価格が25セントのマイコンを持っていたら、0.5KBのメモリで何ができるでしょうか?

これまでの長い間、皆さんは固定機能のICを使用し、状況に応じて限られた柔軟性を受け入れてきたのではないでしょうか。単純なUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)-SPI(Serial Peripheral Interface)間ブリッジに、リセット・コントローラまたは外部リアルタイム・コントローラ(RTC)とバックアップ・メモリの組み合わせは、それぞれの機能に特化され、それ以上のことはできません。

しかし、ニーズに合わせて、それらの単純な機能にインテリジェンスを追加したり調整を加えたりできるとしたらどうでしょうか。これらの各機能をそれぞれ個別の低コストマイコンで実装できるとしたらどうでしょうか。

新しい『MSP 430™』バリュー・ライン・センシング・マイコン・ファミリを使用すれば、さまざまな種類の統合されたミックスド・シグナル機能を通して、単純なセンシング・ソリューションを実装できます。これらの低コストなマイコンに加えて、TIでは、25の一般的なシステムレベル機能のコード・サンプルからなるライブラリを作成しました。これには、タイマ、入出力(I/O)エクスパンダ、システム・リセット・コントローラ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などが含まれています。

25の機能は、標準的な回路に共通する4つの機能カテゴリに分類されます。システムとハウスキーピング、パルス幅変調、タイマ、そして通信です。コード・サンプルの大半は、『MSP430FR 2000』の使用時に0.5KB以下のメモリに収まり、最低価格の『MSP 430』マイコンは1,000個注文時に1個あたりわずか29セントであり、さらに数量が多ければ25セントになります。図1に、外部ウォッチドッグやリアルタイム・クロックなど、この25の機能のいずれかによって置き換えることができる、いくつかのディスクリート機能ICを示しています。ここに示したICまたは機能(タイマやPWMなど)のうち2つ以上を使用する場合には、複数の機能を組み合わせ、アプリケーションに合わせて調整することで、作業量や基板面積を減らすこともできます。

 図1:25の機能の例

作業開始に役立つように、TIでは、25の簡単なアプリケーション・ノートとソース・コードへのリンクを含めたe-bookを用意しています。ほんの数分あれば、ターゲットとなる『MSP 430』バリュー・ライン・センシングマイコン上で、ソース・コードをコンパイルし、ダウンロードして実行することができます。アプリケーションのニーズに合わせて各機能を調整することで、開発期間を大きく短縮できます。

多くの固定機能ICの代わりとなるこれらのプログラミング可能なマイコンについて詳しく検討する助けとして、そして皆さんがこの25の機能で何を実現するかを楽しみにしながら、TIでは引き続きアプリケーション・ノート・シリーズを作成していきます。

参考情報

※上記の記事はこちらのBlog記事(2017年11月8日)より翻訳転載されました。

※ご質問は E2E 日本語コミュニティにお願い致します。

Anonymous