フォーラムは、インターネットによってもたらされ、すばらしい予想外の成果です。 フォーラムは、多数のユーザーがアイデアを共有し、質問を投げかけ、多様な魅力あるトピックについての話し合いを行うための簡単な方法です。

エンジニアの皆様がアクセスし、TI のデバイスに関する技術的な質問を、それらの製品を設計したエンジニアなどに対して直接問い合わせることができるように、TI E2E™ コミュニティが用意されています。 この記事の筆者は、TI の Motor Drive(モーター・ドライブ)グループに属するアプリケーション・エンジニアの 1 人であり、Motor Drivers forum(英語)を頻繁に確認して、さまざまな質問に回答し、話し合いに対してコメントを付けています。

5 部構成のこのブログ・シリーズでは、TI E2E フォーラムで非常に多く問い合わされる質問のいくつかに注目し、それらを解決したいと思います。

フォーラムに書き込まれる質問の多くは、デバイスのデータシートをよく観察すると解決できるものです。 さまざまな業界で「マニュアルを読んでください」と言っていますが、それらはいずれも同じ考え方に基づいています。 こう説明すると簡単なことに思えますが、データシートの読み方を理解すると、必要な情報をすばやく見つけられるようになります。  それでは、TI 製モーター・ドライバのデータシートでいくつかの重要なセクションを確認してみましょう。

先頭ページ

データシートの先頭ページには、デバイスが果たす機能に関する全体像と、開発中のシステムにそのデバイスが適しているかどうかを判定する情報が掲載されています。 デバイス名、概要、特長、簡潔な図、他のいくつかの重要な項目も掲載されています。

  • Features(特長):デバイスの機能を強調します。 多くの場合、このセクションには動作範囲、デバイス統合、保護機能、他の多様な項目に関する情報も掲載されています(図 1)。
  • Applications(アプリケーション):これは、デバイスの設計対象である一般的なアプリケーションのリストです。 これは、包括的なリストではありません。
  • Description(概要):デバイス自体、およびその機能に関する詳細な概要です。
  • Device information(デバイス情報):デバイスの供給に使用されている各種パッケージに関する情報です(図 2)。
  • Diagrams(図):多くの場合、これらの図はデバイスの簡潔なブロック図、または主要な機能のいずれかを示します(図 3)。

図 1: 代表的な Features(特長)セクション

図 2: Device information(デバイス情報)

 

図 3: ブロック図

 

Recommended operating conditions(推奨される動作条件)

Recommended Operating Conditions(推奨される動作条件)(図 4)は、デバイスが動作できる主要な制限範囲を示しています。 モーター・ドライバのデータシートで注意する必要のあり重要な項目は、次のとおりです。

  • Power-supply voltage range(電源電圧レンジ)。
  • Low-dropout regulator (LDO) external load current(低ドロップアウト・レギュレータの外部負荷電流)。
  • Output current capability(出力電流能力)。
  • Maximum input frequency(最大入力周波数)。

図 4: Recommended operating conditions(推奨される動作条件)

 

Electrical characteristics(電気的特性)

Electrical Characteristics(電気的特性)は、デバイスのパラメータおよび仕様を表にまとめてあります。 この中には、レギュレータの出力電圧、ロジック電圧レベル、タイミング仕様、電流能力、RDS(on)、保護機能に関する情報が掲載されています。

2 つの重要な仕様は、MOSFET(金属 - 酸化膜 - 半導体の電界効果トランジスタ、metal-oxide semiconductor field-effect transistor)の RDS(on)、および保護回路のパラメータです。 RDS(on) は、モーター・ドライバの電流能力を制限する主要な要因です。 MOSFET を流れる電流が大きくなると、生成される熱も大きくなります(P = I2R)。 一般的に、複数の異なる条件に対するパラメータが掲載されています(図 5)。


図 5: Motor driver outputs(モーター・ドライバの出力)

 

Protection Circuits(保護回路)セクションには、内蔵されている保護回路に関する各種レベルとタイミングが掲載されています(図 6)。 システム設計者は、保護回路が機能した場合の挙動とデバイスの問題を混同することがあります。 これらの値を参照すると、システムでどのような問題が発生したときに、モーター・ドライバが保護動作を実行するかを理解して、問題をデバッグすることができます。

6: Protection circuits(保護回路

 

Functional block diagram(機能ブロック図)

Functional Block Diagram(機能ブロック図)は、IC を視覚的に表現したものです(図 7)。 モーター・ドライバの内部動作に関する全体像を理解できるようになります。 ブロック図を参照して、電源ツリーがどのように構成されているか、出力をどのように接続すればよいのか、ロジック入出力がどのように設定されているかを判断することができます。

図 7: Functional block diagram(機能ブロック図)

 

Layout example(レイアウト例)

不適切なレイアウトや基板設計は、TI E2E フォーラムに投稿される問題に関する大きな原因の 1 つです。 レイアウトに問題がある場合は、そのことが原因で、バイパス・コンデンサの配置が不適切になり、接地方法が不適切になることが良くあります。 データシートには、レイアウトに関するヒントやガイドライン、さらに従うことが望ましいレイアウト例を掲載した専用のセクションが掲載されています(図 8)。 モーター・ドライバを適切なレイアウトで実装すると、ドライバが確実に仕様どおりに動作するようになります。

図 8: Layout example(レイアウト例)

 

 

Packaging information(パッケージ情報)

Packaging information(パッケージ情報)は多くの場合、データシートの末尾付近に掲載されていますが、この情報も重要です。 このセクションでは、デバイス・パッケージの物理的な寸法と特性が掲載されています(図 9 と 10)。 プリント基板(PCB)の設計で従うことが望ましい、推奨されるランド・パターンも掲載されています。 この情報を活用すると、基板を製作するときに、確実にデバイスを PCB に正しく固定するのに役立ちます。

図 9: デバイス・パッケージの物理的な寸法と特性

 


図 10: デバイス・パッケージの物理的な寸法と特性

これらの情報を覚えておくと、今日と今後にわたって、データシートをより的確に活用するのに役立ちます。 ご質問がある場合は、いつでも以下のコメント・セクションに記入してお送りください。

 

上記の記事は下記 URL より翻訳転載されました。

http://e2e.ti.com/blogs_/b/motordrivecontrol/archive/2015/05/12/-motor-drive-forum-top-faqs-part-1_3a00_-how-to-read-a-motor-driver-datasheet


*ご質問は E2E 日本語コミュニティにお願い致します。

 

 

 

 

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