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急速に進化するネットワーク接続型 (コネクテッド) 世界の背景で機能しているのは、各種エンタープライズ・システムと通信機器です。
この種の技術が速度、到達範囲、統合の境界を押し広げていく中で、開発者やメーカー各社は、モノのインターネット(IoT)設計の簡潔なアプローチを実現できるソリューションを探し求めています。

テキサス・インスツルメンツ(TI) の革新的な技術であるバルク弾性波 (BAW) 共振器は、世界初の水晶不使用 SimpleLink ワイヤレス・マイコン (MCU) や業界初の BAW 発振器という形で、統合をさらに一歩先へと進めます。TI の BAW 技術は、高性能で高精度の共振器を実現できます。BAW をマイコン・パッケージ内に統合することで、消費電力、レイテンシ、周波数の安定性を妥協することなく、外部の水晶振動子が不要になります。BAW を発振器パッケージ内に統合すれば、ジッタ特性を改善できるほか、振動、衝撃、温度に対する安定性が増し、MTBF (平均故障間隔) も短縮されて、信頼性が向上します。

以下に、TI の BAW 共振器技術に関する 5 つの重要な事項を示します。

1. バルク弾性波 (BAW) 技術の概要

BAW は微小共振器技術の 1 つであり、高精度かつ超低ジッタのクロックを他の回路とともにパッケージ内に直接統合できます。BAW 技術は、外部の水晶振動子ほどかさばらずに、よりノイズの少ない有線/無線信号をネットワーク全体に供給することができます。ワイヤレスのコンシューマ・エレクトロニクスから、ハイエンドの産業用システムまでの多様な分野で、通信品質と効率を向上させることができます。

2. BAW 技術の仕組み

TI の BAW 技術は、MEMS (微小電気機械システム) ベースの統合型オンチップ共振器を実現するための中核となる技術であり、1 個の圧電性 (ピエゾ) 材質を 2 枚の電極ではさんだものです (図 1)。
この材質は、電気的エネルギーを機械音響エネルギーに変換して、信頼性の高い発振を作り出すので、高周波かつ安定性の高いクロック出力を得ることができます。
そのようにして得られた安定性の高いクロックを 無線周波数(RF) タイミング向けの高精度信号源として使用することで、周波数の誤差や厳格な温度許容誤差などのパラメータに関して妥協せずに、高い信頼性で動作する無線コアを実現できます。

(a)

(b)

図 1:共振器として動作する圧電性 (ピエゾ) 材質 (a)。シリコン・ダイ上に形成した TI の BAW 技術 (b)。

3. BAW 技術の利点

TI の BAW 技術は、世界初の水晶不使用マイコンと業界初の BAW 共振器で採用され、高い信頼性、高性能、高精度のタイミングを実現しています。高集積のワイヤレス・マイコン CC2652RB と LMK6 BAW 発振器では、シンプルな設計で TI の BAW 技術が活用され、設計全体のフットプリントの縮小と開発コストの削減に役立ちます。また、さらに多くの設計オプションと高いフレキシビリティを多様なアプリケーションや環境で利用できます。

4. TI の BAW 技術で設計を向上させる方法

TI の BAW 技術を採用した革新的なチップを活用すると、部品表 (BOM) コストの削減、ネットワーク性能の向上、振動や衝撃に対する耐性の強化を実現できます。データ転送、ビル・オートメーション、ファクトリ・オートメーション、グリッド・インフラ機器といった、産業用や電気通信分野の次世代アプリケーションに最適です。農業から工場まで、この技術を活用することで、より性能の高いシステムを開発すると同時に、システムのコスト、サイズ、設計の複雑さを最小限に抑えることができます。

5.TI の BAW 技術の詳細

www.ti.com/baw を始めとして、TI の BAW 技術に関連するさまざな新しいコンテンツ(英語)が用意されています。CC2652RB の量産開始前サンプルは現在、7mm x 7mm の QFN パッケージで TI store から入手できます。また、SimpleLink CC2652B ワイヤレス・マイコンをベースとする TI LaunchPadTM 開発キットも TI store で入手できます。LMK6C の特定周波数バリエーションの量産開始前サンプルは現在、TI store から入手できます。他の周波数バリエーションと他の出力形式については、TIの販売代理店にお問い合わせください。

TI の BAW 技術に対応した CC2652RB デバイスは、TI の SimpleLink プラットフォームの一部です。このプラットフォームは、有線とワイヤレスの各種 Arm® マイコン (システム・オン・チップ) の非常に幅広い製品ラインアップを取り揃え、SimpleLink SDK という単一のソフトウェア開発環境に対応しています。量産開始前の CC2652RB デバイスは現在、Bluetooth Low Energy 5.0 をサポートしています。将来のリリースでは、ZigBee 3.0 と Thread のサポートも計画されています。TI の DPLL 製品ラインアップでも、BAW 共振器を高性能の電圧制御発振器として使用しています。

TI BAW 技術の詳細:


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※上記の記事はこちらの技術記事(2019年2月27日)より翻訳転載されました。
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