なくて済みます(図 1)。
図 1: 外部光と人工的な光の強度をバランスさせる例
周囲光センサは、領域の照明に限定されているわけではありません。 ディスプレイ・バックライトの分野でもアプリケーションとして活用できます。 余分な光がディスプレイに投射されている場合は、コントラストは色あせたように見え、画像や文字が見えにくくなります。 例を挙げると、サーモスタットのディスプレイ、TV、電子ビルボード、電飾サインなどです。 これらのディスプレイの輝度を下げると、低照度条件下で電力を大幅に節減できます。
周囲光センサ・ソリューションを使用する場合、次に想定される質問は、「日光量センシング・アプリケーション・サブシステムで、バッテリ・マネージメントとバッテリ電力はどうしますか」というものです。 この場合は、エネルギー・ハーベストが役割を演じることになります。 すでに日光が存在している場合は、日光を活用して光センシング・プラットフォームに電力を供給するのが妥当です。 これは、新しい TI Designs リファレンス・デザインで採用している手法そのものです。 光レベルが充分な場合は、デザインは 100% ソーラー・エネルギーで動作し、総エネルギー・コストは 0 ドルです(図 2)。 バッテリ・バックアップにより、低光量期間の正常な動作を維持します。 バッテリ寿命は最大 10 年にわたるので、このサブシステムではメンテナンスがほとんど、またはまったく必要ありません。
図 2: 光センサと環境センサ・ノード用のエネルギー・ハーベスト機能のブロック図
古いビルでも悩む必要はありません。 新式のビルディング・オートメーション・システムを既存のビル制御システムに、簡単かつ安価に後付けすることができます。 小型ソリューション・サイズとワイヤレス通信機能の組み合わせで、粘着部分の裏紙をはがして貼り付けるだけの簡単な設置が可能です。 または、日光ハーベスト・プラットフォームに対して他の IoT(モノのインターネット)ワイヤレス・システム・ノードを構築し、オートメーションの制御やデータの収集を行うさまざまなセンシング・アプリケーションを作り出すことができます。
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その他のリソース:
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周囲光センサと近接センサによるバックライトとスマート・ライティングの制御に関するリファレンス・デザインの詳細をご確認ください。
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次期設計で OPT3001 周囲光センサの採用を考慮してください。
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湿度と温度のノードに関する 2 つの TI Designs リファレンス・デザインをご確認ください。
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ビルディング・オートメーション用の温度センサ(英語)に関するこのアプリケーション・ノートをご覧ください。
上記の記事は下記 URL より翻訳転載されました。
https://e2e.ti.com/blogs_/b/industrial_strength/archive/2015/08/13/how-to-bring-iot-to-older-buildings-with-automation-technology
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