皆さんはこのような経験をお持ちだろうと思います。 ある日の午前中、技術部長がやってきて次のように話します。「製品『x』に Wi-Fi® 機能を追加する必要が生じた。ただし、私としてはこの機能を追加する際に、製品『x』の回路を変更したくない」。 既存のシステムに、ホスト・プロセッサへの UART(ユニバーサル非同期レシーバ/トランスミッタ)接続機能がすでに搭載されている場合は、Wi-Fi 機能を容易に追加できます。
TI は 24 V VAC 電源付 Wi-Fi ブリッジへの UART(TIDA-00375)というリファレンス・デザインを製作済みであり、オートメーションと HVAC(暖房、換気、空調)システムの構築を想定しています。 このデザインは、低消費電力の SimpleLink™ Wi-Fi CC3200 ワイヤレス・マイコンを搭載し、インターネット・コネクティビティに対応しています。 このデザインには、電源セクションも実装されており、HVAC アプリケーションやサーモスタットで見受けられる 24V AC システムで使用できます。 このデザインは、3.3V または 5V ロジックを使用してシステムとのインターフェイスを確立できます。
TIDA-00375 リファレンス・デザインはワイヤレス・ブリッジとして公開されています。 (図 1 を参照)デザインに付属するソフトウェアは、外部アクセス・ポイントから提供される Wi-Fi 接続を使用して、2 枚の TIDA-00375 ボードの間で接続を確立します。 双方向通信機能も提供されます。 既存のシステム・ハードウェア・ノード間の UART 通信は、2 つの UART の間に 1 本のケーブルが接続されているかのように表示されます。
図 1: 既存の Wi-Fi ネットワークを使用するワイヤレス・ブリッジ
この手法はリファレンス・デザインの中で文書化されていますが、この手法を使用できるのはこのハードウェアだけではありません。 既存のネットワークが利用できない場合は、2 枚の TIDA-00375 ボードの一方をアクセス・ポイントとして構成し、もう 1 枚のボードをそのネットワークに接続することができます。 この場合も、エンド・システム間の通信は、2 つのシステムが 1 本のケーブルで接続されているかのように表示されます。 この接続を図 2 に示します。
図 2: 1 枚の TIDA-00375 をアクセス・ポイントとして使用するワイヤレス・ブリッジ
図 3 に、3 番目の選択肢を示します。 この構成では、1 枚の TIDA-00375 ボードを、インターネット・アクセスが利用できるアクセス・ポイントに接続します。 既存のシステムからの通信を、インターネット上に存在するクラウド拠点に送信し、データのリモート監視、データ分析、さらにシステム制御を実行することができます。
図 3: クラウドへのワイヤレス・データ接続
HVAC とサーモスタットのアプリケーションに加えて、ビルティング・オートメーションやファクトリ・オートメーションの分野には、このデザインを利用できる可能性のある他の多くのアプリケーションが存在します。 したがって、既存のハードウェアを Wi-Fi に接続する業務が次に発生した場合は、TI のワイヤレス・ブリッジ・デザインと SimpleLink Wi-Fi CC3200 プラットフォームを活用してプロセスを容易に実施できることを思い出してください。 このリファレンス・デザインをどのように使用しているかをお知らせください。
その他のリソース:
- 24 V VAC 電源付 Wi-Fi ブリッジへの UART(TIDA-00375)リファレンス・デザインをダウンロードし、設計ガイド、回路図、テスト・データ、設計ファイル、部品表(BOM)などを活用してください
- RS-485 インターフェイスを使用する設計に関しては、TIDA-00485 と TIDA-00486 の TI Designs を参照し、24 VAC 電源を使用する非絶縁型と絶縁型の RS-485 を Wi-Fi ブリッジに接続する方法をご確認ください。 これらは、TIDA-00375 との通信を行い、ケーブルを置き換えることもできます