TI Arm Clangは、将来のTI Armコンパイラを代表する、TI Arm Cortexマイコン向けの新しいコンパイラ・ツール・セットです。LLVMプロジェクトをベースにしたこの新しいツールチェーンは、C/C++フロント・エンドとしてClangを使用します。究極的には、この新しいツールチェーンによって、より効率的なアプリケーションを開発できるようになります。
LLVMとClang
LLVMは、モジュール式で再利用可能なコンパイラ・ツールチェーン・テクノロジーを集めたオープンソース・プロジェクトです...
新しい開発キットを受け取ったらすぐに設計を始めたくなることでしょう。使っているツール群が、正しいツールやリソースを自動で検索してくれないのであれば、面倒なインストール作業を手動でしなければなりません。
TIのクラウドベースの開発ツール群を使うことで、ローンチパッド開発キットを接続してすぐにソフトウェア例を実行できるほか、アプリケーションの開発とデバッグができるようになります。その手順は次の3ステップです。
エンジンの機械的な振動や衝撃にさらされている車載部品の状態が分かったり、自動化された工場内の激しい機械的振動がある環境で動作するシステムの状態について情報を得ることができたりしたら、素晴らしいと思いませんか。このような情報があれば、予知保全を行って、疲労した部品が完全に壊れる前に取り換えることができ、車のトラブルや工場のダウンタイムをかなり減らせるでしょう。下記のビデオでは、水晶振動子不要のTIのワイヤレスBAWテクノロジに関する試験のデモを紹介しています。今回の技術記事は、その詳細を説明します。
www.youtube.com/watch
BAWテクノロジが機械的な衝撃や振動に強い理由
振動や衝撃を測る2つの重要なパラメータは、IoT接続されたデバイスにかかる加速力と振動周波数です。振動の発生源は、走行中の車や機器の冷却ファンの内部、あるいは携帯型ワイヤレス・デバイスなど、あらゆるところに存在します。そのため、加速力、振動、衝撃に対して強い耐性を持つ安定したクロックをクロック…
Processor部門Vice PresidentのSameer Wassonがオートメーションの未来と
エッジのインテリジェンスについて語ります。
インテリジェント・マシンの未来は、エッジにおけるイノベーションにかかっています。それはつまり、より動的に意思決定を行うための、リアルタイムでのセンシングと処理を可能にする組み込みテクノロジのことです。
これまでのオートメーションは事前にプログラム設定されて動きが構築されていましたが、今では周りで起こっていることを機械がリアルタイムに理解し、知能を持って、安全・確実かつ自律的に対応できるように進化しています。これを実現するテクノロジが、人工知能の一分野である機械学習です。
信号処理テクノロジが進化し、多くの機械学習機能が追加されるにしたがって、TIは必ずしもクラウド処理に頼らなくても済む形で、車内の乗員検出や人間と機械との直感的な連携などにおける進歩の道を切り開いてきました…
工場で機械学習やニューラル・ネットワークを利用すると、マシン・ビジョン、無人搬送車(AGV)、ロボティクスのようなアプリケーションがよりスマートになり、作業効率が向上します。製造現場の反復作業を自動化するために何十年も前から組み込みのマイコンやプロセッサが使われてきましたが、組み込みシステムへの機械学習アルゴリズムの導入は依然として発展途上であり、研究プロトタイプの域を超えていません。
工場での機械学習アプリケーションを1つ取り上げて見てみましょう。現在のAGVは、カメラやレーダーといったセンサからの入力を受け取ります。プロセッサが実行するソフトウェアがデータを解析し、工場内をAGVが安全に動けるように電気モーターをどう制御するか判断します。倉庫のような限られた環境では、昔から使われているマシン・ビジョン・アルゴリズムでもうまくいくでしょう…
工場における革命的な変化の大半は、いくつかの画期的なイノベーションへと遡ることができます。18世紀中期の蒸気力の利用、あるいは20世紀初頭の組み立てライン生産モデルの開発など、あらゆるイノベーションが効率と生産性の大きな改善につながりました。
今は、産業用ロボット、インテリジェント・センサ、自動組み立てラインのイノベーションにより、工場経営の方法が根本的に変化している時代です。製品の製造プロセスはさらに自動化が進み、これまで人手で行ってきた作業の方法を機械が学習するようになっています。センサはそのような機械を継続的にモニターし、振動や温度などのパラメータを測定することで、機械が適切に動作し、過熱したりしないようにします。そして、これらのセンサは、組み立てライン内の全マシンを監督する中央のハブへと情報を送信します。そのような複雑なシステムのネットワークは、すべての運転が円滑に維持されるよう、相互に通信し合うことが不可欠です。
効率の良い通信に対するこのようなニーズにおいては…
産業デザインは急速に進歩し、ヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)、特に主な電化製品や建物のセキュリティ・システム向けの用途では、非常にスリムで高い信頼性を備えるようになっています。機械的なボタンやレバーの代わりに静電容量式タッチが使用されることが増え、TIのCapTIvateTM静電容量式タッチ・センシング・マイコンは、ユーザー・エクスペリエンス革命の旗手と言えます。
新しい『MSP430FR2675』、『MSP430FR2676』デバイスは、静電容量式タッチを使用した設計をレベルアップするとともに、時間、コスト、基板面積を節約します。この2種類のデバイスをはじめとしたCapTIvateの利点を簡単にご説明します。
超低消費電力のスマート・センシングおよび計測機器では、センシング・アナログ・フロント・エンド(AFE)、A/Dコンバータ(ADC)、マイクロコントローラ(MCU)を統合することがますます求められています。
このシリーズでは、いくつかのスマート・センシング・アプリケーションと、それらを実装するためのプラットフォームとしてTIのMSP430™マイコンの活用方法について説明します。今回は、血糖値測定器とパルス・オキシメータの2種類の医療機器を取り上げます。
血糖値測定器とは、血糖値を測定する小型のポータブル機器です。通常、皮膚に穿刺針を刺して採取した少量の血液を使い捨ての試験紙に乗せ、それを血糖値測定器が読み取って血糖値を算出します。血糖値測定器は、ミリグラム/デシリットルまたはミリモル/リットル単位で血糖値を表示します。
図1:血糖値測定器
電解試験紙には電極があり、そこにD/Aコンバータ(DAC)が正確なバイアス電圧を加えます…